ユーロドル 目先は2つのポイントに注目 / 英中銀(BoE)はサプライズ利上げ ポンドドルの注目ポイントは?
サマリー:「欧州中央銀行(ECB)は来年3月にパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を終了するも、従来の資産購入プログラム(APP)の一時的な拡充を決定した。ラガルド総裁は22年中の利上げには否定的。一方、英中銀(BoE)はサプライズ利上げ。目先のユーロドルとポンドドルの注目ポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ユーロドル 目先は2つのポイントに注目
・ECB理事会サマリー
欧州中央銀行(ECB)は16日の理事会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP、1兆8500億ユーロ規模)を来年3月に終了することを決定した。一方で、従来の資産購入プログラム(APP)の一時的な拡充(来年4~6月に月400億ユーロの引き上げ)を決定した。
ラガルドECB総裁は緩和縮小の方針を示しながらも、2022年中の利上げには否定的な見解を示した。
なお、最新の経済見通しで来年のインフレ率を3.2%としながらも、来年末には2%をわずかに下回る水準まで低下し、2023と24年は1.8%へ低下する予測を示した。
・ユーロドルの反応
ECB理事会後、ユーロドル(EURUSD)のファーストリアクションはユーロ買いだった。このレポートで注目してきた21日EMA(今日現在1.1323レベル)を陽線でブレイクし、高値1.1360レベルまで上昇する局面が見られた。
しかし、ユーロ買いは続かず、昨晩の23時以降は一転してユーロ売り優勢の展開に。1.13を下方ブレイクする局面が見られた。
ユーロドルのチャート
・ユーロドル 2つの注目ポイント
ユーロドル(EURUSD)の上値の重さは相変わらず続いている。しかし、15日の日足ローソク足のかたち(長い下ヒゲ付きの陽線引け)と昨日の21日EMAブレイクの状況を重視するならば、目先のユーロドルはトレンドフォローを意識した反発相場の維持を予想する。
目先の注目ポイントは2つある。ひとつは、21日EMAがレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか?この点に注目したい。
もうひとつは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.1378レベルを突破し1.14をトライするかどうか?である。
より注視したいのは前者の方である。21日線がサポートラインへ転換する場合、市場参加者に今の反発基調の強さを意識させよう。このケースでは、38.2%戻しだけでなく1.14ブレイクの展開を想定したい。
一方、38.2%や1.14トライの展開となっても、21日EMAがサポートラインへ転換しなければ、ユーロドルの反発は限定的になると予想する。後者のケース(21日線がサポートラインの転換に失敗するケース)では、1.12台~1.14前後を中心とした短期的なレンジ相場へシフトする可能性が出てくる。
1.12台のサポートポイントは、昨日のレポートでも指摘したとおり1.1220レベルで変わらず。
ユーロドルのチャート
英中銀(BoE)はサプライズ利上げ ポンドドルの注目ポイントは?
・イングランド中央銀行(BoE)はサプライズ利上げ
イングランド銀行(英国中央銀行、BoE)は16日の金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.1%から0.25%へ引き上げた。利上げには政策委員9人のうち8人が賛成した(8対1)。多くのエコノミストの予想では据え置き予想だったため、今回の利上げはサプライズとなった。
・コロナリスクよりもインフレ抑制を重視
ベイリーBoE総裁は中期的なインフレ動向について懸念していること、それ故利上げに踏み切らざるを得なかったと述べた(BBCテレビ)。
BoEは、来年4月にインフレ率が6%まで上昇する公算が大きいと指摘。今回は、新型コロナウイルスの感染リスクよりもインフレの抑制を重視するスタンスを示したかたちとなった。
なお、短期金融市場では来年の9月までにBoEが政策金利を1%まで引き上げることを織り込み始めている。
・ポンドドルのチャートポイント
ポンドドル(GBPUSD)の日足チャートを確認すると、1.32レベルで何度も下値がサポートされ、11月以降レジスタンスラインとして意識されてきた10日EMA(今日現在1.3278レベル)の突破に成功した。
このタイミングでBoEはサプライズ利上げに踏み切った。パウエルFRBと競うようにベイリーBoEが利上げサイクルに入る可能性が短期金融市場で意識されていることも考えるならば、ポンドドルは短期的な反発相場を想定する局面へシフトしている。
ユーロドル(EURUSD)と同じくトレンドフォローを重視する場合、目先はフィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準1.3377レベルの突破が焦点となろう。昨日は、このテクニカルポイントで見事に上昇が止められた。
ポンドドルがこの水準(1.3377レベル)を上方ブレイクする場合は、1.34台への上昇が焦点として浮上しよう。1.34台で最初に注目したいレジスタンスポイントは、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準1.3427レベルである。すぐ上の水準には、50日EMA(今日現在1.3433レベル)が推移している。
一方、ポンドドルが反落する場合、目先の注目ポイントは10日線がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか?この点にある。米金利の上昇などでポンドドルが反落しても10日線の維持に成功する場合は、ポンドドルの短期的な地合いの強さを市場参加者に意識させよう。
逆に10日線がサポートラインへの転換に失敗する場合は、1.32レベルを下限とした短期的なレンジ相場へシフトする可能性が出てくる。
ポンドドルのチャート
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