欧州通貨の巻き返しと米ドル相場への影響
欧州通貨が底堅い展開となっています。2019年はFEDの緩和スタンスに直面しながらも米ドル高の局面が多く散見されました。その要因のひとつが欧州通貨安でした。しかし、今後欧州通貨の巻き返しがある場合、米ドル売り圧力が高まる可能性があります。詳細はマーケットレポートをご参照ください。
・米ドル高の土台を崩す欧州通貨買い
4日の外為市場で筆者が注目したのは欧州通貨の動向だった。ユーロドルはこれまで上値をレジストしてきた1.11を上方ブレイクすると、高値1.1115まで上昇する局面が見られた。そしてユーロ以上に買い圧力が高まったのが英ポンドだった。10月以降、ポンドドルは1.28-1.30レンジで売り買いが交錯していた。しかし、今月12日の選挙で「保守党による単独過半数獲得」がベースシナリオとなっている状況を意識し、昨日はついにレンジの上限1.30を大陽線で上方ブレイク。高値1.3120まで急伸した。
欧州通貨の強さに注目する理由は、それが米ドル相場の下落トレンド転換のシグナルとなり得るからである。2019年の米ドル相場はFEDの緩和スタンス(=米ドル安要因)に直面しながらも、欧州通貨安に支えられ堅調地合いを保ってきた。しかし、米長期金利(以下米金利)が1.7-1.8%台で膠着状態となっているタイミングで今後も欧州通貨買いが続くならば、米ドル安優勢の局面が散見されよう。ポンドドルが1.30のレンジを一気に上方ブレイクし、ブルトレンドのムードがさらに高まってきた状況を考えるならば、ユーロドルがこの動きに追随できるかどうか、この点が、米ドル安圧力が高まるかどうかの焦点となろう。ユーロドルの上昇要因として注視すべきは、米中対立リスクの後退、良好な欧州指標データそして冴えない米指標データである。
尚、昨日は欧州通貨のみならず、オセアニア通貨や主要な新興国通貨でも米ドル安優勢だった。注視すべきは、米金利が反発する状況下でも米ドル安となったことである。同じ現象は今年の10月にも発生している。
【欧州通貨の動向】
・ユーロドルのテクニカル分析
ユーロドルの焦点は1.11トライから、1.11ブレイクを再び上方ブレイクした後1.11台を維持できるかどうか、この点へシフトしている。インプライド・ボラティリティ(1ヶ月)は未だ4%台での低空飛行状態となっており、大きな変動は期待できない。だが、通貨オプション市場のリスクリバーサル(1週間/1ヶ月)は上昇基調を維持している。本日発表される独&ユーロ圏の指標データが総じて市場予想を上回るならば、1.11台の攻防シフトを予想する。上値の焦点は、6月25日高値1.1412を起点としたレジスタンスラインの突破となろう。昨日はこのライン手前の1.1115でレジストされた。このラインを突破する場合、1.11台維持を予想する。また、次のレジスタンスポイントとして1.11ミドルレベル、オファーが観測されている1.1170そして重要レジスタンスポイント1.1180が浮上しよう。特に注目されるのは1.1180の攻防である。この水準の突破はポンドドルの1.30ブレイクと同じ意味(=レンジブレイクの意味)を持つ。逆に失敗すればトリプルトップが意識され、再びフィボナッチ・リトレースメント61.80%を視野に反落する展開が予想される。
【ユーロドル】
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