豪ドル円反発、94円台 トランプ関税懸念後退 CPIの見通しは?
豪ドル円相場は24日に94円台まで反発。トランプ氏の高関税への懸念が後退したためだが、26日発表のCPIが豪ドル安材料になる可能性もある。

豪ドル円相場が反発している。豪ドル円相場は24日の東京市場で1豪ドル=94円台で推移。前週末の21日につけた93円台前半から1円程度の豪ドル高に振れている。アメリカのドナルド・トランプ大統領の高関税政策の対象が限定的になるとの報道を受け、オーストラリア経済への悪影響が小さくなるとの思惑が出ているようだ。ただ、26日に発表される2月の消費者物価指数(CPI)が前月同様に予想よりも弱くなった場合には豪ドル安が進む可能性もある。また、世界の通商関係は米国で相互関税が発動される4月2日に向かって再び緊張感が高まることも考えられ、豪ドル円相場の今後の見通しをめぐっては、改めて豪ドルに対する下落圧力が強まる筋書きも想定されそうだ。
豪ドル円は一時94円台まで上昇 一方的な豪ドル安に歯止め
豪ドル円(AUD/JPY)は日本時間24日午前の取引で一時、1豪ドル=94.26円をつけた。ブルームバーグによると、21日につけた93.16円からは1円以上、豪ドル高に振れたことになる。豪ドル円相場は11日には約7か月ぶりの豪ドル安水準を更新する91.82円をつけていたが、一方的な豪ドル安には歯止めがかかっている。

トランプ氏は4月2日に相互関税のみを発動か 鉄鉱石価格が上昇
24日に豪ドルが買われた要因はトランプ氏の高関税政策への楽観的な見通しだ。米紙ウォールストリート・ジャーナルは日本時間24日朝に「ホワイトハウスが4月2日の関税の対象を狭めている」とする記事を公開。4月2日には米国製品に関税をかけている国に対する相互関税を発動させるものの、自動車や半導体、医薬品など対する個別関税については発表されない見通しだと報じた。
これまでトランプ氏の高関税政策への懸念は世界経済への不安を高め、オーストラリア最大の輸出品である鉄鉱石の価格を押し下げるなどして、豪ドル安要因として働いてきた。ブルームバーグによると、中国の大連商品取引所の鉄鉱石先物価格は20日、1トン=773人民元をつけ、約2か月ぶりの安値となっている。しかしトランプ氏の高関税政策が縮小するとの見通しを受けた24日午前の取引では、790人民元程度まで反発しており、豪ドル買いの背景になっているようだ。
オーストラリアの2月CPIは伸び率が横ばいの見通し 下振れなら豪ドル安も
ただ、オーストラリア統計局が26日午前11時30分(日本時間26日午前9時30分)に発表する2月CPIは豪ドル安要因として働く可能性がある。ブルームバーグがまとめた市場予想では、2月CPIの総合指数の伸び率は前年同月比2.5%で、前月(1月)から横ばいになる見通し。とはいえ、1か月前にあたる2月26日に発表された1月のデータは伸び率が市場予想を下回り、豪ドル安要因となった。このため2月CPIが再び、豪ドルが売られるきっかけになることも考えられる。

中国の成長率目標は5%前後 トランプ氏の中国への対抗姿勢が逆風に
また、トランプ氏は3日に中国製品に対する追加関税の税率を20%に引き上げており、オーストラリア経済と関係が深い中国経済への逆風となっている。一方、中国の李強首相は5日の全国人民代表大会(全人代)で2025年の実質成長率を5%前後とすると発表。2024年の実績(5.0%)と同水準の目標といえるが、トランプ氏の高関税政策に直面する中で目標達成の難易度は上がっており、追加的な経済対策の実行が待たれる状況だ。
トランプ氏が4月2日の相互関税発動に向けて中国への対抗姿勢をさらに強めれば、中国経済への不安が高まる可能性もある。今後の豪ドル円相場の見通しをめぐっては、米中対立が材料となって豪ドル安が進行する展開も想定されそうだ。
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