指標データにらみの米金利 /ドル円とユーロドルのポイント
サマリー:「米金利は指標データに反応しやすい地合いにある。トレンドが変わりつつあるドル円は2つのポイントに注目。ユーロドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
指標データにらみの米金利
昨日の米国債券市場では、長期金利(以下では米金利/利回り)が一時1.31%台へと反発した。9月のNY連銀製造業景気指数は34.3と、市場予想の18.0を大きく上回った。それを確認してから利回りが上昇した状況を考えるならば、今の米金利は指標データに反応しやすい地合いにある。
今日は8月小売売上、9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数そして新規失業保険申請件数が発表される。これらの指標データが総じて良好な内容となれば景気の回復期待が意識され、米金利は反発基調を維持する展開を想定したい。良好な指標データで米株が反発基調を維持する場合も、米金利の上昇要因となろう。
逆に上の指標データが総じて予想以下となる場合は、米金利の低下基調が続くことが予想される。昨日の利回り動向が米ドル相場に与えた影響は限定的だったが、米ドル相場は引き続き金利にらみの展開が続こう。
米長期金利のチャート
ドル円 2つの注目ポイント
ドル円(USDJPY)は、昨日の下落でトレンドが変わりつつある。
ドル円がさらに下値を目指すかどうかを見極めるポイントは2つある。ひとつは109.06-10ゾーンの攻防である。109.10レベルは、8月16-17日にかけて相場をサポートした経緯がある。そして昨日は、109.12レベルで下落が止められ長い下ヒゲが示現した。一方、テクニカルの面で注目したいのが、フィボナッチ・リトレースメン61.8%の水準109.06レベルである。5月27日以降、この水準で相場がサポートされる局面が見られる。これらの動向を考えるならば、109.06-10ゾーンの下方ブレイクは、ドル円が108円台へ下落するシグナルと想定しておきたい。
108円台の攻防で最初に注目したいのが、8月4日の安値108.71レベルのトライおよび維持となるか?この点である。108.71レベルをあっけなく下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準108.45レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。
もうひとつのポイントは、2つのEMA-100日EMAと89日EMAがサポートラインからレジスタンスラインへ転換するかどうか?この点にある。今日現在、100日線は109.52レベル、89日線は109.62レベルでそれぞれ推移している。特に米株と金利の上昇が同時に発生する局面で、これらEMAの突破に失敗する場合は、108円台への下落を警戒したい。
ドル円のチャート
ユーロドルの反発を阻む2つのEMA
EU主要国の金利は再び上昇基調にある。一方、米国のインフレ鈍化で米金利の上昇圧力が抑制されていることで、ユーロドル(EURUSD)は1.18台を維持する状況にある。しかし、今後は金融政策の正常化レースでパウエルFRBとラガルドECBの差が開くことが予想される。この点を重視するならば、ユーロドルの反発局面では戻り売りを意識したい。
目先の焦点は、ドル円と同じく2つのEMA-50日EMAと89日EMAの攻防となろう。
現在は、1.1827レベルで推移している50日線で反発が抑制されている。今月の8日以降、50日線の突破に成功しても1.1850レベルで反発が止められ、上ヒゲが示現するパターンが見られる。1.1850レベルは、50日線以上にユーロドルの反発を抑制するレジスタンスの水準として意識しておきたい。
米ドル安にサポートされ1.1850レベルの突破に成功する場合は、89日線(今日現在1.1868レベル)を視野に上昇幅の拡大が予想される。89日線の攻防は、再び1.19をトライするかどうか?の攻防分岐のポイントと想定しておきたい。
一方、ユーロドルが反落する場合は、今月13日の安値1.1768レベルのトライが焦点となろう。この水準は、フィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準にあたる。
ユーロドルのチャート
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