FXの攻略法やコツなど、FXトレード手法を解説
外国為替証拠金取引(FX)を取引きする時、どの水準で売買すべきか?これを分析するためにテクニカル分析がよく用いられます。テクニカル分析を用いたFXの取引戦略は数多ありますが、ここではその中でもよく使われる10の戦略についてお話します。
FXトレードを攻略する戦略 トップ10
- ボリンジャーバンドを用いた戦略
- モメンタムインジケーターを用いた戦略
- フィボナッチを用いた戦略
- ブレードランナーを用いた戦略
- 移動平均クロスオーバーを用いた戦略
- MACDを用いた戦略
- ケルトナーチャネルを用いた戦略
- フラクタルインジケーターを用いた戦略
- RSIインジケーターを用いた戦略
- ブレイクアウトを用いた戦略
FXトレーダーやマーケットアナリストは売買に適正な価格やタイミングを見極めようとして、常に新しい戦略を考案しています。以下では、FX取引でよく使われる戦略トップ10をご紹介します。
ボリンジャーバンドを用いた戦略
ボリンジャーバンドは3つのラインで構成されています。上限と下限の中心を通るラインは、一般的に20日の単純移動平均線(SMA)となります。このSMAを上下に挟んだラインで、マーケットのボラティリティを測定します。ボラティリティが高い時はバンドの幅が広がります。一方、マーケットが安定している時はバンドの幅が縮小します。為替レートがバンドの上限(下限)に到達すると、SMAに向かって下落(上昇)することがあります。
ボリンジャーバンドは、順張りと逆張りの両方の戦略で用いられます。順張りの戦略では、為替レートが上限をブレイクした時(下限をブレイクした時)に買い(売り)を仕掛けます。
一方、逆張りの戦略ではバンドの上限(下限)を売り(買い)のポイントとみなします。
モメンタムインジケーターを用いた戦略
モメンタムインジケーターは、為替レートの動きの速さを示す指標です。モメンタムインジケーターは100を中心とし、ラインが100以上の水準から離れるほど為替レートの上昇スピードが速いと判断します。一方、100よりも下の水準にあればあるほど為替レートの下落スピードが速いと判断します。
例えば、モメンタムインジケーターの数値が102なら、101の時よりも為替レートは早く上向きに動いていると想定します。逆に数値が98なら、99の場合よりも為替レートは早く下向き動いていると想定します。
モメンタムインジケーターは、相場に勢いがあるかどうかを確かめる指標であると同時に、買われ過ぎや売られ過ぎのシグナルを考えるための指標でもあります。FXトレーダーはトレンドの勢いと同時に、水準も確認してから売買のタイミングを計ります。売買の水準決める時は、必ず過去の水準と比較することをおすすめします。
フィボナッチ・リトレースメントを用いた戦略
フィボナッチ・リトレースメントは、サポートポイントとレジスタンスポイントを考える際によく用いられるテクニカル指標です。
フィボナッチ・リトレースメントの線は6本の線で構成されます。フィボナッチ・リトレースメントを使用する際、まずは高値(100%)と安値(0%)を設定します。そうすることで高値と安値の中間(50%)が決まります。残りの3本の線は、フィボナッチ数列の61.8%、38.2%そして23.6%で描かれます。
フィボナッチ・リトレースメントは多くのFXトレーダーに使用されているメジャーなテクニカル指標です。指値注文の水準を決める時に役立つだけでなく、逆指値注文を決める際にもフィボナッチ・リトレースメントはよく使われます。逆指値の場合、一般的に前回のスイングロー(上昇トレンド)よりも下の水準、または前回のスイングハイ(下降トレンド)よりも上の水準で設定されます。
ブレードランナーを用いた戦略
ブレードランナー戦略とは、為替レートの動きとテクニカル指標の数値を照らし合わせて売買のポイントを決める取引手法のことです。
ブレードランナー戦略で用いられるテクニカル指標には移動平均線、ピボットポイント、レジスタンスラインやサポートライン、さらにはフィボナッチ・リトレースメントなど様々です。
例えば、20日EMA(指数平滑移動平均線)を使用したブレードランナー戦略では、為替レートがEMAを上回ったあとに相場が下落するサインと捉えます。逆に為替レートがEMAを下回ったあとは、相場が反発するサインと捉えます。
