ジャクソンホール前の米ドル売り / ユーロドルとポンドドルの焦点
サマリー:「昨日は米株が最高値を更新しコモディティ価格も上昇した。外為市場ではリスク選好を受けた米ドル売りが続く。ユーロドルとポンドドルは買戻し基調にある。それぞれのチャートポイントは?」。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ジャクソンホール前の米ドル売り
昨日の米国株式市場ではS&P500とナスダック総合が4日続伸し、ともに最高値を更新した。また、原油や金といったコモディティ価格も上昇したことで、外為市場ではリスク選好相場の恩恵を受けやすい新興国通貨-ブラジルレアルや南アフリカランドが上昇した。同じく、リスク選好相場に連動するオセアニア通貨やカナダドルといった通貨も対米ドルで上昇した。
対照的に米ドル相場は、長期金利が上昇した恩恵を受けることができず、リスク選好相場の米ドル売りに圧される展開となった。
ドル円(USDJPY)は109.88レベルまで上昇するも、その後は109.41まで下落する展開に。一方、ユーロドル(EURUSD)は1.1765まで上昇し、21日EMA(今日現在1.1763レベル)をトライした。
先週20日以降、外為市場では米ドルのロングを調整する動きが見られる。米金利が上昇しても、それが米ドル相場のサポート要因とならなかった昨日の状況を考えるならば、ジャクソンホール会議までは、米ドル相場の上値の重い展開が続くことを想定しておきたい。
米長期金利とドルインデックスの動向
ユーロドルは21日線の攻防が焦点
昨日のレポートで取り上げたユーロドル(EURUSD)は、21日EMA(今日現在1.1763レベル)をトライする展開となっている。
昨日は21日線で上昇が止められたが、MACDで反転のシグナルが点灯していること、そして上で述べたようにリスク選好の米ドル売りが続いている状況も考えるならば、ブレイクの可能性を意識したい。
21日線の突破に成功する場合は、1.1785前後の攻防に注目したい。この水準は、大陰線が示現した先週17日の高値レベルであり、今日は短期レジスタンスラインが推移している。このラインで上昇が止められる場合は反落リスクを警戒したい。
逆に短期レジスタンスラインをも突破する場合は、今月13日と16日にレジスタンスポイントとして意識された1.1800レベルのトライが焦点となろう。ジャクソンホール会議を控えていることを考えるならば、50日EMA(今日現在1.1831レベル)を一気にトライする可能性は低いと予想する。
一方、米株が反落する場合は、ユーロドルの下値トライを想定したい。このケースでの焦点は、昨日の安値1.1725の維持である。この水準を下方にブレイクしても米株が大きく崩れない限り、1.17台を維持する可能性を意識したい。
ユーロドルのチャート
ポンドドルは10日線の攻防が焦点
一方、同じ欧州通貨のポンドドル(GBPUSD)は、10日EMA(今日現在1.3742レベル)の攻防となっている。昨日は、見事に10日線で上値が抑制された。
ユーロドルと同じく、ポンドドルもリスク選好相場による米ドル安にサポートされているだけなので、短期レジスタンスラインを突破しない限り、基調は下落トレンドにあると想定したい。
しかし、ジャクソンホール会議前までは米ドル安が続く可能性を意識したい。よって、今日は10日線の上方ブレイクが焦点である。10日線が推移する水準は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%のレベルにあたる。
これらレジスタンスポイントを突破する場合は、21日EMA(今日現在1.3781レベル)もしくは半値戻しの水準1.3791レベルをトライするかどうか?これらの点に注目したい。後者のテクニカルポイントは、今月12-13日にかけてサポートポイントとして意識された経緯がある。その水準がレジスタンスへ転換する可能性を意識しておきたい。
一方、下値の焦点は、昨日の安値1.3692レベルの維持である。ユーロドルと同じく、米株が反落する場合は、ポンドドルの下値トライを想定しておきたい。
ポンドドルのチャート
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