コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

ポンド円の見通し、英中銀の判断に影響を与える賃金動向、上昇の局面では戻り売りを警戒

ポンド円は今月2日に193.48レベルまで上昇する局面が見られた。しかし、ポンド円の上昇局面では戻り売りを常に警戒したい。今日は英国の賃金統計がポンド円の変動要因となろう。目先、注目しておきたい上下のチャート水準は?

Source: Adobe images Source: Adobe images

記事のポイント

・ポンド円は現在、ドル円にらみの状況が続いている
・そのドル円は、「米ドル安・円高」を意識する局面に転じている
・ポンド円の上昇局面では、戻り売りを常に警戒しておきたい
・今日は英国の賃金統計がポンドの変動要因となろう


ポンド円の見通しとチャート分析

ドル円にらみの状況が続く

ポンド円(GBP/JPY)は8月5日に安値180.11レベルまで急落した。その後、ドル円(USD/JPY)の反発とポンドドル(GBP/USD)の上昇が重なる局面が散見され、今月2日に193.48レベルまで反発する局面が見られた。

しかし、ポンド円の上昇局面では、常に戻り売りを警戒する必要があろう。今月4日のIG為替レポート「不意打ちの円高、米経済指標にらみのドル円、ドル円にらみのポンド円」で指摘したとおり、ポンド円はドル円の動きに影響を受けている(下のチャートを参照)。

ポンド円とドル円のチャート:日足 今年6月以降

ポンド円とドル円のチャート:日足 今年6月以降

出所:TradingView

そのドル円は、9日のIG為替レポート「ドル円の週間見通し、再び141円台へ下落、焦点は米国CPIと新規失業保険申請件数、反発局面では戻り売りを警戒」で指摘したとおり、現在のトレンドの軸は「米ドル安・円高」にある。

米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、緩和サイクルへ転じる可能性が高いことを考えるならば、日米利回り格差の縮小は続くだろう。日米中銀の金融政策の方向性が明確になり始めた7月以降、日米利回り格差の縮小に連動し、ドル円が下落トレンドへ転じていることを考えるならば、ドル円の動きに影響を受けるポンド円も下値トライを意識する局面にある。

日米の利回り格差とドル円のチャート:日足 年初来

日米利回り格差とドル円:日足 年初来

ブルームバーグのデータで筆者

テクニカルの面でも下値トライを意識する状況に

日足チャートでポンド円(GBP/JPY)のトレンドを確認すると、10日線と21日線がデッドクロスへ転じている(下の日足チャートを参照)。RSIとMACDでも同じ状況が確認されている(下の日足チャート、赤矢印を参照)。

ポンド円の動きに大きな影響を与えているドル円(USD/JPY)のトレンドの軸が下値トライにあることも考えるならば、ポンド円の上昇局面では戻り売りを警戒したい。

また、ポンド円が下値をトライする局面では、予想外に下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。

下値の注目水準は?

ポンド円(GBP/JPY)が下値をトライする場合は、8月5日の安値180.11レベルをレンジの下限と想定し、まずは183円を維持できるかどうか?この点に注目したい。

183.26レベルは、8月5日の安値と9月2日の高値の76.4%水準にあたる。このテクニカルラインを目指すシグナルとして、現在サポートラインとして意識されている半値戻しの水準186.79レベル、そして61.8%水準185.21レベルの攻防に注目したい。

ポンド円が後者の水準(185.21レベル)を難なく下方ブレイクする場合は、一気に183円台を目指す展開を想定しておきたい。

ポンド円:日足 今年7月以降

ポンド円のチャート:日足 今年7月以降

出所:TradingView

反発局面での注目水準は?

一方、ポンド円(GBP/JPY)の反発局面では、上で取り上げた10日線(189.60台)と21日線(190.00前後)の突破が焦点となろう。189円台への上昇は、これら移動平均線を目指すシグナルとなろう。

ポンド円が189円を目指すサインとして、以下の15分足チャートにプロットした半値戻しの水準とフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。

半値戻しの水準は188円台へ上昇できるかどうか?を見極めるテクニカルラインである。ポンド円がこのラインを突破した後、反落の局面で188円台を維持する場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準188.36レベル、そして76.4%の水準188.83レベルのトライを意識したい。

分足でRSIとMACDで相場の過熱感とトレンドを確認したい。上で取り上げたレジスタンスの水準をポンド円がトライする際、RSIが買われ過ぎの水準でデッドクロスへ転じ、MACDでも同じ状況が確認される場合は戻り売りを意識したい。

一方、逆の展開ではポンド円の短期買いのタイミングを計りたい。

なお、本日ポンド円が上で述べた上下のチャート水準をトライする材料として注目したいのが、日本時間の15時に発表される雇用関連の経済指標である。

ポンド円:15分足 9月6日以降

ポンド円のチャート:15分足 9月6日以降

出所:TradingView

ポンドも雇用指標にらみの状況に

注目は賃金インフレの動向

米ドルと同じくポンドも雇用関連の経済指標が今後重要な材料となろう。イングランド銀行(英中銀)の金融政策に大きな影響を与えるからだ。

9月19日に英中銀は金融政策委員会(MPC)を開く。現状、短期金融市場では政策金利の据え置き予想が大勢となっている。しかし、今日の雇用関連指標の内容次第では、現在20%台で推移している利下げ確率が上昇する可能性がある。

英国立統計局(ONS)は本日、雇用関連の経済指標を発表する。注目は、5-7月の賃金統計(3ヶ月平均)である。英中銀が注視するサービス価格の動向に大きな影響を与えるからだ。

市場予想では前年同期比で4.1%と、4-6月の4.5%から賃金の伸び率がさらに抑制される見通しにある。また、変動の大きいボーナスを除くベースでは同比5.1%と、こちらも4-6月の5.4%から賃金インフレの鈍化が見込まれている。

賃金上昇率の鈍化はポンド売りの要因に

英中銀の政策判断に大きな影響を与えるサービス価格は賃金インフレが鈍化の傾向にあることで、前年同月比で5.2%まで鈍化している(下のチャートを参照)。ゆえに、5-7月の賃金上昇率が予想どおり、またはそれ以上に鈍化する場合はサービス価格の低下が続く可能性を市場参加者に抱かせるだろう。この思惑の高まりは、英中銀の利下げ期待を高める要因となろう。外為市場ではポンド売りの圧力が高まることで、ポンド円(GBP/JPY)は上で述べた予想外の下落に直面する可能性があろう。

一方、賃金インフレの粘着性を示唆する内容となれば、ポンド買いの要因となろう。ポンド高はポンド円の上昇要因となろう。しかし、その上昇幅はドル円(USD/JPY)の動向次第となろう。

英国 賃金の上昇率とサービス価格の動向:2023年以降

英国 賃金とサービス価格の動向:2023年以降 / 赤のドット:5-7月の市場予想

ブルームバーグのデータで筆者


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。