グーグル、好業績に期待 24日決算発表 株価は下半期16%高
アルファベットの7-9月期決算は増収増益予想。下半期は株式相場の下落に関わらず株価が上がっており、好業績期待が膨らむ。
グーグルなどを傘下に持つIT大手のアルファベットが24日の取引時間終了後に発表する2023年7-9月期決算は好業績が予想されている。7月に発表した4-6月期決算では広告事業が復活した結果、6四半期ぶりの増収増益を達成。経済情勢の不透明感が増す中でも、成長を維持できると期待されている。アルファベットの株価は下半期、株式市場全体の下落基調にも関わらず16%高となっており、7-9月期決算がさらなる上昇への起爆剤になる可能性もある。
アルファベットの7-9月期決算は増収増益予想
アルファベットはアメリカ東部時間の24日午後4時30分(日本時間25日午前5時30分)から決算会見を開く。金融情報会社リフィニティブのデータによると、アルファベットの7-9月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比9.9%増の759.41億ドル。1株当たり利益が36.8%増の1.45ドルが見込まれている。
予想通りになれば2四半期連続の増収増益。総収入の伸び率は2022年4-6月期(12.6%)以来の大きさで、成長の勢いの復活を感じさせそうだ。アルファベットは過去14回の四半期決算のうち、2022年の4回すべてで総収入が事前予想を下回る不振に陥っていた。1株当たり利益では5回、事前予想のクリアに失敗している。
リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は21.27倍。同じ大手ハイテク株のアマゾン・コム(44.59倍、AMZN)よりは大きく割安。検索サービスでのライバルであるマイクロソフト(28.85倍、MSFT)と比べても割安といえる水準だ。フェイスブックなどのSNSを展開するメタ・プラットフォームズ(19.90倍、META)よりはわずかに割高といえる。
アナリストが提示する目標株価の平均は151.14ドルで、現状よりも8.7%高い。10月に入ってからは目標株価を160ドルに引き上げるアナリストも出ている。49人のうち15人は強い買い、26人は買いを推奨。残りの8人は維持を勧めている。
独占禁止法違反訴訟の決着までには時間
アルファベットは4-6月期決算で、全体の約4分の3を占める広告事業からの収入が3.3%増となり、3四半期ぶりのプラスとなった。物価上昇や主要中央銀行の利上げで強まった経済の不透明感を背景にして続いてきた、広告出稿に消極的な企業姿勢に好転の兆しがみえた形だ。一方、7-9月期は、8月以降に長期金利(10年物米国債利回り)上昇が加速して株式相場の下落が進むなど、経済の見通しの不透明感は増した。こうした逆風にも負けずにアルファベットが好決算を示すことができれば、株価をさらに押し上げる可能性がある。
また、アルファベットをめぐっては、アメリカの司法省から反トラスト法(独占禁止法)違反で訴訟を起こされているという不安要因もある。ただし11月まで予定されている審議を経て、判事が判断を下す時期は2024年以降になるとみられ、仮にアルファベットの行為の違法性が認められた場合でも、さらに関連裁判が起こされるとみられており、最終的な決着までは長い時間を要しそうだ。
アルファベットは人工知能(AI)サービスを提供する基盤となるクラウド事業では、アマゾンやマイクロソフトに後れをとっている。24日の決算発表では、AIやクラウド関連のサービス展開についてどのような見通しが示されるかも株価を動かす可能性がある。
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