JR東日本は大幅増益で業績予想を上方修正
JR東日本は営業利益が増加したことを受け、決算発表で通期見通しを上方修正した。取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。
東日本旅客鉄道(JR東日本)(9020)は、在来線と新幹線の旅客数と売上高が、ほぼ新型コロナウイルス感染拡大前の水準にまで回復したと発表した。この回復を受け、2023年3月期第3四半期累計の純利益が前年同期比155.2%と大幅に増加し、通期の売上高と利益の見通しを上方修正した。
また、売上高が15.9%増の2兆円となり、第3四半期までの純利益は1852億3200万円に達した。通期の売上高は前年比12.7%増の2兆7120億円、当期純利益は66.3%増の1650億円を見込んでいる。
期末配当は1株当たり55円から70円に増配される見通しだ。同社は今回の修正について、「中長期的な目標として掲げている配当性向30%を踏まえた」と説明している。
自社株買いは2019年以降実施せず
1月31日の決算発表日当日、株価は1.21%上昇し、8,441円で取引を終えた。年初来では2.2%上昇しており、過去52週間では6,706〜8,949円の間で推移している。株価純資産倍率(PBR)は1.21倍で、日本取引所グループ(JPX)がJPXプライム150指数構成銘柄に求める水準を上回った。
新型コロナウイルス大流行前年の2019年以降、同社は自社株買いを実施していない。
同社は、日本人口の約30%が住む首都圏を管轄する日本最大の鉄道会社だ。首都圏の通勤路線のみならず、本州の北部や日本海沿岸の西部にも新幹線を運行している。輸送人員数では、国営インド鉄道に次いで世界第2位であり、強みとして鉄道の効率性と定時性などが挙げられる。
運賃の規制、収益性の高い不動産開発
日本の鉄道運賃は、政府が各鉄道会社の適切な利益水準とみなす基準に基づき厳しく規制されている。このような規制は他の鉄道事業資産には適用されないため、収益を最大化するために鋭意利用されている。
都市部の鉄道駅に近い土地は、日本国内において非常に貴重な資産とされている。同社は、超高層ビルや地下の歩行者天国を建設することで、その商業的な潜在力を最大限に活用してきた。駅前ショッピングセンター、賃貸物件、ホテルを含む不動産・ホテル事業は、過去3四半期において営業利益の48.83%を占め、運輸事業の25.4%を大きく上回った。
また、訪日外国人観光客の増加も追い風となっている。2023年1~11月までに訪日した外国人旅行者数は2233万人で、パンデミックが発生して以来初めて2000万人を突破した。外国人観光客の多くは東京を訪れ、ある調査によれば、日本で最も好まれる旅行手段は鉄道だという。
JR東海・JR西日本の決算も好調
東海旅客鉄道(JR東海)(9022)の2023年12月31日までの第3四半期業績も好調であり、売上高が前年同月比24.9%増の1兆2730億円、純利益は76.4%増の3187.7億円となった。一方、西日本旅客鉄道(JR西日本)(9021)も、営業収益が22.5%増の1兆1943億円、純利益が25.8%増の1098.9億円と好調だ。この業績を受け、両社とも通期の業績予想を上方修正している。
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