AGCが5日続伸、コロナワクチン物質製造受託が続く
・米ノババックスからワクチン候補の補強剤製造受託
・アンジェスのワクチン開発計画にも関与
5日前場の東京株式市場でAGC<5201>が5日続伸。米子会社AGCバイオロジクスが、米バイオテクノロジー企業ノババックス<NVAX>の新型コロナウイルス向けワクチン候補の補強剤の製造を受託したと前日に明らかにしており、これを好感した買いが続いている。AGCバイオロジクスは最近、新型コロナのワクチンや治療薬の候補物質の製造を相次いで受託している。
株価は6月に入ってから5日続伸。午前10時54分現在、前日比15円(0.44%)高の3410円で推移している。
ノババックス向けに製造するワクチン候補の補助剤はアジュバントといい、注射したワクチンがウイルスのように認識されるよう作動する。
ノババックスは2020末までに1億回分のワクチンを開発する仕組みを確立すると表明。すでに5月からワクチンの臨床試験に着手している。早ければ7月に初期段階の結果が出るという。
このほか、AGCバイオロジクスは5月にコロナワクチン候補物質の製造をデンマークのアダプトバックから受託している。
ウイルス様粒子(VLP)技術を保有するアダプトバックは、新型コロナの表面にあるたんぱく質をもつ粒子をワクチンにして投与する計画。
VLPはウイルスと同様の構造を持つことから、ワクチンとしての高い免疫獲得効果が期待される。さらに、従来の生ワクチンなどに比べ、体内でウイルスが増殖するリスクが低く、安全性に優れている。ワクチン候補は20年後半の治験開始を目指している。
アンジェスのワクチン開発
AGCバイオロジクスはさらに、米サイトダインが出がけるコロナウイルス向け治療薬候補「レロンリマブ」の原薬を製造している。
レロンリマブはサイトダインがエイズウイルス(HIV)や乳癌の患者向けに開発している候補物質。新型コロナ患者に対しては、過剰な免疫反応(サイトカインストーム)を抑制することが期待されている。
レロンリマブはすでに米国の新型コロナ重症患者に投与され、効果が確認されたことから、米食品医薬品局(FDA)が第2b/3相臨床試験の実施を承認した。
国内ではマザーズ上場の創薬ベンチャー、アンジェス<4563>が大阪大学と進めるコロナワクチン開発計画に参画している。AGCバイオロジクスは5月、プロジェクトで製造を主に担うタカラバイオ<4974>からワクチンの中間体の製造を受託した。
AGCバイオロジクス
AGCバイオロジクスはCDMO(製造受託、製造方法の開発を受託・代行)事業に従事する。
AGCは16年にドイツのバイオミーバ、17年に米CMCバイオロジクスを買収。これらを18年に統合し、AGCバイオロジクスを設立した。本社は米シアトル。
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