バイオ燃料製造プラントへの増資でユーグレナの株価が急騰
ユーグレナは、丸井グループおよびロート製薬とバイオ燃料製造プラント事業での提携を発表し、同社の株価が上昇した。また、マツダと第一生命はユーグレナの転換社債を引き受けると発表した。
1月19日、ユーグレナ(2931)は新株と転換社債の発行により約78億円を調達すると発表し、その後の2日間で同社の株価が急騰した。調達した資金は、マレーシアでのバイオ燃料製造プラントの建設資金に充てられる予定だ。
ユーグレナは、ロート製薬および丸井グループと資本業務提携を締結した。さらに、マツダと第一生命保険(第一生命ホールディングス傘下)が、同社の転換社債を引き受ける。
ユーグレナの紹介
ユーグレナの主な事業は、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)の研究・開発・製造・販売だ。同社は、以下の2つの分野を通じて事業を展開している。
1つめのヘルスケア事業では、藻の一種であるカラハリスイカや石垣産ユーグレナ、クロレラなどを原料とした食品や化粧品の製造を行っている。
エネルギー・環境事業では、微細藻類を利用したバイオ燃料技術や環境関連技術の開発を行う。バイオ燃料は、動植物などの地上にある生物資源(バイオマス原料)から製造される。植物は光合成によって大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収しているため、バイオ燃料の燃焼によって発生するCO2は、あらかじめ大気中から吸収したものを、元に戻しているだけということになる。バイオ燃料の製造には、使用済み食用油などの廃棄物系原料が広く使われている。ユーグレナのバイオ燃料「サステオ」は、成分の90%以上が使用済み食用油で構成され、残り10%以下に微細藻類のユーグレナから取れる「ユーグレナ油脂」を含んでいる。食用油は有限な資源であるため、食料と競合しない原料として、ユーグレナ油脂の培養開発に注力している。また同社は、国際規格に適合したバイオジェット燃料や、バスや船舶の動力源となるバイオディーゼル燃料も製造している。
ユーグレナはさらに、リバネスおよびSMBC日興証券と共同で設立したベンチャーキャピタルファンド「リアルテックファンド」を運営している。同ファンドは、リアルテックスタートアップ(地球と人類の課題解決に役立つ研究開発を行うベンチャー企業)への資金提供や事業支援を行う。その他では知的財産、人材採用、広報、クリエイティブなどの支援にも携わる。
ユーグレナがバイオ燃料製造プラントの建設で4社と提携
ユーグレナは、マレーシアにおける商業規模のバイオ燃料製造プラントの建設・運営を検討している。2023年中に最終的な投資決定を行うため、現在は技術と経済の面で実現が可能かどうかを検討している。2025年のプラント完成を目指し、同社は、丸井グループおよびロート製薬と資本業務提携を締結した。また、マツダと第一生命は、ユーグレナの発行する48億円の転換社債(新株予約権付社債)を引き受ける。ユーグレナはこの社債によって調達する資金を、バイオ燃料製造プラント建設と並行して、ヘルスケア事業やエネルギー・環境事業にも充てる予定だ。
同社は、第3者割当による新株320万8500株を1株あたり935円で発行し、丸井グループに213万9000株、ロート製薬に106万9500株を割り当てた。転換社債は、マツダが28億円分、第一生命が20億円分を引き受けている。
ユーグレナの株価は1月19日(木)に上昇し始め、翌20日には今後の事業拡大を期待したトレーダーや投資家の買いで6.17%高の998円に急騰した。同社の株式は、過去12か月間で約38%上昇している。
なお、1月20日の日経平均株価の終値は2万6553円で、前日から0.56%上昇した。
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