一方、為替レートが下落してEMAに到達した時点で買いや売りを仕掛けることもあります。為替レートが最初に到達したローソク足を「シグナルローソク足」と呼びます。そしてEMAから再び遠ざかるローソク足を「確認ローソク足」と呼びます。これらローソク足のパターンが確認された時に短期の買い(売り)を仕掛けるFXトレーダーもいます。
移動平均のクロスオーバーを用いた戦略
移動平均線を用いた取引戦略の中で、最も知られているのが『クロスオーバー戦略』です。この戦略は『ゴールデンクロス』、『デッドクロス』と呼ばれています。
クロスオーバー戦略では、2本の移動平均線を使用します。ひとつめは期間の短い移動平均線(Fast EMA)です。もうひとつは期間の長い移動平均線(Slow EMA)です。
一般的に、期間の短い移動平均線が期間の長い移動平均線を下から上にブレイク(クロスオーバー)する場合、買いのシグナルと判断します。これを『ゴールデンクロス』といいます。
一方、期間の短い移動平均線が期間の長い移動平均線を上から下にブレイク(クロスオーバー)する場合、売りのシグナルと判断します。これを『デッドクロス』といいます。
クロスオーバー戦略を用いてストップロス(損切りの逆指値注文)の水準を決めることもできます。例えば買いポジションのストップロスは、クロスオーバーが発生する前のローソク足の最安値に設定します。一方、売りポジションのストップロスは、クロスオーバーが発生する前のローソク足の最高値に設定します。
下のチャートは、9日間に設定されたFast EMA(青いライン)と14日間に設定されたSlow EMA(赤いライン)を用いたクロスオーバー戦略です。
MACDを用いた戦略
移動平均線の収束と拡散の状況を見ながら売買のタイミングを計る取引手法に、MACDというテクニカル指標がよく用いられます。他のモメンタム指標と同じく、MACDは価格チャートの下に表示されます。このテクニカル指標はMACDライン、シグナルラインそしてヒストグラムの3つで構成されます。
MACDを用いた戦略で重要なのは、2つの移動平均線の動きです。これらは収束したり拡散したりします。FXトレーダーは2つの移動平均線の動きから売買シグナルを見極めようとします。
下のチャートでは、MACDラインを青、シグナルラインを赤に設定しています。MACDラインがシグナルラインを上抜けたら買いのサインと考えます。逆にシグナルラインがMACDラインを上抜けたら売りサインと考えます。
ケルトナーチャネルを用いた戦略
ケルトナーチャネルを用いた戦略は、ボリンジャーバンドの戦略に似ています。このテクニカル指標はEMA(指数平滑移動平均線)を中心とし、このラインの上下に2本の移動平均線が推移します。FXトレーダーは上限と下限のラインと為替レートの動向を比較して、買われすぎなのか?売られすぎなのか?を判断します。
一般的にケルトナーチャネルを用いた取引戦略は、順張りの時に用いられます。例えば、以下のチャートのように上限のラインを突破する局面が確認される場合、買いのシグナルと判断します。逆に下限のラインをブレイクする場合は売りのシグナルと判断します。
フラクタルを用いた戦略
フラクタル戦略は、マーケットの反転ポイントを見極めるために使われる取引手法です。反転のポイントを見つける時に参考とするのが、5本のローソク足の高安です。
例えば、5本のローソク足をピックアップして、真ん中(3本目)のローソク足の高値が他の4つのローソク足の高値よりも上の水準にある場合(Higher-High/ハイヤーハイ)、下落のシグナルと判断します。逆に真ん中(3本目)のローソク足の安値が他の4つのローソク足の安値よりも下の水準(Lower-Low/ローワーロー)にある場合、反発のシグナルと判断します。フラクタルの高安は通常、ローソク足の『ヒゲ』となります。フラクタル戦略を重視するFXトレーダーは、3本目のローソク足のヒゲの水準によって、トレンドの転換を予測しようとします。
RSIを用いた戦略
RSIは、数あるテクニカル指標の中でも多くのFXトレーダーに使われている指標のひとつです。この指標は『買われ過ぎ』『売られ過ぎ』を判断するために使われます。
