半導体ビジネスは急速に成長している分野です。この記事では2026年5月の段階で注目されている半導体株のおすすめ5選 (日本含む) を紹介します。いずれも、成長性や市場での注目度、割安性などを総合的に考慮して選定しています。
半導体株(半導体銘柄)とは、半導体を製造・開発している企業の株式のことを指します。半導体は私たちの身の回りにあるスマートフォンやパソコン、自動車など、多くの製品に使われており、現代社会に欠かせない技術です。そのため、半導体を扱う企業の業績は、経済全体やテクノロジーの進化に大きく左右されやすいという特徴があります。
有名な半導体株には、アメリカのNvidia、台湾のTSMC、韓国のサムスン電子、日本では東京エレクトロン、信越化学工業、アドバンテストなどが挙げられます。これらはスマートフォンやAI、自動運転車などの分野で重要な役割を果たしている企業です。
このように、半導体市場は最先端のテクノロジーとともに成長していく可能性の高い分野であり、投資対象としても非常に注目されています。
この項目では、半導体株を取引するメリットとデメリットについて解説していきます。
半導体株を取引するメリットとしては、まず成長性の高さが挙げられます。半導体はスマートフォンやパソコンだけでなく、今後さらに成長が期待されるAI分野や自動運転車、IoT(モノのインターネット)などに欠かせない重要な部品です。技術革新とともに、新しい需要が次々と生まれやすい分野だと言えます。
また、世界的なニーズの高さも特徴です。半導体は世界中の多くの産業で必要とされているため、グローバルに展開している企業が多く、海外市場の成長を取り込める機会があります。
さらに、半導体産業は注目度が高い市場であることから、ニュースや情報が豊富で、学びやすいという点も初心者投資家にとってはメリットになるでしょう。
一方で、半導体株には注意すべきデメリットもあります。最も大きなデメリットは、ボラティリティが高い(値動きが大きい)ことです。世界的な景気や技術トレンド、政府の方針、国際関係などさまざまな影響を受けやすいため、株価が急騰・急落しやすい傾向があります。
また、技術の変化が非常に速いため、今まで主力だった製品や企業が短期間で苦境に立たされるケースも少なくありません。さらには、半導体そのものが一時的に余って価格が下がる「シリコンサイクル(約3~4年周期で好況と不況を繰り返す現象)」と呼ばれる現象もあり、企業の業績が上下しやすいのも特徴です。
加えて、専門用語や業界知識が必要になる場面があるため、最初は取引が少し難しく感じられるかもしれません。
半導体銘柄は、個別株として取引することも、上場投資信託(ETF)を通じて取引することもできます。例えば、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は米国の半導体株に連動する指数として広く知られています。
他の業界と同様、半導体関連企業も決められた決算時期に決算を発表します。決算発表が迫るにつれて、取引量は急増し、市場のボラティリティが高まる傾向があるので、決算をまたいで取引する際には注意が必要です。
さらに、企業による重大発表や新製品の発表、連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策に関する情報の発表時などにも、ハイテク関連銘柄のボラティリティが高まります。その結果、半導体関連銘柄の取引にも影響が波及する可能性があります。
ここでは、2026年第2四半期に注目すべき半導体関連株を5つ紹介します。(株価とその推移は5月8日時点のものを引用しています。また、過去の値動きは、将来の株価動向を示すものではありません)。
アドバンテストは、生成AIやデータセンターの進化に不可欠な半導体テスト装置で世界トップクラスのシェアを誇り、先端半導体市場の成長を支える重要な役割を担っている企業です。AI市場の急拡大に伴い、高性能半導体に対する需要は爆発的に増加しており、より複雑で高精度なテストソリューションが求められる中、同社は力強い業績拡大を続けています。
2026年4月には、半導体製造装置大手の米Applied Materialsとの戦略的提携を発表し、同社の「EPIC(Equipment and Process Innovation and Commercialization)」プラットフォームに参画することを明らかにしました。これにより、製造工程の初期段階から検査データを活用した性能の最適化や効率向上、歩留まり改善、および市場投入までの時間短縮の実現が可能となり、業界内での競争優位性が一層強固になると考えられます。
