ユーロドルのチャートポイント / 米政策動向が重要な焦点に
今日のポイント:『ユーロドルは短期的に反発が予想される。しかし上昇幅は限定的で軟調地合いが続く可能性が高い。今後は米国の政策動向に要注意。状況次第で米金利は上昇トレンドを維持し、米ドル高へ回帰するタイミングも早くなる』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ユーロドルのチャートポイント
ユーロドルは上値の重い展開が続いている。テクニカルの面では、18日のレポートで指摘したフィボナッチ・リトレースメント38.20%の水準1.2063レベルの攻防となっている。
市場の短期的な思惑を反映するリスクリバーサルの動向を確認すると、1週間のそれには反転の兆しが見える。一方、1ヶ月のそれは低下基調を維持している。
これらの動向は、目先38.20%前後でユーロドルの一時的な反発が意識されてはいるが上昇幅は限定的であり、ユーロドルの軟調地合いが続く可能性を通貨オプション市場の参加者が意識していることを示唆している。
ユーロドルが一時的に反発する場合、上値の焦点は21日MAの攻防で変わらず。このMAは今日現在、1.22前後で推移している。大陰線が示現した15日の高値1.2162の突破は、21日MAを目指すシグナルと想定したい。
一方、38.20%の水準を完全に下抜ける展開となれば、節目の1.20を視野に下落幅の拡大を予想する。
1.20をもブレイクする展開となれば、昨年の後半にユーロドルの上昇を何度も抑制した1.19レベルまで下落幅が拡大する展開を警戒しておきたい。
ユーロドルの短期的な展望
ユーロドルのチャート
米政策動向が重要な焦点に
ユーロドルの上値が重くなった理由は主に3つある。一にイタリア政局の混乱、二に欧州で新型コロナウイルスの感染が拡大していること、そして最後が米国の政策動向である。
イタリア政局の混乱が他の国でも見られるかどうか?は、ユーロ売り圧力を高める要因として今後も注視すべきだろう(オランダでは税務当局が育児手当を不当に返還させたことが問題となり、ルッテ内閣は15日に総辞職した)。
だが、より注視すべきは後者2つの動向である。これらは米ドル買い要因である。特に最後の米国の政策動向は、これから最も注視すべき要因であると筆者は考えている。
バイデン政策によって金利が上昇しやすい環境にあることに加えて、米国の次期財務長官に指名されているジャネット・イエレン氏は19日の指名公聴会で、米ドルの価値については市場で決定されなければならないとの考えを示し、米ドル安を追求しない方針を示すという。
また、ダラス連銀のカプラン総裁やアトランタ連銀のボスティック総裁は、資産の購入を徐々に減額していく「テーパリング」について言及してきた。パウエルFRB議長は現在の金融緩和政策を維持するスタンスを崩していないが、これらキーマンたちの言動を考えると、政権の移行に伴い昨年4月から続く『政策相場』のムードは変わりつつあることは確かだろう。
米金利上昇の局面では、相対的に投資の妙味が高い米債には買いが入るだろう。だが、今後も他のFEDスピーカーがテーパリングについて言及してくるならば、政策の転換が米債市場で意識されることで米金利は上昇トレンドを維持する可能性が高まろう。
そしてイエレン次期財務長官が米ドル安を志向しない政策を採るならば、筆者が予想する今年後半の米ドル高回帰の予測を前倒しする必要が出てくる。
米長期金利のチャート
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