メディシノバが一時ストップ安、上場廃止懸念が再浮上
・19年12月期赤字見通しを再び発表
・前週末の米市場で12%超下落
28日の株式市場でジャスダックに上場する創薬ベンチャーのメディシノバ<4875>が一時、値幅制限の下限(ストップ安)まで売られた。同社はこの日発表した修正後の2019年12月期業績見通しで営業赤字予想を継続。上場廃止リスクが再度浮上し、売りに押される展開となった。
終値は前週末比136円(14.61%)安の795円。終盤に一時、150円(16.11%)安の781円まで売られた。
メディシノバがこの日発表したリリースによると、19年12月期の連結営業損益(米国会計基準)は16億9000万円の赤字となる見通し。19年1~9月期決算を発表した25日時点では通期業績予想を据え置き、営業損益を28億1300万円の赤字見通しとしていた。治験にかかる研究開発費の一部を翌期以降に費用計上することとなり、予想赤字幅が減少した。
しかし、同社の新規化合物「MN-001」と「MN-002」に関する非アルコール性脂肪性肝炎などを適応とする特許出願で日本の特許庁から承認通知を受けたことや、進行型多発性硬化症(MS)とALS(筋萎縮性側索硬化症)を対象にした新薬候補「MN-166(イブジラスト)」の導出契約締結への期待により、市場では19年12月期営業損益の黒字化への期待が広がっていた。
東証は今年6月、メディシノバ株について15年12月期から18年12月期までの直近4期連続で営業赤字だったこと、また4期連続で営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスだったことを理由に、ジャスダック市場からの上場廃止の猶予期間に入ったと発表していた。
19年12月期の猶予期間に営業利益と営業キャッシュ・フローがいずれもマイナスである場合、同社株はジャスダック市場の上場廃止基準に抵触し、上場廃止となる。
導出への期待
MN-166についてはSMBC日興証券が18日、MSとALSを対象にした探索的試験での有効性と安全性データがいずれも有望であるとみており、展開に期待していると評価。導出契約が締結されれば19年12月期の営業損益の黒字化は達成可能と想定しているとした。
SMBC日興証券はメディシノバについて投資判断を最上位の「1」、目標株価2200円で調査を開始した。
メディシノバは米カリフォルニア州に本社を置く。05年2月に大証ヘラクレス(現・ジャスダック)に上場。また米ナスダックにも上場する。SMBC日興証券は、もしジャスダックを上場廃止になっても、ナスダックでの上場は維持されると指摘した。
MN-001とMN-002は肝臓の炎症軽減のほか、製剤を限定せず錠剤やカプセル剤、液体製剤の経口薬として特許が認められたという。
25日の米株市場でメディシノバ<MNOV>は1.12ドル(12.79%)安の7.64ドルで引けた。当初発表された19年12月期の営業赤字見通しが嫌気されたもよう。
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