コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

調整ムードのNY金、焦点は米経済指標と投機筋の動き、短期の見通し

最高値の更新が続いていたNY金だが、今は小休止の状況にある。今週は、アメリカの経済指標で上下に振れる展開が予想される。投機筋の金買いは続いている。パウエルFRBの緩和サイクル入りも考えるならば、下落の局面では押し目買いを考えたい。

Source: Adobe images Source: Adobe images

記事のポイント

・連日で最高値を更新し続けたNY金だが、今は上昇基調に一服感が漂う
・金価格の下落局面では、押し目買いを考えたい
・今週の金価格は、米経済指標の内容で上下にふれる展開が予想される
・投機筋の金買いとFRBの利下げは、金価格の押し上げ要因となろう


スポット金価格、注目のチャート水準

レジスタンスポイント

・2,800:レジスタンスポイント
・2,760:エクステンション161.8%
・2,752:エクステンション100%
・2,685:9月26日高値

サポートポイント

・2,641:フィボナッチ・リトレースメント23.6%
・2,615:フィボナッチ・リトレースメント38.2%
・2,600:サポートポイント、半値戻し


調整ムードのNY金

9月の中旬以降、NY金は先物価格、スポット価格でともに過去最高値を連日で更新してきた。しかし、現在は上昇トレンドに一服感が漂っている。

スポット金の価格(以下では金価格)の日足チャートをみると、RSIは買われ過ぎの水準でデッドクロスへ転じつつある(下のチャート、紫の矢印を参照)。上昇基調にあったMACDも横ばい推移へ転じている(下のチャート、黒矢印を参照)。これらテクニカル指標がデッドクロスへ転じる場合は、短期の調整相場を想定したい。

スポット金価格のチャート:日足 2024年6月以降

スポット金価格のチャート:日足 2024年6月以降

出所:TradingView

反落の局面では押し目買い狙い

だが、今のことろ金価格の下落幅は限定的である。短期のサポートラインはおろか、10日線の上で推移している状況も考えるならば、反落の局面では金の押し目買いを狙いたい(上の日足チャートを参照)。

押し目買いの水準として最初に注目したいのが、先週27日の反落相場を止めたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準2,641レベルである(下のチャート、黒矢印を参照)。

次の水準が、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準2,615レベルである。この水準は先週23日の市場で相場をサポートした経緯がある。短期サポートラインの下方ブレイクは、2,615レベルをトライするサインと捉えたい。

金価格が2,615レベルを下方ブレイクする場合は、2,600ドルの維持が焦点として浮上しよう。テクニカルの面では半値戻しの水準2,593レベルの攻防に注目したい。この水準は、レジスタンスからサポートのラインへ転換する可能性がある(下のチャート、緑矢印を参照)。

日足のRSIとMACDは、金価格の上昇圧力が後退していることを示唆している。一方、4時間足のRSIは低下の基調が鮮明となり、かつ売られ過ぎの水準までまだ余裕がある。MACDはデッドクロスへ転じた後、ゼロラインを目指すムードにある。これらの動きは、金価格が短期の調整相場へ転じる可能性を示唆している。

スポット金価格のチャート:4時間足 9月以降

スポット金価格のチャート:4時間足 9月以降

出所:TradingView

今週のトレンドは米経済指標次第

金価格が調整相場へ転じるかどうか?その場合、どの水準まで下値をトライするのか?は、今週発表されるアメリカの経済指標次第となろう。

今週もアメリカ経済の先行きを考えるうえで重要ないくつかの経済指標が発表される。注目は、29日のIG為替レポート「ドル円の週間展望 焦点は石破ショックの持続性、米ISMと雇用統計次第で140円割れも」で取り上げた9月のISM製造業・非製造業景気指数と同月の雇用統計である。

米金融政策のターゲットは、インフレの抑制から「景気の下支え」にシフトしている。ゆえに今後は、企業活動と労働市場に関連した経済指標が米金利と米ドル相場の変動要因となろう。引き続き金価格は、これら市場の動きにトレンドが左右されるだろう。

ISM指数や雇用統計が予想外に強い内容となれば、米金利と米ドルの上昇要因となろう。このケースでの金価格は、上で述べたサポート水準のトライを想定しておきたい。

金価格、今週注目の上値水準

一方、ISM指数や雇用統計が総じて市場の予想を下回れば、景気懸念が再燃する可能性がある。景気懸念の再燃は、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイント(0.5%)の大幅利下げ期待を高める要因となろう。この期待の高まりは、米金利の低下と米ドル売りの圧力を高めるだろう。金価格は最高値を更新するトレンドに戻ることが予想される。

このケースでは、4つのチャート水準に注目したい。最初の水準は9月26日の高値2,685レベルである(下のチャート、赤ラインを参照)。金価格が2,685レベルを突破する場合は、フィボナッチ・エクステンション100%の水準2,752レベルを視野に上昇幅の拡大を予想する。

26日のIGコモディティレポート「NY金、連日で最高値更新 FRBの利下げと米大統領選挙は金価格の押し上げ要因に 短期の見通し」で取り上げたフィボナッチ・エクステンション161.8%の2,760レベルをも上方ブレイクすれば、2,800ドル台への上昇が視野に入ろう。

スポット金価格のチャート:日足 年初来

スポット金価格のチャート:日足 年初来

出所:TradingView

投機筋の金買い

金価格の反落局面が押し目買いのチャンスと考える理由の一つが、投機筋の動きにある。9月の上旬以降、投機筋は金を買い続けている。この動きに連動し、スポットの金価格も上昇幅が拡大した。

直近は利益確定売りの影響で、ネットロング(買いポジション-売りポジション)の増加幅は2万7,565枚から5,324枚へ減少した。しかし、買い越しのトレンドは続いている。上で述べた今週のアメリカ経済指標が総じて予想以下となれば、投機筋の金買いが続くことが予想される。

投機筋のポジションとスポット金価格の動向:週次 年初来

投機筋のポジションとスポット金価格の動向:週次 年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成


再掲:スポット金、注目のチャート水準

レジスタンスポイント

・2,800:レジスタンスポイント
・2,760:エクステンション161.8%
・2,752:エクステンション100%
・2,685:9月26日高値

サポートポイント

・2,641:フィボナッチ・リトレースメント23.6%
・2,615:フィボナッチ・リトレースメント38.2%
・2,600:サポートポイント、半値戻し



本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の商品(コモディティ)トレード

  • 約70種類の商品が取引可能
  • 原油や金など主要な商品の円建て銘柄
  • 金・銀、原油はバイナリーでも

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。