NY金、底堅さを印象付けた昨日の反落、新たな上値水準の見極めが焦点に、今日の見通し
12日の市場でNY金は5営業日ぶりに反落した。しかし重要なテクニカルラインを維持し、むしろ底堅さを印象付けた。米ドル高の影響を跳ね除け底堅さを維持する金価格は、新たな上値の水準を見極める局面にある。
NY金、5営業日ぶりの反落もかえって底堅さを印象付けることに
12日の市場でNY金(金価格)が5営業日ぶりに反落した。しかし、昨日の反落はむしろ金価格の底堅さを印象付けた。ポイントを以下にまとめた。
・11月の米生産者物価指数(PPI)が市場予想よりも上振れしたことを受け米長期金利が上昇。外為市場では米ドルの買い戻しが続いた。これら市場の動きを受け、スポットの金価格は2,720ドルが目先のレジスタンスラインとして鮮明になってきた(4時間足、緑矢印を参照)
・しかし、金価格は11月14日を基点にする短期サポートラインを維持した。今日も買い優勢で推移している。12日の反落はむしろ、金価格の底堅さを印象付けた
金価格:4時間足 11月14日以降
出所:TradingView
レンジ相場のビットコイン、金価格はひとまず米金利と米ドルにらみか
ビットコインは現在、売り買い交錯のレンジ相場に陥っている。上昇トレンドの一服は金価格のサポート要因である。再び上下どちらかに大きく振れない限り、金価格は米市場にらみ-米長期金利と米ドルにらみの展開となることが予想される。事実、昨日は米金利と米ドルの上昇が金価格の重石となった。
米債市場では金利の低下が一服している。それに伴い、外為市場では米ドルの買い戻しが続いている。米ドルの方向性を示すドル指数(DXY)は21日線を上方ブレイクし、107ポイント台へ上昇してきた。日足のモメンタムは強気相場の勢いが増していることを示唆している。MACDはゴールデンクロスへ転じるムードにある。
今日の海外時間でも外為市場で米ドル高が進行する場合は、金価格の反応を確かめたい。金価格が下落で反応しても、以下で述べるサポートラインを維持する場合は、地合いの強さを市場参加者に意識させるだろう。
ドル指数:日足 24年9月以降
出所:TradingView
下落の局面では50日線の維持が焦点に
上で述べたとおり外為市場は現在、米ドル高優勢の状況にある。米ドルと従来の逆相関の関係が戻り、金価格が下値をトライする場合は、以下で取り上げているサポートラインの攻防に注目したい。
・まずは、2,760ドルの攻防に注目したい。50日線が今日現在、2,670ドル付近で推移している。すぐ上の2,675ドルは11日以降、相場をサポートする局面が見られる。50日線とともにサポートラインへ転換すれば、テクニカルの面で金価格の地合いの強さを市場参加者に意識させるだろう
・一方、金価格が50日線を下方ブレイクする場合は、2,660ドルの維持が次の焦点に浮上しよう。今日現在、10日線が2,663ドルまで上昇している
・1時間足のストキャスティクスがデッドクロスへ転じている。RSIでも同じ状況が確認される場合は、今回取り上げたサポートラインの攻防を意識したい。これらサポートラインで相場の反発が確認される場合は、以下で述べるレジスタンスラインの攻防を意識したい
サポートライン
・2,675:サポート転換の可能性あり(1時間足)
・2,670:50日線(日足。1時間足)
・2,663:10日線(日足)
・2,660:サポートライン(日足)
上昇の局面では2,720ドルの攻防が焦点に
今の金価格は、ビットコインの動きに影響を受けていると筆者は考えている。ビットコインの上昇が抑制される場合は、金価格のサポート要因となろう。米ドル高優勢の状況でも金(ゴールド)が買い優勢の状況にある。この状況でビットコインの調整売りが進行すれば、金価格は下でまとめたレジスタンスラインをトライする展開を想定しておきたい。
・金価格の上昇局面では、2,700ドルへの再上昇が最初の焦点となろう。フィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しの水準2,693レベルの上方ブレイクは、2,700ドルをトライするサインと捉えたい
・金価格が2,700ドル台へしっかりと上昇すれば、レジスタンスラインとして意識され始めている2,720ドルの攻防が焦点に浮上しよう(日足、黒矢印を参照)
・2,730ドルは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる(日足、黒矢印を参照)。2,720台がレジスタンスゾーンとして意識される場合は、目先の上限として来週以降も意識される展開を想定しておきたい
サポートライン
・2,730:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(日足)
・2,720:レジスタンスライン(日足)
・2,700:レジスタンスライン(1時間足)
・2,693:フィボナッチ・リトレースメント61.8%(日足)
金価格のチャート
1時間足:12月5日以降
出所:TradingView
日足:24年10月以降
出所:TradingView
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