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アドバンテスト、業績見通し上方修正は? 29日決算 株価上昇期待

アドバンテストは29日に10-12月期決算を発表。2025年3月期の総収入に関する見通しが引き上げられれば、株価に上昇圧力がかかりそうだ。

アドバンテスト、業績見通し上方修正は? 29日決算 株価上昇期待 出所:Adobe Images

半導体検査装置大手のアドバンテストが29日に発表する2024年10-12月期決算は業績見通しの上方修正の有無に注目が集まる。アドバンテストは4月以降に2度、総収入の見通しを引き上げており、足元では投資家の期待がさらに高まっているからだ。一方、アメリカでのドナルド・トランプ次期大統領の就任を20日に控え、半導体株をめぐる不透明感は強い。ただ、半導体企業は人工知能(AI)ブームを背景とした需要の強さに自信を示しており、アドバンテストの株価の今後の見通しが改めて上向く可能性もある。

アドバンテストの2024年10-12月期決算は3四半期連続増収増益の見通し

アドバンテストは29日午後3時30分に10-12月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総収入は前年同期比37.6%増の1833億円になる見通し。1株当たり利益(EPS)は約2倍にあたる58.75円と見込まれている。予想通りになれば3四半期連続での増収増益となる。アドバンテストは過去18回の四半期決算のうち3回で総収入が市場予想を超えられなかった。1株当たり利益では6回で市場予想をクリアできなかった。

アドバンテストの業績(総収入、1株当たり利益)の推移のグラフ

アドバンテストの株価は2024年に91.74%上昇 割高感は低下傾向

アドバンテストの株価(6857)は2024年に91.74%上昇。株価が2.3倍になった2023年からは上昇が減速したものの、日経平均株価(N225)の牽引役として存在感を示した。AIブームが半導体需要を高める中で、半導体検査装置への需要も高まっていることが株価の追い風になっている。また、1月17日の株価の終値は9158円で、2024年末比0.43%安だ。

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は17日終値時点で約34倍。前回(7-9月期)の決算発表があった2024年10月30日の約40倍から割高感が薄れた。2020年以降の平均値である28倍程度に近づいてきたといえる。アナリストが提示する目標株価の平均は1万0484円。1月に入ってからは1万2000円台に引き上げる動きも出ている。21人のアナリストのうち15人は買い、6人は維持を勧めている。

アドバンテストの株価と予想株価収益率(PER)の推移のグラフ

2025年3月期の総収入予想の上方修正は? トランプ氏の大統領就任に不安も

アドバンテストは前回決算発表に際し、2025年3月通期の総収入の見通しを6400億円に上方修正。総収入の見通しは7月にも、従来の5250億円から6000億円に引き上げられたばかりで、投資家を驚かせた。ただ、足元の金融市場では投資家の期待はさらに高まっているようだ。ブルームバーグによると、3月通期の総収入に関する投資家の予想は6895億円に達しており、さらに500億円近い上積みが見込まれている。

一方、半導体株をめぐっては不透明感も強い。米国で20日に大統領に就任するトランプ氏は中国との対決姿勢を強調。新政権下で中国向け半導体輸出への規制を強めるなどの動きが出れば、半導体企業の業績にとっては逆風だ。実際、退陣間際のジョー・バイデン政権は13日にAI向け高性能半導体をめぐる輸出規制の見直し案を発表。翌14日の日本の株式市場ではアドバンテストの株価が前日比9.21%安となった。

半導体企業はAIブームの見通しに自信 TSMCは設備投資上積みへ

とはいえ、半導体企業はAIブームの継続に自信をもっているようだ。半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOは16日の10-12月期決算会見で、AI関連需要について「頑強だ」と説明。TSMCは2025年に設備投資を大幅に積み増す見通しを示している。TSMCの積極姿勢の裏側には、米国の半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)をはじめとする顧客企業の積極姿勢があるとみられる。

トランプ氏は17日には自身のSNSへの投稿で、中国の習近平国家主席と電話で話したことを明かし、中国との関係維持をアピール。極端な対決姿勢はトーンダウンしているかにもみえる。こうした中、アドバンテストが10-12月期の決算発表で期待を超える今後の見通しを示すことができれば、株価への上昇圧力が増す可能性もありそうだ。


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