目先の注目材料は米経済指標 / ドル円とポンドドルの焦点そしてチャートポイントについて
目先の注目材料は米国の経済指標。今日は6月小売売上と7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)の内容が焦点に。ドル円は140円トライとなるか?サポートポイントの1.18を下抜けたポンドドルの焦点は?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
目先の注目材料は米経済指標
【サマリー】
・ウォラーFRB理事は7月FOMCで75bp(0.75%)利上げを支持
・目先の注目材料は米国の経済指標
・ドル円は140円トライが焦点に
・1.18割れのポンドドル 下落幅の拡大を警戒
・目先の注目材料は経済指標
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は14日、インフレの高進を受け7月26~27日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で75bp(0.75%)の利上げを支持する考えを示した。
ウォラー理事の発言後、米国の債券市場では各利回りの上昇が一服した。米国の株式市場では買戻しの展開が見られた。そして、7月FOMCでの100bp(1%)利上げの確率は80%台から40%台まで低下した(FedWatch)。これら市場の反応は、FOMC(FRBの政策動向)を意識した動きと言える。
これから政策についての外部発信が禁止されるブラックアウト期間に入ることを考えるならば、今日のFEDスピーカー達の言動(ボスティック・アトランタ連銀総裁とブラード・セントルイス連銀総裁は金融政策に関する討論会に参加)も各市場で意識される可能性がある。
また、今日以降は米国の経済指標の内容が7月FOMCの思惑を左右する材料となり得る。ウォラー理事は75bp(0.75%)の利上げを支持する一方、データ次第でより大幅な利上げに傾く可能性も指摘している。
今日は6月の小売売上高と7月のミシガン大学消費者信頼感指数・速報値が発表される。後者の指標では期待インフレの動きもチェックしておきたい。今日の経済指標で強い内容が確認される場合、米債市場では短期ゾーンを中心に利回りが上昇することが予想される。外為市場では米ドル買い優勢の展開を想定しておきたい。また、来週は住宅関連の指標とPMI指数・速報値の内容が材料視される可能性がある。
ドル円は140円トライが焦点に
・トレンドのけん引役は米2年債利回りへ
14日のレポートで指摘したとおり、6月の米消費者物価指数でインフレの高進が確認されて以降、ドル円(USDJPY)は米2年債利回りの動きに連動する動きが見られる。
昨日も米2年債利回りが上昇する局面ではドル円も連動して上昇し、ウォラー理事の発言後に米2年債利回りが低下すると、ドル円の上昇も一服した。
一方、これまでドル円のトレンドに大きな影響を与えてきた米10年債利回りは景気の後退リスクが意識され、上昇幅が限定的となっている(3%以下での推移となっている)。それでもドル円が139円台へ上昇した事実は、米2年債利回りの動きが今後のドル円のトレンドを左右する要因になり得ることを示唆している。
米2年債利回りとドル円の推移
・現実味を帯びてきた140.00トライ
米2年債利回りの上昇にピークアウトの兆しが見えるまで、ドル円(USDJPY)は調整の反落を挟みながら上値をトライする展開を想定したい。
テクニカル指標では、RSIが「売られ過ぎの水準」とされる70以上まで上昇してきた。しかし、RSIが79前後まで上昇すると相場が反落する今年のトレンドパターンを考えるならば、ドル円の上昇トレンドが続くことを想定しておきたい。
今日もドル円が上値をトライする場合は、フィボナッチ・プロジェクション139.12レベルをローソク足の実体ベースで突破できるかどうか?この点を確認したい。昨日は高値139.39まで上昇したが、ローソク足の実体での突破には失敗した(上ヒゲで上昇が止められた)。今日以降、ローソク足の実体で139.12レベルの突破に成功する場合は、140.00トライのシグナルと想定したい。
一方、ドル円が反落する場合は、138円台で底固めできるかどうか?この点を確認したい。ドル円が138円台を維持する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
ドル円のチャート
ポンドドルは1.18割れ 下落幅の拡大を警戒
・下落幅の拡大を警戒
ユーロドルのパリティ水準(1ユーロ=1米ドル)割れに注目が集まっているが、ポンドドル(GBPUSD)も下落幅が拡大する可能性が出てきた。
昨日のポンドドルは、サポートポイントの1.18を下方ブレイクし、安値1.1760レベルまで下落幅が拡大した。5月の金融政策委員会(MPC)以降、英国経済の先行きリスクが意識される展開となっているが、6月からはリスク回避の米ドル買いの圧力も高まったことで、ポンドドルの下落トレンドに拍車がかかっている。
ポンドドルのチャート
ポンドドルのリスクリバーサル(1ヶ月)の推移を確認すると、ポンド・プットに振れる状況(プットオーバー)が続いている。英国の景気リスクに加えて、目先は「米国のインフレ加速→FRBの大幅利上げスタンスの維持→リスク資産の下落リスク」という状況も外為市場で意識されやすい。上述したサポートポイントの1.18割れも考えるならば、ポンドドルで調整の反発が見られても、今は下落幅の拡大(ポンド売り)を警戒する局面にある。
ポンドドルのリスクリスクリバーサル
・次の下値ポイントは?
今後、ポンドドル(GBPUSD)の下落幅が拡大するシグナルとして注目したいのが、「1.18のレジスタンスポイント転換」である。
昨日は1.18台を難なく回復したが、ポンドドルの下落トレンドが続く可能性が高いことを考えるならば、1.18ブレイクの展開は今後も見られよう。
その過程で1.18レベルがレジスタンスポイントへ転換する場合は、1.16ミドルまでの下落を警戒したい。この水準は、2016年10月の安値レベルだが、2020年のコロナショックが発生した際も、長い下ヒゲが示現し相場をサポートした経緯がある。
なおもポンドドルの下落幅が拡大し1.16ミドルの水準を下方ブレイクする場合は、2020年3月の安値1.1411レベルが次のターゲットとして浮上しよう。このチャートポイント(1.1411)をも下抜ける展開となれば、フィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準1.1272レベルを視野にさらなる下落幅の拡大を警戒したい。
ポンドドルのチャート
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