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中銀イベントウィーク 焦点はFOMCと米金利の反応 / 21日線の攻防が焦点のドル円とユーロドル

サマリー:「今週は ”中銀イベントウィーク” である。市場の関心は米連邦公開市場委員会(FOMC)に集中している。FOMCの焦点はアメリカ金利の反応にある。ドル円とユーロドルは21日線の攻防が焦点に」。詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

中銀イベントウィーク 焦点はFOMCと米金利の反応

・中銀イベントウィーク

今週は14日~15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、16日に欧州中央銀行(ECB)理事会とイングランド中央銀行(BoE)金融政策委員会(MPC)、そして17日に日銀金融政策決定会合が予定されている。

またメキシコ中央銀行、トルコ中央銀行、ロシア中央銀行などの新興国中銀も政策金利を発表する。今週はまさに「中銀イベントウィーク」の1週間である。

中銀イベントの日程

中銀イベントの日程


・市場の関心は連邦公開市場委員会(FOMC)に

市場の関心が最も高いのは、米連邦公開市場委員会(FOMC)である。

11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で6.8%と、約39年ぶりの高水準へと上昇した。インフレの加速に危機感を抱いているパウエルFRB議長は政策転換の加速を議論すると、すでに予告している。よって、今回のFOMCではテーパリング(資産購入の規模を縮小する政策)を加速させ、来年春の利上げに関する議論を行うだろう。

すでに3月にも資産の購入を終了させることができるとの報道(WSJ)が出ている。

また短期金融市場では、来年5月4日に開催されるFOMCでの利上げ確率が約59%の水準にあり、来年末までに3回の利上げを見込む動きが見られる。



・米金利の反応に注目

パウエルFRBによる政策転換の加速が意識される局面でも、10日の米国株式市場ではS&P500指数(SPX)が最高値を更新した。VIXやVXNのボラティリティ指数も低下傾向にある。

さらに、NY原油先物(WTI)や資源価格(CRB指数)が反発基調にあることも考えるならば、オミクロンリスクで不安定となっていた投資家心理は改善していることがうかがえる。この状況が続くかどうか?この点を考える上で重要となるのが、FOMCを受けた米金利(特に2年債利回りと10年債利回り)の反応である。

パウエルFRB議長の予告は市場の反応を探る “観測気球” だったが、今のところ政策転換の加速に対して各市場ではヒステリックな反応は見られていない。FOMC後、アメリカ金利の上昇が限定的となるか、もしくは低下で反応する場合、米国株は上値トライの展開が予想される。国際商品市況もドル高リスクが後退することで反発基調の維持が予想される。

このケースでの外為市場では、資源国通貨や資源と関わりのある新興国通貨が対米ドルで上昇する展開を予想する。

一方、FOMC後に米金利が急上昇し、その後も上昇トレンドを形成する場合は、今のリスク選好トレンドが一気に変わる可能性がある。特にハイテクグロース株の下落幅が拡大することが予想される。

米国株の下落は投資家心理を悪化させるだろう。よって、このケースでの外為市場では、米金利の急上昇による米ドル買いと、株安による資源国通貨や新興国通貨売りを想定しておきたい。

米金利のチャート

米金利のチャート

21日線の攻防が焦点のドル円とユーロドル

・ドル円(USDJPY)

ドル円(USDJPY)は、21日線(SMA)で上昇が抑制されている。

10日の米株高でも21日線すらトライ出来ない状況は、株高と米金利の上昇が同時に発生しなければ、ドル円が上値をトライし続ける可能性が低いことを示唆している。

今週も上値の焦点は21日線の攻防となろう。

FOMC後に米金利が緩やかに上昇する場合、米国株は上昇トレンドを維持する公算が大きい。このケースでは、21日線の上方ブレイクと114円台への再上昇を想定しておきたい。

また、FOMC後に米金利が急上昇する場合も、米ドル買いの圧力で21日線を上方ブレイクする可能性がある。だが、このケースでは米国株が下落する可能性が高い。よって、ドル円の上昇は一過性の現象で終わる展開を想定しておきたい。

114円台のテクニカルポイントは、直近高安の半値戻し114.02レベルおよび61.8%の水準114.37レベルである。

一方、ドル円が21日線の突破に失敗し続ける場合は、下値トライを想定したい。このケースでは113円台の維持が目先の焦点となろう。

112円台へ反落する場合は、このレポートで何度も指摘してきた112.50~60ゾーンの維持が、再び焦点として浮上しよう。

ドル円のチャート

ドル円のチャート


・ユーロドル(EURUSD)

ドル円(USDJPY)と同じくユーロドル(EURUSD)も21日線(EMA)の攻防となっている。

ドル円と違い攻防の期間は今年の11月から続いており、ドル円以上にユーロドルの21日線はレジスタンスラインとして強く意識されていることがわかる。

今週はFOMCに加えて欧州中央銀行(ECB)理事会も開催される。今回の理事会では、コロナパンデミック対策として導入されたパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模の縮小と来年3月に終了させる議論を行うことが予想される。同時に将来の不確実なリスク要因に対応するため、従来の資産購入プログラム(APP)を拡充することも議論する可能性がある。

いずれにしても政策転換を加速させるパウエルFRBとのスタンスの差が埋まらない限り、ユーロドルは調整の反発を挟みながら下値をトライする展開を想定しておきたい。その反発の局面で目先最も注目すべきテクニカルが、21日線ということになる。

ユーロドルが21日線の突破に失敗し続ける場合は、1.12トライを常に想定しておきたい。今月7日安値1.1226レベルの下方ブレイクは、1.12トライのシグナルとなり得る。

逆に21日線を上方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.1378レベルのトライが焦点として浮上しよう。このテクニカルポイントは、11月16日以降レジスタンスのポイントとして意識されて続けている。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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