インフレーションとは?インフレの仕組みやメリット・デメリットを解説
世界的に急加速するインフレーションが問題になっています。ここでは、インフレーションとは何か、基本情報を今一度おさえておきましょう。
インフレーションとは
インフレーション(インフレ)とは、モノやサービスの価格が継続的に上昇している状態のことを言います。
モノやサービスの価格が上がるということは、相対的にお金の価値が下がるということでもあります。それまで100円で買えていた商品の値段が200円になった場合、「お金の価値が相対的に下がった状態」ということができます。
インフレーションの好サイクル
経済成長には、通常インフレが伴います。商品の販売価格が上がった企業の利益がアップし、従業員の給料も上がり、購買力が高くなった一般消費者が販売価格の上がった商品を買い、企業の利益がアップし……というサイクルが続くと景気が上向き、経済成長につながります。
中央銀行がインフレ率を管理
一見よいことばかりのように思われますが、インフレが行き過ぎてお金の価値が大きく下がり、「ハイパーインフレーション(ハイパーインフレ)」と呼ばれる状態になると、経済が大きく混乱することになります。国際会計基準(IFRS)では、 「3年間の累積インフレ率が、100%に近いかまたは100%を超える」急速なインフレをハイパーインフレとしています。
そのため、金融市場や一般市民の購買力に大きな影響を及ぼすインフレ率は、各国の中央銀行によって抑制され、一定になるように管理されています。
中央銀行はインフレターゲットを設定してインフレ率を管理しています。通常インフレ率は、消費者向けの一定の財とサービスの価格と連動する消費者物価指数(CPI)を使用して算出します。
一般に、インフレが進んだ状態では金利を引き上げ、反対にデフレのときには金利を引き下げ、需要を高める金融政策がとられます。
インフレのメリット
インフレが良い循環で起きている場合、商品やサービスの販売価格が上がったことにより企業の利潤が増え、働く社員の給与がアップします。物価がアップしても、給与が上がったことにより消費者の購買力が上がるため、さらに商品やサービスを購入するようになります。商品やサービスが売れると、企業の売り上げがアップし、社員の給与がまた上がり……というように、経済が成長していきます。
このような成長サイクルに乗ると、好景気が拡大していきます。
インフレのデメリット
インフレにはいいことばかりではなく、デメリットもあります。まず、インフレ状態になると、お金の価値が下がってしまうという点が挙げられます。商品やサービスの価格が上がることにより、これまでの貯金の価値が、額面はそのままでも下がってしまうということを意味します。
例えば、300万円の車を買おうと貯金をしていたとします。ところがインフレが進み、狙っていた車の値段が450万円にあがってしまいました。同じものを買うのに、さらにお金が必要になってしまいました。
また、成長サイクルがうまく作用しないインフレもあります。2022年現在問題となっているインフレは、モノやサービスの販売価格だけが上がった状態であり経済成長のサイクルに乗れていないのが実情です。企業や店舗が必要に迫られて商品価格を上げても、消費者は進んで買うことはできず、モノが売れない、家計を圧迫するなど混乱の要因になっています。
インフレとデフレの違いとは
デフレ(デフレーション)とは
インフレがモノ・サービスの価格が上がり、企業・個人もともに成長する状態であるのに対し、デフレ(デフレーション)は、モノ・サービスの価格が継続的に下落している状態のことを指します。
例えばこれまで1,500円であった商品が、1,000円になったとします。モノやサービスの価格が下がったことに伴い、企業側の売上高も下がり、従業員の給与も減額につながります。
デフレの状況が続くと、消費者は購買力・購買意欲ともに失ってしまい、企業の売り上げもどんどんさがってしまいます。このようなデフレの状態によりマイナスの循環が続くことを、「デフレ・スパイラル」といいます。
インフレーションとは まとめ
インフレーションとは、モノやサービスの価格が、継続的に上昇している状態のことをいいます。インフレーションの状態の下では、モノやサービスの価格が上がったことにより、企業の売り上げが上がり、それに伴って従業員の給与もアップします。購買力のあがった消費者は、さらにモノやサービスを買い求め、企業の売り上げがさらに上がり、好景気となります。
しかし、このような成長サイクルにつながらないインフレーションもあります。インフレーションは、金融市場や一般消費者に大きな影響を与えるため、各国の中央銀行により一定の水準に抑制されています。
インフレーションの状態では、お金の価値がモノやサービスに対して下がるため、現金資産の価値が下がってしまうことになります。
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