メキシコペソ、対ドルで2カ月ぶり高値 3月インフレ率が中銀目標上回る
メキシコペソの対ドル相場が約2カ月ぶりの高値を付けた。3月のメキシコのインフレ率が中銀目標の上限を超える水準まで高進したことが背景にある。その後、3月の政策金利据え置きの決定は利下げ局面の終了を意味するものではないとの認識を中銀が示したことが明らかになると、ペソは上げ幅を幾分縮小した。
メキシコペソの対ドル相場が約2カ月ぶりの高値を付けた。3月のメキシコのインフレ率がメキシコ銀行(中央銀行)の政策目標の上限を超える水準まで高進したことが背景にある。その後公表となった3月25日の金融政策決定会合議事要旨で、金利据え置きの決定は利下げ局面の終了を意味するものではないとの認識を中銀が示したことが明らかになると、ペソは上げ幅を幾分縮小した。
ペソは3月のインフレ率の発表後、20ペソの節目の手前まで浮上。2月半ば以来の高値を付けた。
ペソの対円相場もしっかりで推移。終始、5.4円台前半で取引された。
メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)が現地時間午前に発表した3月の消費者物価指数は、前年同月比4.67%上昇した。ガソリンやプロパンガスなどの燃料価格の上昇がインフレ高進の主要因とみられている。2月は3.76%だった。
中銀の政策目標の上限である4%を上回り、2018年12月の4.83%以来の高い水準となった。
金融政策決定会合の議事要旨
中銀は現地時間午後、政策金利を4%に据え置くことを全会一致で決定した3月25日の金融政策決定会合の議事要旨を公表。金利の据え置きは利下げ局面の終了を意味するものではなく、条件次第では継続の可能性もあるとの認識を示した。
また、1月と2月にメキシコは景気減速に見舞われたと強調。新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴う移動の制限、一部製品の供給の滞りなどが原因とみられるという。
一方で中銀は、金融政策は景気回復に貢献し得るが、物価の安定性を損なうようなことがあってはならないとの見方を示した。
中銀は2月の会合で3会合ぶりに0.25%の利下げを実施していた。
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