カナダ中銀は量的緩和を終了 金融政策の正常化の流れがより鮮明に / ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:「カナダ中銀は量的緩和政策を終了。先進国でも金融政策の正常化の流れが鮮明に。株安と原油価格の下落で米金利は低下。ドル円は下値トライを警戒。ユーロドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
カナダ中銀は量的緩和を終了 金融政策の正常化の流れがより鮮明に
カナダ中銀(BoC)は27日の金融政策委員会で、予想通り政策金利を0.25%に据え置いた。一方、景気の回復と供給制約や資源価格の上昇でインフレが進行していることを考慮し、債券買い入れプログラムを終了すると表明した。
また、マックレム総裁は来年中にも利上げを行う可能性を示唆した。今回の決定を受け、カナダドルは対米ドルと円で上昇した。
すでに一部の新興国では利上げに踏み切る国があったが、今回のBoCの決定を受け、先進国でも金融政策の正常化の流れが世界的なトレンドになっていることが改めて浮き彫りとなった。
翻って日本は金融緩和政策からの脱却に道筋が見えない。昨日のようにリスク回避の局面では、円が買われる局面が見られるだろう。しかし「金融政策の正常化トレンドに乗り遅れている日本」という構図が鮮明となっている状況を考えるならば、円相場の上昇は限定的になると予想する。
ドル円とユーロドルのチャートポイント
・ドル円(USDJPY)
昨日のドル円(USDJPY)は、10日EMA(今日現在113.71レベル)を下方ブレイクし、113.37まで下落する局面が見られた。しかし、27日のレポートで指摘したフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準でサポートされた。日足ローソク足では長い下ヒゲが示現。113.40レベルが新たなサポートポイントとして意識されていることを示す動きだった。
株安と原油価格の下落により、昨日の米債市場では長期金利が1.6%を割り込む展開となった(一時1.52%まで低下)。また、入札結果が堅調だった5年債利回りも1.2%の水準をブレイクした(一時1.13%まで低下)。
ドル円のトレンドに影響を与えるこれら米金利の動向やMACDでデッドクロスとなっている状況も考えるならば、ドル円は引き続き10日線とフィボナッチ・リトレースメント23.6%をトライする展開を想定しておきたい。
後者のテクニカルポイント(113.37レベル)を下方ブレイクする場合、次の下値のポイントは、今月中旬に相場をサポートした113.20レベルのトライおよび維持となろう。
一方、株高や原油価格の上昇などで米金利が反発する場合は、今週22日以降相場の上昇を止めている114.20-30レベルのトライおよび突破が焦点となろう。
114.30レベルを完全に突破する場合は、114.50を視野に上昇幅の拡大を予想する。
ドル円のチャート
・ユーロドル(EURUSD)
ユーロドル(EURUSD)は1.16を挟んで売り買いが交錯している。
金融政策の正常化がトレンドとなる中、欧州中央銀行(ECB)は日銀と同じく緩和スタンスを維持している。今日はECB理事会があるが、現行の金融政策を維持する公算が大きい。正常化を目指すFRBとのスタンスの違いは、ユーロドルの重石になり続けると思われる。
しかし、期待インフレ率の上昇と米金利の低下でアメリカの実質金利は低下基調(マイナス幅の拡大基調)にある。この状況は、米ドル相場の上値を抑制する要因である。米ドルの売りと買いの要因が交錯している現在の状況を考えるならば、ユーロドルは短期的に1.16を中心に上下に振れる展開が予想される。
米金利が低下する局面では、再びレジスタンスラインとして意識されてきた21日EMA(今日現在1.1621レベル)の突破が焦点となろう。直近2日は、このラインで反発が止められている。
21日線の突破に成功しても、強固なレジスタンスゾーンである1.1660-70レベルで反落する展開を常に意識しておきたい。
一方、米金利の反発やリスク回避の米ドル買いでユーロドルが下値トライとなる場合、一昨日と昨日の下落を止めた1.1583レベル、そして今月18日安値1.1570レベルの維持が目先の焦点となろう。
1.1570-80がサポートゾーンとして意識される場合は、1.16台への反発を意識したい。逆にこのゾーンをも下方ブレイクする場合は、1.1520台(今月12-13日の安値水準)を視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。
ユーロドル
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