ドル円とポンド円の注目ポイントについて
米金利の上昇と円安でドル円は150円台の攻防へシフト。円買い介入の可能性が意識される中、レジスタンスポイント(相場の反転ポイント)を模索する展開が続く。トラス英首相が辞任を表明。ポンド円の焦点は?そして注目のチャートポイントは?詳細はIGレポートをご覧ください。
米金利の上昇と円安でドル円は150円台へ上昇
【サマリー】
・米金利の上昇と円安進行でドル円は150円台へ上昇
・ドル円はレジスタンス(相場の反転)ポイントを模索する状況が続く
・FRB当局者のタカ派発言と上昇基調にあるFF金利の予想推移
・ドル円 次のレジスタンスポイントは152円レベルか
・トラス英首相が辞任を表明 ポンド円の展望とチャートポイントについて
・米金利の上昇と円安進行でドル円は150円台へ上昇
20日の米債市場でもインフレのリスクを意識する状況が続き、利回りが上昇した。
10年債利回りは、2008年6月以来の高水準となる4.24%台まで上昇する局面が見られた。金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは、2007年8月以来の高水準4.61%台まで上昇した。
一方、20日の外為市場では、円安優勢の展開となった。
米金利の上昇と円安を受けドル円(USDJPY)は150円台の攻防へシフト。高値150.292(IGレート)まで上昇する局面が見られた。
20日の円相場の動き
・FRB当局者のタカ派発言とFF金利の予想推移
昨日、利上げについて連邦準備制度理事会(FRB)の当局者からのタカ派発言が相次いだ。クック理事は高インフレについて言及し、それを抑制するための継続的な利上げを主張した。一方、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、情勢次第で来年に一旦利上げを中止する可能性に言及しながらも、当面は利上げを継続する姿勢を示した。これら発言も昨日の米金利の押し上げ要因となった。
また、短期金融市場でのFF金利(フェデラルファンド金利)の予想推移を確認すると、上昇基調が続いている。来年5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FF金利が5%へ到達する見通しが示されている。
これらの状況を考えるならば、米ドル相場はもうしばらく上昇もしくは高止まりの展開となることが予想される。
また、FRBの持続的な大幅利上げが意識されている状況は、リスク資産(株式/資源価格)の下落要因となる。ゆえに、リスク回避相場も米ドル高トレンドのサポート要因となろう。
FF金利の予想推移
・ドル円 次のレジスタンスポイントは?
現在のドル円(USDJPY)は、とにかく上昇するトレンドにある。円買い介入の可能性を意識する状況が続いているが、実際にそれが実行されても現在の「ドル高/円安」のトレンドを転換させるインパクトはない。
ドル円のトレンド転換を促す要因のひとつは、米金利が低下トレンドへ転じることである。景気リスクの方が強く意識されることで、その転換はいずれ訪れるだろう。だが、現時点でそのムードはない。ゆえに、どの水準がレジスタンスポイント(相場の反転ポイント)となるのか?この点が、ドル円の焦点としてあり続けよう。
1987年から1990年当時のドル円の動きを確認すると、152.00前後がレジスタンスポイントとして意識される局面があった。そしてドル円が152円台を完全に上方ブレイクした後に、160円台へ上昇する展開が見られた(1990年に160.20レベルまで上昇)。
過去の推移を参考にするならば、ドル円が上昇トレンドを維持する場合、まずは152.00レベルをトライするかどうか?この点に注目したい。
ドル円のチャート
トラス英首相が辞任を表明 ポンド円の展望とチャートポイント
・トラス英首相が辞任を表明 ポンドドルの反応は限定的
イギリスのトラス首相は20日、与党・保守党の党首を辞任することを表明した。首相就任からわずか45日しか経っておらず、実質的な在任期間は史上最短となる見通しとなった。
昨日のポンドドル(GBPUSD)の動きだが、一時1.13台まで反発する局面が見られたものの上値の重い状況が続き、すぐに1.12台へと反落した。
誰が首相に就いても英国経済の厳しい情勢(長引く高インフレと景気の減速)に対応することは困難な状況にある。また上で述べたとおり、米国のFF金利のターミナルレートが5%へ上昇する予想も見られる。英国経済が置かれている状況とFRBによる持続的な大幅利上げの可能性を考えるならば、20日のIG為替レポートで指摘したとおり、ポンドドルは下落トレンドの維持を予想する。
ポンドドルのチャート
・ポンド円の焦点とチャートポイント
一方、ポンド円(GBPJPY)は、ドル円(USDJPY)の上昇にサポートされ高値圏での攻防が続いている。
今月18日以降の動きから、目先の上値の焦点は170.00レベルの突破、下値の焦点は168.00レベルの下方ブレイクに絞られた感がある。
ポンド円が170.00レベルを突破する場合は、この水準がサポートへ転換するかどうか?この点を確認したい。
逆にポンド円が168.00レベルを完全に下方ブレイクした後に、戻りの局面でこの水準がレジスタンスとなれば、次のサポートポイントの候補である165円レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。
ポンド円のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。