タカ派スタンスへ傾斜する英BoEとECB / ポンドドルとユーロドルそれぞれの焦点は? /
タカ派スタンスに傾斜するイングランド中央銀行(BoE)と欧州中央銀行(ECB)。しかし、この点に関する外為市場の織り込み度合いは異なる。目先のポンドドルとユーロドルの焦点は?そしてチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
タカ派へ傾斜する英中銀(BoE) ポンドドルの焦点は?
【サマリー】
・イングランド中央銀行(BoE)は連続利上げと量的引き締めを決定
・欧州中央銀行(ECB)も年内の利上げの可能性が浮上
・金融引き締めに関する外為市場の織り込み度合いに差が見られる
・ポンドドルのチャートポイント
・ユーロドルのチャートポイント
・英中銀(BoE)のタカ派スタンスは外為市場でかなり織り込まれている
イングランド中央銀行(英中銀、BoE)は3日、政策金利を0.25%(25bp)引き上げて、年0.5%にすると発表した。利上げは2会合連続で、9人のメンバーのうち4人は0.5%(50bp)の利上げを主張した。さらに量的引き締め(QT)に着手することも決定した。
ポンドドル(GBPUSD)のパフォーマンスを確認すると、昨日はわずか0.13%のポンド高だった。ポンド円(GBPJPY)は0.66%の上昇率だった。
一方、ユーロドル(EURUSD)は1.19%、ユーロ円(EURJPY)に至っては1.69%と、ユーロ相場が急伸した。これらパフォーマンスの差は、BoEの利上げスタンスの方について外為市場でかなり織り込まれていることを示唆している。
なお、短期金融市場では、今年12月までにBoEが1.6%前後まで利上げすることを織り込んでいる。次回以降の金融政策委員会(MPC)で0.25%ずつの利上げを行うと仮定するならば、あと4回の利上げを織り込んでいることになる。
昨日のポンドドルの上昇幅が限定的だったことを考えるならば、今後金融引き締め政策がポンド高要因となるには、利上げペースの増加が条件となろう。
ポンド相場とユーロ相場のパフォーマンス
・ポンドドルのチャートポイント
ポンドドル(GBPUSD)は10日線(EMA)でサポートされながら、200日線(EMA)の突破に成功した。トレンドフォローを重視するならば、次の焦点はフィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準1.3647レベルのトライおよび突破となろう。
このポイント(1.3647レベル)をも突破する場合は、61.8%の水準1.3715レベルおよび先月13日の高値1.3748のトライが焦点として浮上しよう。
だが上でも述べたとおり、BoEの金融引き締めスタンスは外為市場でも相当織り込まれている可能性が高い。今日の1月米雇用統計の内容次第ではトレンドが転換する可能性があるため、上記のレジスタンスポイントで反落する場合は10日線の下方ブレイク、1.34台への反落、および先月27日安値1.3355レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。
ポンドドルのチャート
欧州中央銀行(ECB)もタカ派へ傾斜 年内利上げへ
・欧州中央銀行(ECB) 年内利上げの可能性高まる
欧州中央銀行(ECB)は3日の理事会で、予想通り政策金利を据え置いた。一方、インフレの上振れリスクが高まっていることから(ラガルド総裁)、年内利上げの可能性が浮上してきた。
短期金融市場では、今年6月9日の理事会でECBが0.1%(10bp)の利上げを行うことを約70% の確率で織り込んでいる。
ラガルド総裁の会見を受け、ユーロドル(EURUSD)は1.14台へと急伸した。ポンドドル(GBPUSD)とは対照的にユーロドルの上昇幅が拡大した事実は、ECBの政策転換(利上げ)を外為市場が織り込んでいないことを示している。
しかし、昨日の大陽線(日足ローソク足)示現は、今回の理事会を受け外為市場の参加者がECBの政策転換をかなり織り込んだ可能性を示唆している。
・ユーロドルのチャートポイント
トレンドフォローを重視するならば、目先のユーロドル(EURUSD)で注視すべきは全戻しの1.1482(1/14高値)トライである。しかし、今晩の1月米雇用統計の内容次第では1.1482レベルがダブルトップの起点となり、トレンドが一気に転換する可能性がある。
ユーロドルが反落する場合、まずは1.14台の維持に成功するかどうか?この点が焦点となろう。
だが、金融政策の正常化レースでは、米連邦準備制度理事会(FRB)の方が一歩リードしている。昨日のユーロ急伸でECBの政策転換がかなり織り込まれた可能性も考えるならば、フィボナッチ・リトレースメント23.6%もしくは38.2%の水準を視野に下落幅の拡大を警戒しておきたい。38.2%のすぐ下には、10日線(EMA)と21日線(EMA)の移動平均線が推移している。
ユーロドルのチャート
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