2026年3月期(2025年4月1日~2026年3月31日)の決算では、売上高が約1兆1,286億円(前年度比+44.7%)、営業利益は約4,991億円(同+118.8%)、当期利益は約3,753億円(同+132.9%)と大幅な増収・増益となり、過去最高業績を更新しました。AI関連の高性能半導体向けテスタ需要が大幅に拡大し、特にSoC(CPU、GPU、メモリ、通信モジュールなど複数の機能を1つのチップに集積したもの)テストシステムの売上が大きく伸びています。
2027年3月期通期(2026年4月1日~2027年3月31日)の決算では、売上高が1兆4,200億円(前年度比+25.8%)、営業利益は6,275億円(同+25.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4,655億円(同+24.0%)が見込まれています。AI関連向け半導体が引き続き成長を牽引し、半導体テスタ市場も過去最大の規模になることが予測されています。
現在の株価は29,885円、予想PERは約46倍、PBRは約27.2倍と、利益面と資産面共にかなり割高な水準であることは否めません。これは、アドバンテストの高い市場占有率と、技術的な参入障壁が評価された結果だといえるでしょう。
生成AIの進化に伴う半導体の複雑化は、検査工程の重要性を一段と高めています。アドバンテストは、半導体サイクルが成熟期に入っても安定した成長が見込める銘柄として、国内外の投資家から今後も強い支持を集めそうです。
東京エレクトロンは、半導体製造装置で世界的なシェアを誇り、AIインフラ投資の拡大から恩恵を受ける中核企業の一つです。同社は生成AI向け半導体の需要拡大を背景に、力強い成長局面を迎えています。
現在、2027年夏の完成を目指し、宮城県に製造装置の新たな生産拠点を建設中です。このような積極的なインフラ整備によって、世界的な需要増に応える体制を整えています。
2026年3月期(2025年4月1日~2026年3月31日)の決算では、売上高が約2兆4,435億円(前期比+0.5%)、営業利益は約6,249億円(同-10.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は約5,744億円(同+5.6%)となりました。
売上高は微増にとどまったものの、純利益は増益を確保しており、いずれも過去最高を更新しています。営業利益の減少は、売上総利益率が45.3%と低下したこと(前期比-1.8%)や、販売費及び一般管理費が増加したこと(前期比+7.6%)が主に影響しています。
2027年3月期中間期(2026年4月1日~2026年9月30日)の決算では、売上高が1兆5,700億円(前年同期比+33.1%)、営業利益は4,310億円(同+42.2%)、親会社株主に帰属する中間純利益は3,280億円(同35.7%増)と、大幅な増収・増益が見込まれています。通期の業績予想は、中間期の決算発表時に開示される予定です。
現在の株価は52,450円、予想PERは通期予想が公表されていないため算出不能、PBRは約11.6倍と、高いバリュエーション水準となっています。これは東京エレクトロンの高い成長期待が織り込まれた結果だといえるでしょう。
生成AIの普及によって半導体市場の「1兆ドル時代」が視野に入る中、東京エレクトロンは先端半導体向け設備投資拡大の恩恵が期待される企業の一つです。中長期的にも高い成長ポテンシャルを持つ銘柄として注目されています。
SCREENホールディングスは、半導体製造装置を中心に事業を展開する日本の大手企業です。特に、半導体ウエハ(半導体集積回路の基盤となる薄い円板)洗浄装置では、世界第一位のシェアを誇ります。
2026年4月には、5月にマレーシアで開催される「SEMICON SEA 2026」への出展を発表し、東南アジア市場での存在感を一段と高めました。最新のウエハ洗浄装置に加え、製造能力強化や持続可能性開発への取り組みも発表が予定されています。
2026年3月期第3四半期(2025年4月1日~2025年12月31日)の決算では、売上高が約4,253億円(前年同期比-7.5%)、営業利益は約774億円(同-23.0%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は約549億円(同-21.0%)と、大幅な減益となりました。主力のSPE事業で、ロジックやファウンドリー向け装置売上が減少したことが主に影響しています。
2026年3月期通期(2025年4月1日~2026年3月31日)の決算では、売上高が6,210億円(前期比-0.7%)、営業利益は1,170億円(同-13.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は880億円(同-11.5%)が見込まれています。第4四半期での追い上げが期待できそうです。
