FEDの経済予測 / 米株は強弱まちまちの展開に / 株式にらみの外為市場
今日のサマリー。公表されたFEDの経済予測は玉虫色だった。注目点は21年と22年の経済成長を下方修正したこと。ナスダック指数の調整に要注意。ユーロドルとドル円のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
FEDの経済予測
16日のFOMCでパウエルFRBは、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を表明した。
そして声明文では、ゼロ金利政策を解除するための条件-①完全雇用の水準まで労働市場が回復すること、②物価上昇率が2%に達すること、③物価上昇率が2%を緩やかに上回る軌道に乗ることを条件とした。いずれも予想通りの内容であり、目新しさはない。
今回の焦点は最新の経済予測にあったが、実質GDP(経済成長率)は21年と22年を下方に修正する一方、失業率と物価上昇率(Core PCE)は徐々に改善していくという玉虫色の予測だった。
FEDの経済予測
米株は強弱まちまちの展開に
本来であれば、米国株式市場(以下米株)にとって金融緩和の長期化はサポート要因である。しかし、昨日の米株は強弱まちまちの展開となった。
この点については様々な報道があるが、筆者は21年と22年の経済成長の伸びが鈍化するとの予測が、株高の調整圧力を高めた要因と考えている。
なぜなら、長期にわたり現行の金融緩和政策をFEDが志向していることはFOMC前からわかっていたことであり、また、半年かそれ以上の先を見て動く米株の焦点は、将来その政策の効果が効いてくるかどうか?という点にシフトしているからだ。
その政策効果についてFEDが慎重なスタンスを示したことで、昨日の米株の上値が抑制されたと判断している。
この点を示唆しているのがナスダック指数の下落である。
株価が高すぎるという要因もあるが、景気の動向に敏感に反応するという特性に注目するならば、将来の景気回復に対するFEDの慎重姿勢がナスダック指数の下落圧力を高めたと筆者は考えている。
なお、テクニカル面では4月以降の上昇トレンドをサポートしてきた25日MAがレジスタンスへ転換している。
また、25日MAを10日MAが下方ブレイクするデッドクロスが示現している。
ナスダック総合指数のチャート
株式にらみの外為市場
昨日の外為市場に明確な方向感は見られなかった。
今後は米株、特にこれまで株高トレンドのけん引役だったナスダック指数で調整相場が続く場合、外為市場では米ドル買いと円買いの圧力が高まろう。
株高の調整局面でのユーロドルは、1.17台の維持が焦点となろう。1.1750レベルを下方にブレイクする場合は、1.1700をトライするシグナルと想定している。
一方、ドル円は、米ドル買いと円買いの圧力がぶつかり合うことでレンジ相場の展開を予想する。
本日はビッドが観測されている104.50をサポートポイント、昨日突破に失敗した105.50をレジスタンスポイントと想定している。
ユーロドルとドル円のチャート
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