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今週の焦点はFOMC、米雇用統計そして英中銀イベント / ドル円とポンドドルの焦点について

今週の米ドル相場は、連邦公開市場委員会(FOMC)と10月の雇用統計で大きく動くことが予想される。英ポンド相場は金融政策委員会(MPC)が材料視される可能性がある。注目の通貨ペアはドル円とポンドドル。上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米ドル相場の焦点はFOMCと10月雇用統計


【サマリー】
・今週の外為市場はFOMCと10月雇用統計が焦点に
・米金利と米ドル相場のトレンドは経済指標の内容次第
・ドル円の焦点とチャートポイント
・ポンドドルの焦点とチャートポイント



・FOMCの焦点は将来の利上げペース

今週は、外為市場を動かす多くの材料がある。なかでも注目されるのが、連邦公開市場委員会(FOMC)である。

外為市場では、11月の会合での0.75ポイント利上げがすでに織り込まれている。ゆえに焦点は、将来の利上げペースとなろう。

今月21日に米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、11月の会合では12月会合での利上げペース減速が政策議題になると報じて以降、米金利には低下の圧力が強まっている。長期金利は4%を下抜ける局面が見られる。

連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利上げペース減速の可能性を示唆する場合、米金利の低下圧力がさらに強まることが予想される。

米金利のチャート

米金利のチャート チャート:Bloomberg L.P. 10分足(今月10日以降)

・トレンドは経済指標の内容次第

将来の米利上げペース減速が意識され米金利の低下幅が拡大する場合、外為市場では米ドル高の調整相場が続くと予想する。しかし、それが米ドル安のトレンドへつながるどうか?についは、FOMC後に発表される経済指標の内容次第となろう。今後の米金融引き締め政策の方向性は、最終的に経済情勢によって決定されるからだ(パウエルFRB議長は繰り返し「データ次第」というスタンスを示している)。

11月4日に10月米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数と失業率は重要な指標だが、米経済が直面する最大の問題がインフレである以上、賃金(平均時給)の推移も重要な指標となろう。住居費と同じく賃金でも高止まりの傾向が続けば、なかなかインフレが低下しない、というリスクにつながるからだ。

ゆえに「ハト派のFOMC」となっても経済指標でインフレリスクの根強さが意識される場合、米債市場では再び利回りに上昇の圧力が強まることが予想される。米金利の反発は、米ドル相場の買戻し要因となろう。

一方、「ハト派のFOMC」に加えて、雇用統計が総じてさえない内容(非農業部門雇用者数が予想以下となり平均時給が低下基調を辿ること)が確認される場合は、「米金利の低下幅が拡大→米ドル売り」の展開が予想される。

非農業部門雇用者数変化と平均時給の推移

非農業部門雇用者数変化と平均時給の推移 データ:米労働省/Bloomberg L.P. 月次(2021年以降)/平均時給は前年比(%)

ドル円 今週の焦点とチャートポイント

・下落の局面では145.00の維持が焦点に

今週のドル円(USDJPY)は、引き続き米金利の動きに左右されるだろう。

先週28日の9月PCE価格指数では、米国の根強いインフレ傾向が確認された。ゆえに11月のFOMCで将来の利上げペース減速の可能性が高まっても、10月雇用統計や来週10日に発表される同月消費者物価指数(CPI)が予想以上ならば、米金利の反発または高止まりで、ドル円はサポートされる可能性がある。

注目のチャートポイントだが、ハト派のFOMCやさえない米経済指標などを理由にドル円が下落する場合は、145.00レベルの攻防が焦点となろう。先週27日の動きにより、145.00レベルがレジスタンスからサポートのポイントへ転換する可能性がある(27日の安値は145.10レベル)。この水準(145.00レベルで)で何度もドル円がサポートされる場合は、短期的なレンジの下限として意識したい。

一方、ドル円が145.00レベルをあっさりと下方ブレイクする場合は、142.00レベルの攻防が次の焦点として浮上しよう。

さえない米経済指標が続けば、ドル円は142.00レベルをも下方ブレイクする可能性が高まる。このケースでは、レジスタンスからサポートへの転換が確認されている140.00の維持が焦点として浮上しよう。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:Trading View 日足(今年7月以降)


・上昇の局面では149.00および149.50の突破が焦点に

一方、ドル円(USDJPY)が上昇トレンドを維持する場合は、149.00レベルの突破が焦点となろう。先週前半のドル円は、このレベルで上昇が止められる不自然な動きが見られた。また、149.50レベルで上値が止められる状況も見られた。これらの動きが、政府・日銀による円買い介入によってもたらされた可能性がある以上、149.00台までドル円が上昇する場合は、反落リスクを警戒しておきたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:Trading View 15分足(先週24日~26日の動き)

ポンドドルの焦点とチャートポイント

・英中銀イベントとチャートポイント

今週は、英中銀の金融政策委員会(MPC、11月2~3日)が開催される。今週のポンド相場を大きく動かす可能性がある。

短期金融市場では、0.75ポイント利上げの可能性が意識されている。この点は、外為市場の参加者も織り込み済みである。よって、FOMCと同じく英中銀イベントの焦点は今後の利上げペースにある。

英中銀のブロードベント副総裁は20日、市場が予想するほど金利が大きく上昇する必要があるのかという点については不明と述べた。今後、英中銀が景気の先行きリスクの方を強く意識し、利上げペース減速の可能性が浮上する場合はポンドドル(GBPUSD)の重石となろう。

英中銀イベントがポンド売り要因となる場合、ポンドドルの目先の焦点は1.13台の維持である。レジスタンスからサポートへ転換する可能性がある50日線は1.13後半、相場をサポートする局面が見られる21日線は1.13前半でそれぞれ推移している。これら移動平均線を難なく下方ブレイクし下落幅が拡大するかどうか?は、英中銀イベントの内容だけでなく、米国のFOMCや経済指標の内容も大きく影響しよう。

一方、英中銀イベントでポンド買いの圧力が強まるか、米国のイベント(FOMCや経済指標)で米ドル安の圧力が強まる場合は、レジスタンスとして意識されている1.16ミドルの水準を突破する展開が予想される。

ポンドドルが1.17台の攻防へシフトする場合は、9月13日の高値1.1738レベルのトライおよびブレイクが次の焦点として浮上しよう。

また、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.1555レベルの突破に成功していることを考えるならば、76.4%の水準1.1837レベルを視野にもう一段ポンドドルが上昇する展開も予想される。

ポンドドルのチャート

ポンドドルのチャート チャート:Trading View 日足(今年8月以降)

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