RSIインジケーターは、他のオシレーター系の指標と同じく価格チャートの下に1本のラインとして表示されます。このラインが推移する範囲は0から100となります。一般的にRSIが70を超える局面では、その銘柄は『買われ過ぎ』と判断します。逆にRSIが30以下の水準へ低下する場合は『売られ過ぎ』と判断します。
RSIは必ずしもマーケットの動向を的確に捉えるわけではありません。よって、他のテクニカル指標と組み合わせて使うのが一般的です。例えば、同じオシレーター系指標のMACDと組み合わせてRSIを使うFXトレーダーがいます。また、価格チャートに移動平均線やフィボナッチ・リトレースメントをプロットして分析をするFXトレーダーもいます。
ブレイクアウトを用いた戦略
ブレイクアウト戦略とは、レンジ相場をブレイクした時に売買を仕掛ける取引手法です。レンジ相場は、ボラティリティが落ち着いている状況で発生します。この状況が続く間は、ある一定の上限と下限の間で為替レートが上下に動きます。
しかし、ボラティリティが急激に変動すると、為替レートが上限と下限のどちらかを一気にブレイクします。ブレイクアウト戦略を重視するFXトレーダーは、この瞬間を狙います。例えば、レンジの上限をブレイク(ブレイクアウト)する場合、新たな上昇トレンドが発生するシグナルと予想します。このケースでは買いを仕掛けます。逆にレンジの下限をブレイク(ブレイクアウト)する場合は、新たな下落トレンドが発生するシグナルと予想します。このケースでは売りを仕掛けます。
通常、ブレイクアウト戦略はマーケットの取引ボリュームも確認します。しかし、取引所で取引される株式と違い、為替市場は店頭取引なのでボリュームを知ることができません。よって、他のテクニカル指標と併用して売買のタイミングを見極めることが重要となります。また、ブレイクアウトが『だまし』となる可能性もあります。このケースでは、想定した動きとは逆に為替レートが動く場合があります。よって、逆指値(ストップ)注文を入れてリスク管理をすることも重要です。
FX取引の前に知っておくべきこと
FX取引を始める前に、為替市場を動かす要因やリスクについて学んでおく必要があります。ここではこれらの点について簡単にご説明いたします。
時間をかけてリサーチする
為替市場は、OTC(店頭取引)市場です。株式市場のような取引所はありません。そしてオセアニア→東京→ロンドン→ニューヨークと24時間取引が可能な世界最大の金融市場です。このため為替市場は色々な要因で動きます。このため、実際に取引を始める前に時間をかけて過去や現在のマーケット状況についてリサーチすることが必要です。
為替レートに影響を与える要因とは
為替レートに影響を与える要因は多くあります。その中でも特に重要な要因が以下の3つです。
- 中央銀行の政策:中央銀行の政策は為替レートに大きな影響を与えます。例えば、ある国の中央銀行が利上げの政策を決定する場合、その国の通貨は上昇する傾向にあります。逆に利下げを決定すれば、その国の通貨は下落する傾向にあります。
- 政治の動向:政治の動向も重要です。例えば、ある国の政府が大規模な経済対策を導入する場合、為替市場では将来の景気回復が意識されます。このため、その国の通貨は上昇する傾向にあります。
- トレーダーの心理:トレーダーの心理は為替レートに大きな影響を与えます。上で述べた政策や政治の動向によってある通貨が上昇(下落)しても、その水準が買われすぎ(売られすぎ)と多くのトレーダーが考える場合、その通貨ペアは下落(上昇)します。
為替市場のリスクを理解する
為替市場には多くの取引チャンスがあります。しかし、それに伴うリスクも理解しておくことが必要です。例えば、為替市場は通貨ペアによって流動性が違います。このため、流動性の低い通貨ペアが突然に急騰/急落するリスクがあるということです。また、流動性が低いと売買したい価格で約定できないというリスクもあります。さらに、上で述べた中央銀行の政策や政治の動向以外にも、要人の発言や経済指標のデータ、もしくはテロや災害といった要因で為替レートが突然動くことがあります。これらリスク要因に対処するために、保有するポジションに逆指値(ストップ)注文を入れておくと良いでしょう。そうすることで損失が拡大するリスクを防ぐことができます。またFXの仕組みについて知っておく事も重要です。
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