アメリカ株 強気相場を維持、メタの連騰止まるもS&P500が最高値 急反落には要警戒
米国株が強気相場を維持している。連休明けの市場でS&P500は最高値を更新した。しかし、安全資産の買いも同時に進行している。トレンドフォローを意識しながらも、突然の急反落を警戒したい。
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記事の概要
米国株が強気相場を維持している。連休明けの市場では株高をけん引しているハイテク株が売られた。メタの連騰は20で止まった。しかし、投資家のリスク選好姿勢は強い。だが、米株高の裏では安全資産も買われている。S&P500のトレンドは上値トライにあるが、FOMC議事要旨や経済指標を受けた急反落を警戒したい。
目次
メタ連騰ストップもS&P500は最高値を更新、中小型株に買い
連休明けのアメリカ株式市場は底堅さを見せつけた。この日は、現在の株高をけん引している大手ハイテク株が売られた。メタ・プラットフォームズ(META)の連騰は20で止まった。しかし、主力の半導体株やエネルギー株など幅広い銘柄の買いに支えられ、主要な株価指数は前週末比で上昇した。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前週末比0.24%高の6129.58と、約1カ月ぶりに最高値を更新して終えた。中小型株の指数ラッセル2000が上昇した状況も、今の地合いの強さを示唆した。
アメリカ株価指数の騰落率:2月18日
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ブルームバーグのデータで筆者が作成
株高と同時進行する安全資産の買い
米国株は強気相場を維持している。最高値を更新したS&P500の焦点は、新たな高値水準の見極めるにある。
しかし、米株高の裏では安全資産の買いも進行している。国際商品市況では、先週14日の市場で急反落したNY金のスポット価格が、最高値を視野に反発している。
また、2月に入り米国債ETFを買う動きも加速している。金利の高止まりで投資妙味が増していることも一因だが、ゴールドの買いを考えるならば、先行きの不透明感を意識した安全資産の投資需要が高まっていることを示唆する動きである。
米国債ETFの資金フロー(流入額):週次 年初来
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ブルームバーグインテリジェンスのデータで筆者が作成
急反落には要警戒
今日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(1月分)が発表される。焦点は今後の政策方針にある。ウォラーFRB理事やサンフランシスコ地区連銀のデーリー総裁から、今後の利下げ判断についてはインフレの動向次第という見解が聞かれた。トランプ関税の影響によるインフレ再燃を懸念し、追加の利下げについて慎重な意見が多く見られる場合、今年の利下げ期待が後退しよう。また、明日は週間の新規失業保険申請件数がある。労働市場の堅調さを示す内容も「利下げ期待の後退→米長期金利の上昇要因」になり得る。
米長期金利(10年債利回り)は現在、再び反発の基調にある。4.6%以上の水準へ上昇幅が拡大する場合は、米国株の急反落を警戒したい。
米10年債利回り:15分足 2月12日以降
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出所:TradingView
S&P500の見通しとテクニカルライン
トレンドフォローを意識する状況に
S&P500は昨日、レジスタンスラインの6,120ポイントを日足ローソク足の実体で突破し、最高値を更新した。日足のMACDとモメンタムはともに強気地合いの勢いが増していることを示唆している。トレンドに従うのがトレードの基本であるならば、今日も以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目しながら新たな上値の水準を探りたい。
・最初の焦点は、昨日の上昇を止めた6,130の突破となろう(15分足、緑矢印を参照)
・S&P500が6,130を難なく上方ブレイクする場合は、フィボナッチ・エクステンション61.8%の水準6,143のトライに注目したい
・6,143の水準をも完全に突破する場合は、6,150以上の攻防を想定したい。今年入り、1日の平均上昇率は0.63%である(2月18日時点)。昨日の終値6,129の0.63%高の水準6,170レベルを今日の上限と想定したい
レジスタンスライン
・6,170:予想レンジの上限
・6,150:レジスタンスライン
・6,143:フィボナッチ・エクステンション61.8%(日足)
・6,130:レジスタンスライン(15分足)
6,090の維持が焦点に
今日はFOMC議事要旨が材料視される可能性がある。ウォラーFRB理事は18日の講演で追加利下げのタイミングはインフレの動向次第という姿勢を示した。また、サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は同日、インフレの抑制が一段と明確になるまで、FRBは現行水準で金利を据え置く必要があるとの見解を示した。パウエルFRB議長の慎重姿勢も考えるならば、FRB内ではインフレの再燃に対する警戒レベルが上がっていると思われる。この点を意識し、1月のFOMCで追加利上げに慎重な意見が相次いだ場合、「利下げ期待の後退→米長期金利の反発→S&P500の反落」を想定したい。今日注目のサポートラインを以下にまとめた。
・最初の焦点は、昨日後半の取引時間にサポートラインへの転換が確認された6,100の維持となろう
・S&P500が6,100を下方ブレイクする場合は、6,090の維持が焦点に浮上しよう。昨日はこの水準を上方ブレイクした後に上昇幅が拡大した。サポートラインへ転換する可能性がある水準として注目したい。すぐ上には5日線が推移している(2月18日時点)
・6,100や6,090を下方ブレイクした後、これらの水準がレジスタンスラインへ転換する場合は、明日以降6,070レベルを視野に調整の反落相場が進行する展開を警戒したい
サポートライン
・6,100:サポートライン(15分足)
・6,095:5日線(日足、2/18時点)
・6,090:サポートライン(15分足)
・6,070:サポートライン(15分足)
S&P500のチャート
日足 2024年12月以降
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出所:TradingView
15分足 2月6日以降
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出所:TradingView
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