注目の景気敏感株10選
贅沢品や余暇への支出に影響を受ける景気敏感株は、景気の浮き沈みを反映します。この記事では、2024年に注目の景気敏感株10選を紹介します。各銘柄は時価総額と取引量に基づき選定されています。
景気敏感株(シクリカル株)とは
景気敏感株とは、個人消費に敏感に反応し、景気とともに上下する傾向のある株のことです。こういった株は景気循環株やシクリカル株とも呼ばれます。
所得が増えると、誘惑に負けて贅沢な買い物をしたくなる心理が働きます。景気敏感産業の代表例としては、航空会社、空港、自動車メーカー、高級品、百貨店などが挙げられます。
注目の景気敏感株10選
ここでは、注目の景気敏感株10選をご紹介します。株価とその推移は1月22日時点のものを引用しており、各銘柄は時価総額と取引量に基づき選定されています。また、過去の値動きは、将来の株価動向を示すものではありません。
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アコーホテルズ(ACCO.P)
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エールフランス-KLM(AIRF.PA)
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フェラーリ(RACE.N)
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ADPグループ(ADP.PA)
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ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT.N)
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三越伊勢丹ホールディングス(3099)
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日本航空(9201)
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LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH.PA)
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メルセデス・ベンツグループ(MBGN.DE)
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西武ホールディングス(9024)
アコーホテルズ(ACCO.P)
アコーホテルズはパリ近郊に本社を構えるヨーロッパ最大のホテルグループです。ホテル業界最大となる40ブランドを有しており、ラッフルズ、フェアモント、ソフィテルのような高級ホテルから、イビスのような格安ホテルまで幅広く展開しています。現在は100カ国以上で5,487のホテルを所有、経営、またはフランチャイズ展開しており、さらに1,262の新規ホテルの建設が計画されています。
同社は2024年にパリで開催される夏季オリンピックのオフィシャルパートナーとなっているため、オリンピック景気の恩恵を受けるのではないかと期待されています。2024年1月22日時点で、株価は36.04ユーロ前後で推移しています。
エールフランス-KLM(AIRF.PA)
エールフランス-KLMは、2004年にエールフランス航空とKLMオランダ航空が合併して設立しました。2社合わせて年間7700万人以上の旅客数を誇り、118カ国318都市に就航しています。2024年夏季オリンピックに向けたフランス国内および国外からの旅行者の増加が見込まれることから、今後の好調な事業展開に期待できます。
株価は11.55ユーロ前後で推移しています。
フェラーリ(RACE.N)
Ferrari NV (ITA)が提供する最高級スポーツカーの新車価格は、追加装備なしで23万950ドルから52万4815ドルの間で販売されています。富裕層をターゲットとした価格設定であるため、景気が良ければ同社の売り上げが伸びるのは容易に想像できます。2023年には、創業者のエンツォ・フェラーリを題材にしたハリウッド映画が公開され、フェラーリの地位はさらに高まりました。
株価は現在319.5ユーロ前後で推移しています。
ADPグループ(ADP.PA)
「Aeroports de Paris」の頭文字が社名となっているADPグループは、2024年夏季オリンピックで多くの来訪者を迎えるパリの主要国際空港、シャルル・ド・ゴール空港(CDG)とオルリー空港を運営しています。同社はまた、旧空港のル・ブルジェ空港をはじめ、首都圏で10カ所の飛行場を保有しています。
CDGとオルリー空港は、夏季オリンピックに向けて整備が進んでいます。2024年6月には、自動化された新しい地下鉄14号線のオルリー駅が開通する予定です。
同社はフランス国外の空港の株式も保有しています。その例として、アムステルダム・スキポール空港を所有・運営するロイヤル・スキポール・グループ、トルコのTAVエアポート、ヨルダンのエアポート・インターナショナル・グループ(AIG)、インドのGMRエアポートがあげられます。
株価は114.7ユーロ前後で推移しています。
ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT.N)
ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスは、124の国と地域に7,399の宿泊施設を所有する世界最大級のホテルグループです。同社は1919年に設立されて以来、ウォルドーフ・アストリアを始めとする高級ホテルの代名詞となっています。そのほかにも、さまざまなホテルやリゾートを所有、経営、フランチャイズしており、その大半がヒルトンの名前を掲げています。
同社は高い収益性を誇り、2023年1~9月期の純利益は9億9400万ドルを計上しました。
三越伊勢丹ホールディングス(3099)
日本の百貨店の業績は、個人の消費マインドを測る重要な指標となっており、消費意欲が高まればその売上高が増加します。三越伊勢丹ホールディングスは、2008年に2つの老舗百貨店が合併して誕生しました。三越の起源は1673年に遡り、東京の三越本店はその壮大な外観で広く知られています。
株価は1,759円前後で推移しており、前年比で25.65%上昇しています。
日本航空(9201)
現在、完全民営化されている日本航空(JAL)は、日本の事実上の基幹航空会社となっています。その信頼性、安全性、サービス水準の高さには定評があり、多くの国内旅行者に親しまれています。
同社は2022年第2四半期に21.6億円の赤字を計上したものの、2023年の同期には616.7億円の黒字へ転じ、売上高は32.7%増の8209.4億円でした。株価は2,798円前後で推移しています。
LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH.PA)
LVMH モエヘネシー・ルイヴィトンは、ワインや蒸留酒、ファッションや皮革製品、香水や化粧品、時計や宝飾品などの一流ブランドを含めた75のブランドを傘下に収め、「超高級品」の分野において圧倒的な地位を築いています。さらに、新聞、雑誌、ラジオ局、高級旅行事業も展開しています。同社は、世界で最も有名な通りと言われるシャンゼリゼ通りに3つの不動産を所有しています。
株価は659.40ユーロ前後で推移しています。同社は2022年通期の140.8億ユーロの純利益に続き、2023年上半期も84.8億ユーロの純利益を計上しています。
メルセデス・ベンツグループ(MBGN.DE)
ドイツのメルセデス・ベンツグループは、他の自動車メーカーとの厳しい競争の中で、高級感、品質、エンジニアリングの卓越性において高い評判を維持してきました。同社の売上高は、豊かさが高まる好景気に増加する傾向があります。
株価は現在59.11ユーロ前後で推移しています。
西武ホールディングス(9024)
西武ホールディングスは、日本最大級のホテル・レジャーチェーンであるプリンスホテルを傘下に収めています。プリンスホテルは国内外に84のホテルを運営し、その規模を250まで拡大することを目指しています。また、ゴルフ場31ヶ所とスキー場10ヶ所のほか、水族館、映画館、ボウリング場も運営しています。
2022年の事業再編において、同社はホテル・レジャー31施設をシンガポールの政府系投資ファンドであるGICに売却しました。プリンスホテルは引き続き譲渡した資産を管理しています。同社はさらに、東京北西部と近隣県を結ぶ鉄道網を運営するほか、別の子会社で不動産資産も管理しています。
株価は現在2,096円前後で推移しています。
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