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米ハイテク株に買い、最高値更新のS&P500に追随するナスダック100、目先の見通し

2日のアメリカ株市場でS&P500とナスダック指数が最高値を更新した。幸先の良いスタートとなった12月相場。強い経済指標が続けば年末高の期待が高まろう。米ハイテク株の買い戻しが続けばナスダック100の押し上げ要因となろう。目先の見通しと注目のテクニカルラインは?

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

S&P500とナスダックが最高値を更新、12月相場は幸先の良いスタート

12月相場入りした米国株。11月のISM製造業景気指数が予想を上回ったことが好感され、S&P500は前週末比14.77ポイント(0.24%)高の6,047.15ポイントと、最高値を更新した。ナスダック総合指数とナスダック100も最高値を更新し、12月相場は幸先の良いスタートとなった。

米ハイテク株に買戻し、上昇ムード高まるナスダック100

昨日の動きで注目すべきは、アメリカ大統領選挙の後、上昇が抑制されていたコミュニケーション・サービスと情報技術のセクターが、一般消費財セクター(景気敏感株)とともに株高のけん引役となったことである。

S&P500 セクター別パフォーマンス:12月2日の動向

S&P500 セクター別パフォーマンス:12月2日の動向

ブルームバーグのデータで筆者が作成

マグニフィセントセブンや主力の半導体株が属するこれらセクターの買い戻しが続けば、アメリカの大統領選挙以降、他の指数に比べて出遅れ感のあるナスダック100の押し上げ要因となろう。

ナスダック指数は昨日の上昇を受け、11月6日以降の上昇率でS&P500を超えた。次はダウ平均の背中が視野に入る。

アメリカ株価指数の騰落率:11月5日基準、12月2日まで

アメリカ株価指数の騰落率:11月5日基準、12月2日まで

ブルームバーグのデータで筆者が作成

強い経済指標でも上昇が抑制される米金利

今週の米国株は、経済指標にらみの1週間となろう。2日の11月ISM製造業景気指数は48.4と、10月の46.5から上昇した。先行指標の新規受注は50.4と8ヶ月ぶりに景気判断の分かれ目である50を上回り、10月の47.1から大幅に改善した。4日に発表される11月のISM非製造業景気指数でサービス業の拡大が確認される場合は、景気敏感セクターを中心に買いが広がる展開が予想される
強い経済指標が続く場合、筆者が注目しているのが米長期金利(10年債利回り)の動向である。米金利とナスダック100の要点を以下にまとめた。

・財政規律を重視するスコット・ベッセント氏が財務長官に指名されて以降、財政リスクに対する懸念が後退し、長期金利の上昇が抑制されている。実質金利(10年)も低下トレンドへ転じているこの状況は、昨日の強い経済指標を受けても変わらない。景気は底堅いが米金利の上昇が抑制されている今の状況は、ハイテク株比率の高いナスダック100にとって理想的な相場環境といえる

・米長期金利が上昇トレンドにあった10月は実質金利も上昇した。ナスダック100の上昇は抑制された。しかし、米長期金利と実質金利が低下基調へ転じると、ナスダック100の上昇幅が再び拡大している

ナスダック100と米実質金利:日足 24年10月以降

ナスダック100と米実質金利:日足 24年10月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

・今日以降の経済指標、特に11月の雇用統計が強い内容となれば、米金利には上昇の圧力が強まるだろう。だが、強い経済指標での金利上昇は、景気の強さを反映した動きと言える。ハイテク株が景気敏感株の特性を持つ点も考えるならば、長期金利が直近の高水準4.5%を完全に突破しない限り、金利上昇の影響は調整売りの要因となっても、株安トレンドへ転じる要因となる可能性は低いだろう


ナスダック100の見通しとチャート分析

現在の米国株の強さを考えるならば、今週のナスダック100は新たな高値水準の見極めが焦点となろう。注目のレジスタンスラインを以下にまとめた。

・目先の焦点は、昨日の高値21,200ポイントの突破となろう

・ナスダック100が21,200ポイント台へしっかりと上昇する場合は、21,300ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定したい。この水準は、フィボナッチ・エクステンション76.4%(21,308ポイント)の水準にあたる。テクニカルの面でも、21,300ポイントを重要なレジスタンスラインと想定しておきたい

・強い経済指標が続く一方で米金利の上昇が抑制される場合、ナスダック100は21,400ポイントを視野に上昇幅が拡大する可能性が高まろう。21,300ポイントがサポートラインへ転換する場合は、21,400トライのサインと捉えたい

レジスタンスライン

・21,400:レジスタンスライン(1時間足)
・21,308:フィボナッチ・エクステンション76.4%(1時間足)
・21,200:レジスタンスライン、12月2日の高値(日足)


強い米経済指標がFRBの利下げパスの不透明感を高める場合は、株安の要因になり得る。しかし、強い経済指標は米国の経済が堅調さを維持している証左でもある。よって、今週の経済指標が米株安の要因となっても、下落幅は限定的となることが予想される。ナスダック100は、短期サポートラインの維持が焦点となろう。注目ポイントを以下にまとめた。

・ナスダック100が反落する場合は、11月4日の安値19,898ポイントを基点とした短期サポートラインの維持が焦点となろう。このラインは今週、20,800ポイント前後で推移する。強い経済指標よりも景気不安につながるさえない経済指標が続く場合は、短期サポートラインのトライを想定しておきたい。なお、このラインのすぐ下には25日線が推移している。短期サポートラインの攻防は25日線の攻防でもある

・ナスダック100が短期サポートライン(25日線)をトライするシグナルとして、以下で取り上げているフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。短期サポートラインは4日に半値戻しと交錯する。11月の米雇用統計が発表される6日には、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準と交錯する

・1時間足のストキャスティクスとRSIは買われ過ぎの水準にある。RSIでデッドクロスが確認される場合は、上で取り上げたサポートラインの攻防を想定したい

サポートライン

・20,994:フィボナッチ・リトレースメント23.6%(1時間足)
・20,866:フィボナッチ・リトレースメント38.2%(1時間足)
・20,763:半値戻し(1時間足)
・20,675:25日線(日足)


ナスダック100のチャート

日足:24年9月以降

日足:24年9月以降

出所:TradingView

1時間足:10月23日以降

1時間足:10月23日以降

出所:TradingView


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