FOMCを受け米金利とドルは上昇、米株は下落 / 主要通貨のチャートポイント
サマリー:『FOMCでパウエルFRBは金融政策の正常化に向けて舵を切り始めた。米金利が上昇し外為市場ではドル買いの展開に。ドル円、ユーロドル、ポンドドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
FOMCを受け米金利とドルは上昇、米株は下落
16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備理事会(FRB)は、2023年中にゼロ金利を解除する方針を示した。
今回公表された政策金利の見通しでは、23年中の利上げを予想する参加者は13人いた。3月は7人だった。また、22年中に利上げを予想する参加者も3月の4人から7人へと増加した。
最新の経済見通しでは、今年と23年のGDP予測を上方修正した。インフレ(Core PCE)については今年3.0%まで上昇するも、22年と23年は2.1%で横ばい推移との予測を示し、「インフレは一時的」とのスタンスを維持した。
また、パウエルFRB議長は記者会見で量的緩和政策の縮小議論があったと述べた。
今回のFOMCで、パウエルFRBが金融政策の正常化に向けて舵を切り始めたことが分かった。
FOMCを受け米長期金利(以下米金利)は一時1.594%まで反発し、実質金利もこの動きに追随した。米金利の上昇は米ドルの買戻し圧力を高めた。
米株は全般的に売り優勢の展開となったが、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、クラウドストライク(CRWD)といった決算を順調にクリアしている銘柄は上昇した。
パウエルFRBが金融政策の正常化に向けて舵を切ってきた以上、今後は四半期決算をクリアした銘柄とそうでない銘柄とのパフォーマンス格差が拡大していくことが予想される。
FOMCで外為市場は米ドル買い 主要通貨のチャートポイント
ドル円
タカ派のFOMCを受け、外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。
短期サポートラインに下支えされているドル円(USDJPY)は110.35レベルを一気に上方ブレイクし、110.70台へと上昇。4月の上旬に上値を抑制した110.74レベルの突破は、111.00トライのシグナルと想定したい。
利益確定などでドル円が反落しても、110.35レベルがレジスタンスからサポートへ転換する場合も111.00トライのシグナルと想定したい。
ドル円のチャート
ユーロドル
ユーロドル(EURUSD)は大陰線が示現し、1.20レベルの攻防となっている。今日以降、1.20を完全に下方ブレイクする展開となれば、トレンド転換のシグナルと想定したい。
目先、下値の焦点は直近高安の半値戻し1.1984レベル、およびリトレースメント61.8%の1.1917の攻防となろう。
一方、かろうじて1.20レベルの維持に成功する場合は、50日EMA(1.2101レベル)がサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?この点を確認する相場となろう。市場参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1ヶ月)は低下基調にある。現在、より注視すべきは下落リスクの方である。
ユーロドルのチャート
ポンドドル
ユーロドルと同じくポンドドル(GBPUSD)もトレンド転換を意識する局面にある。
昨日はFOMCを受け大陰線が示現。50日EMA(1.4040レベル)はおろか、節目の1.40レベルをも一気に下方ブレイクする展開となっている。1.40がレジスタンスからサポートへの転換に失敗したことで、目先は下落幅の拡大を警戒したい。
下値の焦点は、直近高安の半値戻し1.3960レベルとなろう。この水準をも下方ブレイクする場合は、リトレースメント61.8%の水準1.3892レベルの攻防を想定したい。
一方、上値の焦点は50日線がサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?この点を確認したい。
50日線を突破しても、すでにレジスタンスラインとして意識されている21日EMA(1.4100レベル)で反発が抑制される可能性も意識しておきたい。
ポンドドルのチャート
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