今は次の一手を探る局面に / トルコリラの不透明感は消えず
サマリー:「20日はリスク資産だけでなく安全資産まで売られる展開に。多くの投資家は次の一手を打つため守りに入っている可能性あり。外為市場には方向感なし。トルコリラは急伸したが不安定な状況が続くと予想」。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今は次の一手を探る局面に
・米国債も金も売られる
20日の米国株式市場では、主要3指数が下落した。セクターパフォーマンスを確認すると、景気敏感株を中心にすべてのセクターが売られた。
一方、米債市場では2年債、5年債そして10年債の各利回りが反発した。一方、国際商品市況ではNY金先物(2月限)が3営業日ぶりに反落した。
オミクロン株の感染拡大懸念やバイデン米政権が掲げる「ビルド・バック・ベター」法案(1.75兆ドル規模の気候変動および社会保障関連の歳出法案)の実現が暗礁に乗り上げるなど、投資家の心理を冷やす要因がくすぶる中、リスク資産(株式)だけでなく安全資産までが売られる状況は、多くの投資家が先行き不透明感を意識すると同時に、それが晴れた時に打つ次の一手のために現金の保有を進めている動き、と考えることができる。
米長期金利とNY金のチャート
・米ドルの売り買いが交錯
外為市場では、米ドルの売り買いが交錯した。
リスク回避の相場ならば、資源国通貨や新興国通貨全般で売りの圧力が高まるが、昨日は南アランド(ZAR)やメキシコペソ(MXN)が対米ドルで堅調地合いとなった。
円高の動きが限定的だったことも考えるならば、外為市場に参加している投資家も方向感の欠ける市場センチメントをにらみながら、次の一手を探している状況にあると考えられる。
米ドル相場のパフォーマンス(20日)
トルコリラの不透明感は消えず
・トルコリラは急伸
なお、昨日の外為市場で大きく動いた通貨がトルコリラである。
米ドル/トルコリラ(USDTRY)は、エルドアン大統領がリラ安による国民負担を軽減する政策(為替変動からリラ建ての預金を保護する政策)を発表したことで、先週17日の終値(16.41レベル)と比べ17.7%以上下落した(米ドル安/リラ高の展開となった)。
テクニカル面では21日EMA(今日現在13.51レベル)の攻防となっている。21日線がレジスタンスラインへ転換する場合、市場参加者が短期的(投機的)なリラ買いを続けるシグナルの一つとなり得る。
・不安定な状況は続くと予想
しかし、今回の政策をもってしてもトルコリラ相場が安定する可能性は現時点で低いと筆者は考えている。エルドアン大統領が述べた政策がどのように実行されるかのか?この点に不透明感が残るためだ。これはトルコの政治リスクと言い換えることができる。
また、各国中銀が金融政策の正常化へ舵を切る中、政治や経済にリスクを抱える通貨は今後、対米ドルで売られやすい状況に陥ることが予想される。
米ドル/トルコリラのチャート
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