エヌビディア、株価再加速なるか 23日決算発表 総収入の見通しは?
エヌビディアが23日に5-7月期決算を発表する。急騰してきた株価が金利高で頭打ちとなる中、総収入の成長性を示せるか。
米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)が23日の取引時間終了後に発表する2023年5-7月期決算は総収入の伸びと今後の見通しが注目点だ。エヌビディアは人工知能(AI)開発向け半導体事業の成長性に期待が集まり、株価は2022年末の3倍まで急伸。S&P500種株価指数構成銘柄の中でトップの上昇率を誇る。ただしこのところは米国の金利高が足かせになり、株価の値上がりはストップしている。5-7月期決算で改めて投資家を驚かせる成長性を示すことができれば、株価上昇が再加速する可能性もありそうだ。
エヌビディアの2023年5-7月期決算は総収入64%増予想
エヌビディアは23日午後5時(日本時間24日午前6時)に決算会見を開く。金融情報会社リフィニティブのデータによると、エヌビディアの5-7月期決算に関する市場予想は総収入が前年同期比64.1%増の111.38億ドル、投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益は約4倍の2.06ドルと見込まれている。エヌビディアは過去13回の四半期決算のうち、1回で総収入が事前予想を下回った。1株当たり利益では2回、市場予想をクリアできなかった。
リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月間の予想収益から算出される株価収益率(PER)は43.89倍。同業のインテル(INTC)の25.18倍や、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の30.23倍と比べて割高だ。ただしエヌビディアは株価と合わせて予想収益も上がっているため、PERは前回の決算発表前につけていた60倍超の水準からは低下している。アナリストが提示する目標株価の平均は508.00ドル。51人のうち15人が強い買い、29人が買いを推奨している。6人は維持、1人は売りを勧めている。
過去2回の四半期決算後はいずれも株価が急騰
エヌビディアはこれまでの決算発表で株価を急騰させてきた。2022年11月-2023年1月期決算発表翌日の2月23日の終値は前日比14%高。2-4月期決算発表翌日の5月25日は24%高だった。いずれも決算発表当日の時間外取引で株価が値上がりしている。どちらの決算も減収減益だったが、総収入と1株当たり利益がともに市場予想を上回り、さらに次の四半期の見通しとして投資家の期待を超える数字を示したことが高く評価された。
エヌビディアの半導体はゲーム画面の高速描写を得意とし、大量の計算を高速で処理する必要があるAI開発に向いているとされる。また文章や画像をつむぎだす生成系AIをめぐっては、マイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)などが開発競争を繰り広げており、エヌビディアへの追い風は続いている。
株価はこのところ金利高で頭打ちに
このため今回の5-7月期決算発表でも株価上昇への期待が高まる。エヌビディアは前回の決算発表時に5-7月期の総収入が110億ドル程度になるとの見通しを提示。投資家の事前予想はこの水準に沿ったもので、エヌビディアにとってはこの「公約」をクリアすることが最低限のハードルとなる。一方、投資家は8-10月期の総収入は123.85億ドルになるとの予想を示している。エヌビディアが決算発表にあわせて、この数字を大きく超える見通しを示すことができれば、株価上昇が一気に勢いづくことも想定される。
ただしエヌビディアの株価は7月18日に474.94ドルをつけてからは頭打ちで、米国で進む長期金利の上昇がエヌビディアをはじめとするハイテク株の値上がりを阻害している側面がある。エヌビディアが株価上昇再加速を実現するにはこれまで以上の結果と見通しが必要だともいえそうだ。
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