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米雇用統計の焦点とドル円の注目ポイント / BoEとECBイベントの焦点 ポンドドルとユーロドルのチャートポイント

今週は1月米雇用統計や英欧の中銀イベントがある。それぞれの焦点と注目ポイントは?ドル円、ポンドドルそしてユーロドルのチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米雇用統計の焦点とドル円の注目ポイント


【サマリー】

・米雇用統計の焦点は賃金の動向にある
・ドル円の上値トライは米国株の動向次第
・ドル円のチャートポイント
・ECBとBoEイベントにも注目
・ポンドドルとユーロドルのチャートポイント



・今年の米雇用統計の焦点

来月4日に1月の米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数は前月比で15.5万人増、失業率は3.9%で前月から横ばい推移の予想となっている。

今回に限らず今年の米雇用統計で筆者が特に注目しているのが、平均賃金の動向である。

賃金インフレは、物価の低下を阻む要因となり得るからだ。1月平均賃金の予想は前年同月比で5.2%増。前月の4.7%増から賃金の伸びが加速することが予想されている。

現在、パウエルFRBが直面している最大の課題は物価上昇の抑制である。今回の結果も含めて、今後の米雇用統計で賃金インフレが確認される場合、各市場は米金融引き締めペースの加速を意識するだろう。

米国のインフレと賃金の動向

米国のインフレと賃金の動向

※インフレ:PCEコアデフレーター / 賃金:雇用統計の平均賃金 / ともに前年同月比



・ドル円の焦点とチャートポイント

今週のドル円(USDJPY)は、上昇トレンドの維持が焦点となろう。

パウエルFRBの金融引き締め政策が意識され、米債市場では短期ゾーンを中心に利回りの上昇圧力が高まっている。米金利の上昇が今後も続くことを軸に考えるならば、ドル円の上昇トレンド維持の鍵は米国株にあると考えられる。

その米国株には、ひとまず底打ち感が出始めている。今週の米国株が総じて反発地合いとなる場合、ドル円は116円を視野に上昇幅の拡大が予想される。先週28日の高値115.68レベル(フィボナッチ・リトレースメント76.4%)の突破は、116.00 をトライするシグナルの一つである。

米国株の下落リスクとして今週注目すべきは、上で述べた賃金インフレである。

1月雇用統計でこの点が確認される場合、「賃金インフレの懸念 → 米金融引き締めペース加速の思惑 → 米金利の上昇 → 米国株の下落」という展開を警戒しておきたい。

ドル円が下落する場合、まずは115円前後の攻防が焦点となろう。

115円台を下方ブレイクする場合は、10日線(SMA)がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか?この点を確認したい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート


BoEとECBイベントの焦点 ポンドドルとユーロドルのチャートポイント

・BoEイベントとポンドドルの焦点

今週はイングランド中央銀行(BoE)の金融政策委員会(MPC)と欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されている。

英国のインフレ率(消費者物価指数)は前年比で5.4%まで上昇している。BoEは約30年ぶりの高インフレに対応するため、2月3日のMPCで利上げを敢行するだろう。

また、連続利上げに対する市場の思惑は根強い。議事要旨でBoEのインフレに対する警戒レベルの高さと利上げスタンスの維持があらためて確認される場合、短期的にポンド相場は上昇する展開が予想される。

今週のポンドドル(GBPUSD)のチャートポイントだが、BoEイベントがポンド買い要因となる場合は、10日線(EMA)および50日線(EMA)のトライに注目したい。サポートラインからレジスタンスラインへ転換しているこれら移動平均線の突破に成功する場合は、1.35トライの展開を予想する。

一方、ポンドドルの下落トレンドが続く場合は、現在相場をサポートしている1.3350レベルだけでなく、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準1.3334レベルの下方ブレイクを想定しておきたい。

1.3334レベルを完全に下抜ける場合は、1.32レベルを視野にポンドドルの下落幅拡大を警戒したい。

ポンドドルのチャート

ポンドドルのチャート


・ECBイベントとユーロドルの焦点

一方、2月3日には欧州中央銀行(ECB)理事会も開催される。すでに3月理事会でのパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の終了と従来の資産購入プログラム(APP)の拡充が決まっているため、政策面では現状維持が予想される。

今回の焦点は、インフレに対するラガルドECBの見解にある。ドイツ連銀の新総裁ナーゲル氏は、今月11日のスピーチで、インフレの長期化に対して懸念を表明した。ビルロワドガロー・フランス中銀総裁からは、インフレ率を2%付近に引き下げるためにECBは全力を尽くす、とのコメントが聞かれている(24日ヨーロッパ1ラジオ)。また、同総裁は金融政策の正常化で適度なペースを判断しなければならない、とも述べている。

これらキーマン達のコメントは、ラガルドECB内で高インフレに対する警戒レベルが上がっていることを示唆している。ラガルド総裁が会見でインフレ抑制について積極的なスタンスを示す場合、一時的にせよユーロの買戻し要因となり得る。

今週のユーロドル(EURUSD)の焦点は、新たなサポートポイントを見極めることにあろう。まずは1.11レベルの維持に成功するか?この点に注目したい。先週28日の安値1.1119レベルの下方ブレイクは1.11トライのシグナルと想定したい。

一方、ECBイベントがユーロ買い要因となる場合は、1.12前後の水準がサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?この点が焦点となろう。1.12台へ再上昇する場合は、レジスタンスラインとして意識されている10日線(EMA)のトライに注目したい。この移動平均線は現在、短期レジスタンスラインと並行している。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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