ドル円と米株 目先の焦点
ドル円は108.00レベルでの神経戦が続いています。今日の日銀イベントや米株が上昇基調を維持するならば、この水準をトライする展開が続くと予想します。一方、強固なレジスタンスとして意識されている以上、反落リスクも常に意識しておくべきしょう。そのリスク要因とは?マーケットレポートをご参照ください。
ドル円は108.00-30ゾーンの攻防が焦点
昨日の主要な欧米の株価指数は下落した。外為市場では米ドル買いと円買いの圧力が高まった。米ドル買いが若干優勢となったが、ドル円はほぼ横ばい水準で推移し続けた。FEDの無制限緩和以降、リスク選好相場では「米ドル安vs円安」、リスク回避相場では「米ドル高vs円高」の戦いとなっている。今日は臨時の日銀金融政策決定会合が午前9時から開催される。企業の資金繰りを支援するための新たな資金供給策を決定すると思われる。これ自体は株高要因である。株高の局面では「円安>米ドル安」の展開が見られることを考えるならば、今回の日銀イベントはドル円の上昇要因となろう。
だが、日銀が新たな政策を導入することは市場も織り込んでいる。また、インプライドボラティリティ(1週間)は5%台まで低下し、リスクリバーサル(1週間)は上昇基調から横ばい基調へと転じている。これらの状況を考えるならば、株高局面が続いても、ドル円は108.00-30レベルで上値が抑制される可能性があろう。108.10下はフィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準にあたる。そして108.31レベルには200日MAが推移している。なお、直近のオーダー状況だが、108.00にはオファーが観測されている。また、108.10-30にかけても断続的にオファーが並んでいる。
ドル円 市場の短期予測
ドル円チャート
米株反落ならば短期サポートラインの攻防が焦点に
一方、ドル円の下値トライのきっかけは、やはり米株の反落となろう。その米株だが、目先は調整を挟みながらも政策期待を背景に、緩やかな上昇トレンドを維持しよう。だが、反落リスクは常に意識しておくべきである。S&P500の株価水準と予想EPSの水準を比較すると、株価が予想EPSをはるかに上回る水準で推移している。2017年にトランプ米政権が誕生してからの株高局面で、現在のような状況(株価>予想EPS)は一度も見られなかった。よって、このかい離は政策期待を背景とした株高が急速に進行していることを示唆している。つまり実体経済を反映した株高ではない、ということである。このような状況の中、米中対立の再燃や指標データで冴えない内容が続くならば、米株の反落材料となる可能性が高いだろう。
米株が反落する場合、ドル円は101.17を起点とした短期サポートラインの維持が焦点となろう。このラインは今日現在、107.20台で推移している。このラインを下方ブレイクする場合は、107.00トライを予想する。107.20にはビッドが観測されている。また、107.00にもビッドの観測あり。詳細は上記のテクニカルチャートを参照されたし。
米国株式の動向
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