シリコンバレー銀行破綻で銀行・ハイテク株が下落、金ETFは上昇
米国のシリコンバレー銀行やシグネチャー銀行の破綻を受け、日本の銀行やテクノロジー関連企業の株価が下落した。一方、金上場投資信託(金ETF)は高値を更新した。
米国シリコンバレー銀行(SVB)の破綻を受け、3月第3週の日本株は低迷している。とりわけ銀行株は大きく下落し、3月14日、メガバンク株の多くは3月10日の終値から10%以上下落した。また、銀行破綻の影響がテクノロジー関連企業へ及ぶとの懸念から、ソフトバンクグループ(9984)の株価も下落した。一方、金上場投資信託(金ETF)は上場来高値を更新した。
シリコンバレー銀行破綻が世界の銀行株に打撃
3月8日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、「最新の経済データは予想より強く、金利の最終到達水準が従来想定を上回る可能性が高いことを示唆している」と発言した。さらに、「経済データが全体として、より速い引き締めを正当化するのであれば、利上げペースを加速させる用意があるだろう」と述べた。この発言により、米国の株式市場は不安定な状態にあった。
加えて、3月9日には、テクノロジー産業を支えてきた金融機関であるSVBが流動性の問題を抱えているとのニュースが流れた。同行の株価は60%下落し、時間外取引でさらに22%下落した。この流れを受け、他の米国銀行株も大きく値下がりした。
テクノロジー関連のスタートアップ企業への融資に注力してきたSVBは、3月10日にカリフォルニア州の銀行規制当局によって閉鎖され、連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入った。同行は2008年の金融危機以降に破綻した銀行としては最大規模となり、預金者は週明け月曜日に預金にアクセスできるかどうか、不安な週末を迎えることとなった。
さらに、3月12日には、ニューヨークを拠点とするシグネチャー銀行も閉鎖した。米国財務省、FRB、FDICは共同声明を発表し、同行のすべての預金者を保護し、週明け月曜日から預金にアクセスできるようにすることを表明した。
一連の出来事により、3月21・22日に行われるFRB会合では、積極的な利上げは行われないだろうと、多くの投資家は見ている。
先行き不安から、銀行株やテクノロジー関連株が低迷
SVB破綻のニュースを受け、日本を含む世界中の銀行株が下落している。3月10日に932円70銭で取引を終えた三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は、3月14日には823円を記録し、11.8%の下落となった。同時期に、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は11.4%、りそなホールディングス(8308)は13.3%下落している。
2022年12月に日銀がイールドカーブ・コントロール政策に修正を加えたことで、今年に入ってから3月第2週まで、日本の銀行株は非常に好調に推移していた。そのため、投資家は金利の上昇を予想して銀行株を購入していた。
SVB破綻の影響がテクノロジー企業に及ぶとの懸念から、3月13・14日にソフトバンクグループ(9984)の株価が下落した。この下落は銀行株ほど大幅ではないが、同社の株価は3月10日の終値から3月14日の終値にかけて5.7%下落している。3月7日に5,727円の高値を記録したものの、1週間後には5,040円まで値下がりした。同社は、投資ファンドを通じて多くの米国のテクノロジー企業に投資している。
投資家が銀行の安定性を懸念する中、三菱純金上場信託ETF(1540)が2010年7月の上場来高値を更新した。同ETFは3月10日終値の7,633円から14日には7,789円まで上昇した。SVBやシグネチャー銀行の破綻を受け、金に対する需要が高まっている。
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