5月米雇用統計の注目ポイント / ドル円とユーロ円のチャートポイント
今日の外為市場は5月の雇用統計が焦点に。米債市場と米国株の反応でいくつかのシナリオが考えられる。ドル円とユーロ円の焦点は?上下のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
5月米雇用統計の注目ポイント
【サマリー】
・今日の外為市場の焦点は5月米雇用統計
・「強い雇用統計」ならば米ドル高の進行を予想
・ドル円のトレンドは米雇用統計と利回りの反応次第
・ユーロ円は140円の再トライが焦点に
・米債市場にらみのドル相場
2日の米国市場は株高となる一方、米債市場では利回りの上昇が抑制された。外為市場では米ドル安優勢の展開となった。
昨日の外為市場の動きが示唆していることは、株高のみのリスク選好相場(=株高の動きに米金利が上昇で反応しない相場)では、現在の外為市場が資源国通貨や欧州通貨に対して米ドル安となりやすい状況にあることを示唆している。言い換えれば、米ドル相場のトレンドは米国債の利回り次第ということだが、その米債市場では現在「景気の先行き」がメインテーマとなっている。ゆえに経済指標で利回りが上下に振れやすい展開となっている。
米ドル相場のパフォーマンス:6月2日
・焦点は5月の米雇用統計 「強い雇用統計」ならば米ドル高が進行
今日は5月米雇用統計が発表される。今回は、雇用者数(非農業部門雇用者数)と平均賃金の内容が米国債利回りの変動要因となる可能性がある。雇用者数と平均賃金がともに予想以上となる場合、米国債利回りには上昇の圧力が高まることが予想される。期待インフレ率の上昇が抑制されていることを考えるならば、実質金利(10年)も上昇することが予想される。
また、米国株式市場の参加者の関心が連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めスタンスに集まっていることも考えるならば、「強い雇用統計」は米株安の要因となり得る。雇用統計を受け米国債利回り(実質金利)の上昇と株安の展開となれば、利回り上昇とリスク回避による米ドル買いが重なることで、米ドル相場の上昇幅が拡大する展開が予想される。
今回の雇用統計が総じて予想以下の内容となれば、FRBの金融引き締めペースが緩和するとの思惑から、米債市場では利回りに低下の圧力が高まることが予想される。
このケースでの焦点は、米国株の反応である。「さえない米雇用統計→金融引き締めペースの後退期待→株高」となれば、昨日と同じく資源国通貨や欧州通貨に対して米ドル安優勢の展開が予想される。
一方、さえない米雇用統計が利回りの低下と株安の要因となれば、典型的なリスク回避相場により円買いの圧力が最も高まることが予想される。米ドルと資源国通貨のトレンドは、国際商品市場の動き次第となろう。
米株安となっても国際商品市場が上昇すれば、利回り低下の方が重視され、資源国通貨は対米ドルで上昇することが予想される。
対欧州通貨のトレンドでは、米ドル高優勢の展開が予想される。だが、米国債利回りの低下により米ドル買いは限定的となる可能性があろう。
非農業部門雇用者数と平均賃金の推移
ドル円のチャートポイント
・131.00と21日線の攻防
今日のドル円(USDJPY)は、5月雇用統計が発表された後の米国債利回りの反応でトレンドが左右されよう。米雇用統計が利回りの上昇要因となれば、昨日の高値130.23レベルおよび5月11日高値130.81レベルのトライ&ブレイクが焦点となろう。前者の水準は、フィボナッチ・プロジェクション38.2%の水準(130.20)にあたる。
ドル円が上2つのレジスタンスポイントを突破し131円台へ到達する場合は、131.34(5/9高値)のトライとなるか?に注目したい。すぐ上の水準131.39レベルはフィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準にあたる。
なお、通貨オプション市場のリスクリバーサル(1週間)は、昨日に続きドル・コールの状況にある。また、主要なクロス円は円安のトレンドにある。3日の米国市場が「株高/利回り上昇」となれば、ドル円の131円トライを想定しておきたい。
一方、米雇用統計を受けドル円が下落する場合は、21日移動平均線(SMA)の維持が焦点となろう。ドル円が21日線を下方ブレイクする展開となれば、128.00レベルがレジスタンスポイントからサポートポイントへ転換するかどうか?この点を確認したい。
ドル円のチャート
ユーロ円のチャートポイント
・140円を再トライするムード高まる
昨日取り上げたユーロ円(EURJPY)だが、予想どおり140円を再トライするムードが高まっている。昨日はフィボナッチ・プロジェクション38.2%の水準138.61レベルを完全に上方ブレイクした。一気に139円台へ乗せてきた地合いの強さも考えるならば、今日の焦点は140円のトライおよびブレイクにある。
昨日はユーロドル(EURUSD)の反発に連動したが、136.70ブレイクとその後の動きはドル円(USDJPY)の上昇によるところが大きい。よって、今晩の米雇用統計を受けドル円が上昇する場合は、ユーロ円の140円再トライを想定しておきたい。
ユーロ円がしっかりと140円台へ乗せてくる場合は、フィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準140.46レベルのトライおよびブレイクが次の焦点となろう。
一方、ユーロ円が反落する場合は139円台の維持に成功するか?この点に注目したい。138円台の攻防では、138.50-60ゾーンの維持が焦点となろう。
ユーロ円のチャート
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