安定化の目安となるボラティリティ水準
ドル円をはじめとした円相場のトレンドは株式動向、特に米株の動向に左右されるでしょう。その米株のトレンドを見極める上で重要な指標となるのが、実勢相場のボラティリティと考えています。詳細はマーケットレポートにて。
米株が安定化するボラティリティの水準
1日のレポート「米ドル安vs円安について」の中で、多くの機関投資家がベンチマークとしているS&P500指数のボラティリティに頭打ち感が出始めていると指摘した。直近の水準は95.96と、緩やかではあるが低下基調を辿っている。未だ高ボラティリティの状況にあることを考えるならば、昨日のように大きく下落する局面や急反発する局面は今後も散見されよう。そのような繰り返しの過程で二番底の水準が決まり、ボラティリティは低下基調を辿るだろう。そして米国株式市場は、2月下旬から続く混乱した状況がひとまず終息する展開になると予想している。
だが、ボラティリティが低下基調を辿っても30%以下の水準に達しない限り、不安定な相場は継続しよう。なぜ30%を株価安定の目安と想定するのか?その理由は、2012年以降より鮮明となった米株高局面でのボラティリティの推移にある。2012年以前に発生した世界金融危機や欧州債務危機はグローバル規模のリスクイベントだった。それ故、ボラティリティは30%の水準を一気に突破する展開となった。一方、2012年以降もリスクイベントー 2015年のチャイナショックに原油安ショック、2018年以降の貿易摩擦ショックやFEDショックー といったリスクイベントは発生したが、ボラティリティは6%レベルから30%レベルの間で安定的に推移していた。つまり2012年前後の動向は、米株が安定的に株高トレンドを形成するボラティリティの水準が30%以下であることを示唆している。故に30%の水準は米株の安定化を見極める重要な水準となり得ると考えられる。
S&P500指数の動向
ドル円は引き続き米株にらみの展開
米株の不安定な状況が続く以上、ドル円もその動きに連動し上下に振れる忙しない相場が続こう。急落後に急反発する3月のパターンを考えるならば、本日の米株は反発することが予想される。米株反発を想定する場合、ドル円は107円前後で底堅さを保ちながら昨日上値を抑制した108.00レベルのトライが焦点となろう。108.00にはオファー、上の水準にはストップオーダーが観測されている。
米株が続落する展開となれば、下値トライを警戒したい。106.50および106.00にはビッドの観測あり。106.50下の106.44は3月高安の50.00%戻しの水準にあたる。
ドル円チャート
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