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グーグル、広告復活なるか 25日決算発表 ユーチューブなど不安

アルファベットが25日に発表する4-6月期決算は広告収入復活が期待されている。競合激化の中で、収益性を示せるかが焦点だ。

出所:ブルームバーグ

グーグルなどを傘下に持つIT大手のアルファベットが25日に発表する2023年4-6月期決算は広告収入の復活が期待されている。アルファベットは動画投稿サイトYoutube(ユーチューブ)などでの広告収入の落ち込みに苦しみ、1-3月期まで5四半期連続の減益を記録。しかし4-6月期の事前予想では、増収幅の拡大と増益復活が見込まれている。ただし他のIT大手との競争は激化しており、人工知能(AI)の活用を進めるなどして、投資家の期待に応えられるかどうかに注目が集まる。

アルファベットの2023年4-6月期決算は増収増益の予想

アルファベットは25日の取引時間終了後に決算を発表する。決算会見は25日午後5時(日本時間26日午前6時)からの予定。金融情報会社リフィニティブのデータによると、アルファベットの4-6月期決算に関する事前予想は総収入が前年同期比4.4%増の727.7億ドル、1株当たり利益は10.7%増の1.34ドルと見込まれている。

予想通りになれば、増収幅は1-3月期の2.6%から上昇。また、1株当たり利益が増益となれば、2021年10-12月期以来6四半期ぶりだ。アルファベットは過去13回の四半期決算のうち、2022年のすべての決算で総収入が事前予想を下回った。1株当たり利益では5回、事前予想のクリアに失敗している。

アルファベットの業績の推移(総収入、1株当たり利益)

アルファベットの株価(GOOGL)は決算が不振だった2022年に4割近く下落。しかし2023年に入ってからは一転して上昇基調に入っている。17日の終値は124.65ドルで、2022年末比での上昇率は41.3%。S&P500種株価指数(SPX)の17.8%や、ナスダック総合指数の36.1%を上回っているが、「ビッグ・セブン」や「マグニフィセント・セブン」とも呼ばれる半導体大手のNVIDA(エヌビディア、NVDA)など7大銘柄の中での比較では、上昇率は最も低い。

米国の7大銘柄の株価動向

リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月間の予想収益から算出される株価収益率(PER)は21.2倍。7大銘柄の一角であるアマゾン・コム(61.7倍、AMZN)よりは大きく割安で、マイクロソフト(31.1倍、MSFT)との比較でも安い水準にある。フェイスブックなどのSNSを展開するメタ・プラットフォームズ(23.0倍、META)とは、ほぼ同程度だといえる。アナリストが提示する目標株価の平均は135.07ドルで現状の株価を超えているが、7月に入ってから140ドルや150ドルへ引き上げるアナリストも出ている。51人のうち15人が強い買い、27人が買いを推奨している。残りの9人は維持を勧めている。

アルファベットの広告収入はこれまで2四半期連続の減収

アルファベットの減収が始まった2022年1-3月期はロシアがウクライナに侵攻し、経済の先行き不透明感が強まった時期。それまでは新型コロナウイルス禍の中でインターネットサービスの需要の高まりが追い風となっていたが、一転して企業がオンライン広告への出費が控えるムードが広がった。こうした中、アルファベットの大黒柱である広告事業の収入は、2023年1-3月期までの2四半期連続で、前年同期比からの減少に見舞われている

アルファベットの広告事業とクラウド事業の収入の推移

1-3月期の広告収入を分野別にみると、検索やGメールなどから得られる収入は1.9%増とギリギリで増収を確保。一方、ユーチューブは2.6%減、顧客企業のウェブ広告事業を支援するサービス(グーグルネットワーク)からの収入は8.3%減で、いずれも3四半期連続でのマイナスだ。ユーチューブとグーグルネットワークの広告収入は全体の4分の1程度を占め、アルファベットの広告事業の浮沈に与える影響は小さくない。

Youtube復活へ短時間動画の成長性に期待

こうした中、アルファベットはユーチューブの復活に向けて、短時間動画の成長性に期待している。フィリップ・シンドラーCBO(最高事業責任者)は4月の決算会見で「ユーチューブの実績には安定化の兆しが出ており、グーグルネットワークでは広告主の出費が少しずつ戻ってきている」としていた。

また、アルファベットはGメールでの文案作成をAIが支援するなどの新機能も展開。5月には大規模言語モデルの新バージョンの「PaLM(パーム)2」も発表した。会話型AIサービス「Bard(バード)」もパーム2で動作するようになり、プログラミングやソフトウェアの開発を支援できるようになっている。AIは広告の収益性アップにも応用できる技術だ。

ただし短時間動画は、先駆者である中国発のTikTokや、メタが運営するインスタグラムなどのライバルも強化しており、アルファベットの思惑通りに事が進むとは限らない。さらにAIサービスをめぐっても、マイクロソフトやアマゾン・コムとの競合が激化している。高い成長性が期待されている大手IT同士の争いの中では、アルファベットが遅れをとっている分野も多く、減益決算の連続を食い止めるには、検索サービス以外の収益源を育てる必要性も高まってきている。


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