リプロセルが一時ストップ高、臨床試験開始 小脳の神経再生へ
・神経に分化可能な間葉系幹細胞を注射へ
・臨床現場での使用開始、23年を見込む
25日の株式市場でジャスダックに上場するiPS細胞関連の創薬ベンチャー、リプロセル<4978>が大幅続伸。同社が今月、小脳の神経を再生するべく、幹細胞を注射する治療薬の臨床試験を始めたとの報道を好感した買いが入り、一時ストップ高となった。
終値は前営業日比42円(11.8%)高の398円。一時、ストップ高となる80円(22.47%)高の436円まで買われた。
商いはほぼ1カ月ぶりの大きさに膨らみ、出来高は東証全市場を通じて10位となった。ジャスダックでは2位。
日本経済新聞(電子版)が23日夜に伝えたところによると、リプロセルは脊髄小脳変性症の患者を対象に臨床試験を開始した。
脊髄小脳変性症は、小脳や脳幹、脊髄の神経細胞が変性してしまうことで徐々に歩行障害や嚥下障害などの運動失調が現れる疾患。血管や神経、骨などに分化できるとされる間葉系幹細胞を患者に静脈注射で投与するという。
リプロセルは25日午前10時にリリースを発表し、脊髄小脳変性症の患者を対象にした開発中の再生医療製品「ステムカイマル」の第2相臨床試験で、被験者が登録されて投与が始まったと明らかにした。ステムカイマルの安全性と有効性ついて評価を行うという。
臨床試験は2021年末に終わり、早ければ23年に臨床現場で使用できる見通しという。
同社によると、台湾ですでに、提携先のステミネントが当該疾患を対象としたステムカイマルの第2相臨床試験を実施済み。現在は被験者への投与完了後の経過観察の過程にある。
台湾での第1/2a相臨床試験ではステムカイマルの静脈投与の安全性が確認され、有効性を示唆するデータが得られたという。
脊髄小脳変性症の患者数は日本で約3万人とみられており、同症は難治性希少疾患に指定されている。
セルシード安い
リプロセルは今月6日、同社が参加する国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の公募事業の2018年度補助金交付額が確定したとの前日の発表を受けて大幅高となり、一時367円まで買われた。25日は始値でこれを超えた。
さらに1月28~30日には大阪大学がiPS細胞から作った心臓の筋肉細胞のシートを重症心不全患者に移植する世界初の治療を実施したと発表したことをきっかけに、iPS細胞銘柄に買いが入り、年初来高値となる475円を付けている。
株式相場全体が下落するなか、他のバイオベンチャー銘柄は総じて下落した。ジャスダック上場の医療用細胞シート開発会社セルシード<7776>は21円(5.15%)安の387円で引けた。一時、年初来安値を更新した。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。