現在の株価は11,380円、予想PERは約24倍、PBRは約4.8倍と、一定の割高感があります。しかし、アドバンテストや東京エレクトロンといった他の半導体主力株と比較すると比較的割安な水準にあり、強気な見方を示す投資家やアナリストも少なくありません。
SCREENホールディングスは、短期的には顧客の設備投資スケジュールの影響を受けやすいものの、生成AIの普及やデバイスの高度化を支える縁の下の力持ちのような存在です。将来の成長ポテンシャルを考慮すると、現在の株価は依然として魅力的な水準だといえるでしょう。
ソフトバンクグループは、単なる通信キャリアを起点とする企業から、AIやロボティクスなどを軸に据えた投資持株会社へと変貌を遂げ、生成AI分野への巨額投資と半導体エコシステムの構築を加速させています。
2026年4月には、米OpenAIに対する総額300億ドル規模の追加投資の第1弾として、100億ドルの出資を実行したことが大きな話題となりました。7月には第2弾、10月には第3弾が予定されています。
2026年3月期第3四半期(2025年4月1日~2025年12月31日)の決算では、売上高が約5兆7,192億円(前年同期比+7.9%)、投資損益は約4兆2,203億円(同+94.5%)、親会社の所有者に帰属する純利益は約3兆1,726億円(同+398.7%)と、大幅な増益を達成しました。
これは主に、OpenAIへの出資に係る投資利益2兆7,965億円が要因となっています。2026年3月期通期の予想は、「未確定な要素が多く、連結業績を見通すことが困難」として公表を控えています。
現在の株価は6,131円、予想PERは通期予想が公表されていないため算出不能、PBRは約2.2倍と、半導体・AI関連銘柄としては比較的割高感の乏しい水準となっています。
ソフトバンクグループは、投資事業に加え、Arm Holdingsの半導体技術やOpenAIのソフトウェア、そして自社で手掛けるデータセンターインフラを統合した独自のAI戦略を突き進んでいます。今後も半導体・AI関連銘柄として、市場から大きな注目を集める存在となりそうです。
レーザーテックは、半導体用マスク(半導体の設計図にあたるガラス板)欠陥検査装置で、世界で圧倒的なシェアを誇る企業です。最先端のEUV露光技術(極端紫外線を使用して微細な回路パターンをシリコンウェーハに転写する半導体製造技術)の普及に不可欠な存在として、投資家から高い評価を受けています。
2026年3月には、Intelのグローバルサプライチェーン全体でわずか41社に贈られた「Intel 2026 EPIC Supplier Award」を受賞しました。この賞は、過去1年間にわたり継続的な改善とパフォーマンスに世界クラスのコミットメントを示したインテルのサプライチェーンにおけるトップパフォーマーを表彰するものです。
2026年6月期第3四半期(2025年7月1日~2026年3月31日)の決算では、売上高が約1,695億円(前年同期比+0.4%)、営業利益は約781億円(同-1.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は約568億円(同+7.8%)と、営業利益が減益となった一方で純利益は増加しました。販売費及び一般管理費が膨らんだものの、為替差益が純利益を押し上げました。
2026年6月期通期(2025年7月1日~2026年6月30日)の決算では、売上高が2,200億円(前期比-12.5%)、営業利益は1,000億円(同-18.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は720億円(同-14.9%)と見込まれています。これは中東情勢による資源・エネルギー価格の高騰によるインフレ懸念や、次世代機を作るための準備期間であることが主な要因だと考えられます。
現在の株価は43,770円、予想PERは約54倍、PBRは約17.4倍と、利益面・資産面共にかなりの割高感があります。これは、同社の圧倒的な市場シェアと将来の成長に対する期待値の高さが反映された結果だといえるでしょう。
レーザーテックは短期的な利益の変動は見られるものの、EUV露光という半導体製造の最前線において代替不可能な技術力を有しています。世界的なデジタル化とAI革命が進む中、同社の果たす役割は今後も増え続けると予想されるため、日本の半導体関連銘柄を代表する存在として引き続き注視すべき銘柄です。
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