千代建が反発、海外で水素事業 業界に延滞金リスクとの報道で下落後に
・シンガポール水素事業で覚書
・新型コロナがプラント納期に影響もとの報道
31日の東京株式市場で2部上場の千代田化工建設<6366>が反発。シンガポールの水素事業で現地企業、および三菱商事と覚書を締結したと発表した。前日はプラント業界に延滞金リスクが生じているとの報道で大きく下げていた。
午前11時現在、前日比5円(2.36%)高の217円で推移している。安く始まったが、一時3.77%高の220円まで買われた。出来高は2部で4位。
千代建は、水素エネルギーを利用した社会の実現を目指すシンガポール政府の取り組みに協力するため、現地企業5社、および三菱商事と相互協力の覚書を締結したと発表した。
シンガポール政府は「二酸化炭素(CO2)排出量ゼロ」目標を掲げており、水素の輸入に向け千代建の水素貯蔵・輸送技術の活用を検討するという。
千代建は、ブルネイで調達した水素を日本に運ぶ実証実験を行っており、シンガポールはこれに続く水素事業の商業化に向けた案件という。
業界に延滞金リスク
この日の上昇は30日の下落に続くもの。株価は同日、一時7.24%下げる場面があった。
日本経済新聞は同日、日経ビジネスの記事を転載し、プラント業界に最近、延滞金の発生などいくつかのリスクが生じていると伝えた。
1つは受注減少のリスク。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスが6日に開いた会合での協調減産交渉の決裂をきっかけに原油価格が急落したことにより、プラント各社の顧客の設備投資意欲の後退が避けられない状況にあること。
もう1つが新型コロナウイルスによる納期遅延と延滞金発生の可能性。ウイルスの感染拡大により、中国や東南アジアの造船所などで建設することが多いプラント部材の製造、およびその輸送に遅延が生じており、中長期でプラントの納期に影響が及ぶ可能性があるという。
納期の遅延は延滞金を伴うが、不可抗力条項を適用するにしてもどの部分が新型コロナによるものかを証明するのは困難で、その判断を争う訴訟が多発する可能性があると指摘している。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。