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ECBの利上げペースの見通しは? 16日に理事会 エコノミストは減速予想

16日のECB理事会では0.5%利上げが確実視され、声明が示す利上げペースの見通しが焦点だ。加速示唆ならサプライズとなる可能性がある。

出所:ブルームバーグ

欧州中央銀行(ECB)の利上げペースの先行きに金融市場の関心が集まっている。ECBは16日の理事会で主要政策金利の0.5%引き上げを決定する見通し。焦点となるのは同時に発表される声明で今後の利上げペースをどう説明するかだ。エコノミストの間では利上げペースの減速が見込まれているが、米連邦準備制度理事会(FRB)では利上げペースの再加速も見込まれており、ECBが同様の方向性を示せばサプライズとなる可能性がある。

16日の0.5%利上げは確実視

ECBは前回(2月2日)の理事会で0.5%の利上げを決定。主要政策金利を3%、政策金利の下限にあたる中銀預金金利を2.5%に設定した。声明文では「3月の理事会でさらに0.5%の利上げを行い、金融政策の今後の道筋について検討する」としていた。

ロイター通信が7-9日に行ったエコノミスト60人に対する調査によると、中銀預金金利に関する予想の中央値は6月末が3.5%、9月末が3.75%だった。3月16日に利上げを行うことを前提として、5、6、7月に0.25%ずつの利上げを行い、9月は金利水準を維持するというシナリオだ。一方、5、6月の利上げ幅が合計0.75%になるとの予測も全体の42%を占めており、5月に0.5%、6月に0.25%という筋書きも予想されているとみられる。

ECBは2022年7月から利上げを開始し、前回を含めて0.5%の利上げを3度、0.75%の利上げを2度行ってきた。エコノミストの予想はECBが5月か6月に利上げのペースをさらにダウンさせるという道筋を示している。

カナダは利上げをストップ

各国・経済圏の中銀は2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を背景にして、急ピッチの利上げを進めてきたが、ここにきて変化も出てきている。

カナダの中央銀行であるカナダ銀行は8日、政策金利の据え置きを発表した。1月の物価上昇率は5.9%で、2022年6月のピーク(8.1%)からの減少傾向が続く一方、2022年10-12月期の実質成長率は前期比0%だった。カナダ銀行は「金融引き締めが家計消費の重荷となり、国内外の需要減速に伴って企業による投資も減っている」としている。オーストラリアの中央銀行も利上げサイクルが終わりに近づいていることを示唆している

これに対して米連邦準備制度理事会(FRB)は0.75%の利上げを続けた後、利上げ幅を0.25%まで縮めてきたが、物価上昇の根強さを踏まえ、利上げペースの加速を見据えている。10日に発表された2月の雇用統計では非農業部門の就業者数が31万1000人増加し、雇用の強さが賃金上昇を通じて物価上昇につながる方向性を示している。

ユーロの対ドル相場は米国金利の先高観が強まった2月以降下落傾向にあり、対円相場は植田和男次期日本銀行総裁の下でも金融緩和が継続されるとの見方などを材料にして、上昇基調にある。ECBが16日に、エコノミストの見立て通りに利上げのペースの減速を打ち出すのか、FRB同様の利上げペース加速を打ち出すかで、ユーロ相場が動く場面も出てきそうだ。


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