原油価格急落 WTIが68ドル台 相互関税で世界経済見通し不安
原油価格は一時1バレル=68ドル台まで下落。トランプ氏の相互関税が世界経済の見通しを暗くしたためで、引き続き下落圧力の強さが意識されそうだ。

原油価格が急落している。原油先物市場の指標価格であるWTI(翌月渡し)は日本時間3日の取引で一時、1バレル=68ドル台後半を記録。前日のニューヨーク市場の終値から約4%安の水準に達した。アメリカのドナルド・トランプ大統領が2日に発表した相互関税が厳しい内容だったためで、世界経済の見通し不安が原油需要を弱めるとの見方が強まっている。一方、トランプ氏がロシアなどの産油国に対する圧力を強めていることは、原油供給を絞り込む要因といえ、原油価格に上昇圧力がかかることも考えらえる。ただし、トランプ氏の相互関税の衝撃は大きく、原油価格の今後の見通しをめぐっては、下落圧力の強さが意識されることになりそうだ。
原油価格が急落 WTIは一時、68.98ドル
WTI(翌月渡し、WTI原油)は日本時間3日午後4時30分ごろに1バレル=68.98ドルをつけた。前日のニューヨーク市場での終値(71.71ドル)からは3.81%の下落だ。トランプ氏が日本時間3日午前5時に発表した相互関税が貿易相手国に厳しい内容だったことが要因になった。

トランプ氏の相互関税は世界経済の縮小要因か 原油需要下押しも
トランプ氏の相互関税は世界各国・地域からの輸入品に5日から10%の一律関税をかけたうえで、米国との貿易不均衡が大きいと判断された国や地域に対しては9日から個別の追加関税を課すという内容。個別追加関税の税率は、中国が34%、欧州連合(EU)が20%、日本が24%などとなっている。またトランプ氏は3日には自動車輸入に25%の関税を課す考え。今回の相互関税が発動されれば、自動車に加え、より広範囲の製品のサプライチェーンが混乱することは避けられない見通しで、経済活動の縮小が原油需要を落ち込ませる筋書きが現実味を増している。
また、こうした米国の通商政策の大転換は「貿易戦争」の本格化につながる可能性があり、原油需要の低下の度合いがさらに大きくなる可能性がある。ブルームバーグによると、中国商務省は3日、具体的な手法を示さないながらも、米国に対する対抗措置をとる考えを表明。米国に対して今すぐに一方的な関税を撤回するよう要求し、「公平な立場からの対話」によって通商問題を解決すべきだとした。また欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は3日にビデオ演説し、今後の米国との交渉が失敗した場合には「さらなる対抗措置を準備している」と述べた。EUは3月12日にトランプ氏が鉄鋼とアルミニウム輸入に対する25%関税を発動した際、対抗策として260億ユーロ相当の米国製品に関税を課す計画を発表している。
米国の原油在庫は再び増加 トランプ氏の原油価格低下への意欲は続く
原油需要への不安は米国で2日午前に発表された原油在庫量のデータでも浮き彫りになった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した3月28日時点での原油在庫量(戦略備蓄除く)は1週間前比で616.5万バレルの増加。ブルームバーグがまとめた市場予想の50万バレル減少を大きく上回った。原油在庫は26日に発表された前週分のデータでは4週ぶりに在庫が目減りし、原油需要の想定以上の強さを示していたが、今回のデータではやはり原油在庫が積み上がっていく傾向が復活したといえる。

また、トランプ氏は2024年の大統領選挙中から原油価格を引き下げて、米国の物価上昇鎮静化につなげると繰り返し表明。今回の相互関税でもエネルギーやエネルギー製品は課税の対象外となっている。トランプ氏の相互関税は米国内の物価上昇につながることが避けらない見通しだが、原油や原油から精製されるガソリンへの影響は比較的小さくなることも考えらえる。
トランプ氏はロシア産原油の締め出しも示唆 相互関税の衝撃は消えず
一方、トランプ氏が産油国にかけている圧力は原油価格の上昇要因となりえる。トランプ氏は3月30日の米NBCテレビでのインタビューで、ウクライナ情勢をめぐりロシアが停戦に前向きでないことに不快感を表明。ロシアが要因となって停戦が実現しなかったと判断される事態になれば、ロシア産原油を市場から締め出す措置をとると述べた。この発言を受けた31日の原油先物市場ではWTIが前週末比3.06%高となっており、今後も原油市場の動向をめぐる思惑が原油価格を上下に動かすことが想定される。トランプ氏はロシア以外にも、イランやベネズエラなどの産油国に圧力をかけている。
ただしトランプ氏の相互関税は米国の通商政策の大転換といえ、金融市場の見通しへの不安は強い。今後の原油市場では世界経済の後退懸念が価格下落要因として働く筋書きが強く意識されることになりそうだ。
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