ドル円と豪ドル相場、それぞれの焦点とチャートポイントについて
米金利の上昇に連動しドル円は2002年4月以来の132円台へ。新たなレジスタンスポイントの見極めが焦点に。今日は豪準備銀行(RBA)イベントにも注目。豪ドル相場(対米ドル)の焦点とチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ドル円は132円の攻防へ 次のレジスタンスポイントは?
【サマリー】
・米5年債と10年債の利回りは再び3%台へ上昇
・米国債利回りの上昇に連動しドル円は132円台の攻防へシフト
・ドル円 132円台のレジスタンスポイントについて
・豪ドル相場(対米ドル)目先の焦点とチャートポイント
・ドル円 2002年4月以来の132円台へ
6日の米債市場で長期金利(10年債利回り)は再び3%台の水準へ乗せてきた。同様に5年債利回りも3%台へと上昇。ドル円(USDJPY)は米国債利回りの上昇に連動し、2002年4月以来となる132円を付ける局面が見られた(高値132.01)。そして本日早朝に高値130.29を付ける局面が見られた。
今週、米国債利回りの変動要因として注目すべきは、国債の新規発行と5月消費者物価指数(CPI)である。前者では7日に3年債440億ドル、8日に10年債330億ドル、8日に30年債190億ドルと、計960億ドルの入札が予定されている。入札の内容次第で米国債利回りはさらに上昇する可能性がある。
米国債利回りとドル円のチャート
・ドル円 次のレジスタンスポイントは?
通貨オプション市場のリスクリバーサル(ドル円)を確認すると、1週間だけでなく1ヶ月のそれもドル・コールの状況へ転じている。テクニカルの面では5日移動平均線(SMA)がサポートラインとなっている。131.34(5/9高値)を難なく突破した勢いも考えるならば、今日は132円台の攻防が焦点となろう。
ドル円のチャート①
ドル円(USDJPY)がしっかりと132円台へ乗せてくる場合は、次のレジスタンスポイントがどのレベルになるのか?この点を見極めることが焦点となろう。
6日のレポートでは、フィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準133.49レベルが新たなレジスタンスポイントの候補になり得ると指摘した(上記の日足チャートを参照)。しかし、目先のドル円は132円台の攻防が焦点である。そこで3月安値(114.64)、5月高値(131.34)と反落局面での安値(126.36)を基点としたプロジェクションのポイントを確認すると、38.2%の水準132.74レベルが浮上する。132円台の攻防では、この水準(132.74)のトライ&ブレイクとなるか?この点に注目したい。
米国債の入札や5月米CPIで利回りの上昇基調が続けば、ドル円は132.74レベルを突破する展開が予想される。このケースでは、133円台のレジスタンスポイント133.49レベルを視野に、ドル円の上昇幅拡大を想定しておきたい。
一方、ドル円が反落する場合、まずは131.34レベルがレジスタンスポイントからサポートポイントへ転換するかどうか?この点を確認したい。サポートラインとして意識されている5日移動平均線(SMA)は今日現在、130.97レベルまで上昇している。ドル円が続伸する場合、この移動平均線は131円台へ上昇しよう。131.34の攻防と合わせて考えるならば、131円台を維持できるか?反落の局面ではこの点に注目したい。
ドル円のチャート②
RBAイベントと豪ドル/米ドルの焦点
・利上げ幅
豪準備銀行(RBA)は7日に開催する理事会で2会合連続の利上げを決定する公算が大きい。焦点のひとつは利上げの幅である。通常の0.25ポイント利上げか0.4ポイントの大幅利上げかで市場の見方が分かれている。短期金融市場では、0.25ポイントの利上げ確率が71%前後なっている。
もう一つの焦点は利上げのスタンスである。堅調な豪州経済を考慮しRBAが利上げスタンスを維持すれば、0.25ポイントの利上げでも今回のRBAイベントは豪ドル相場のサポート要因になると予想する。
・豪ドル相場のトレンドは国際商品市場の動向次第
RBAイベントで豪ドル買いの圧力が高まっても、それは短期的な動きとなることが予想される。中長期スパンで考えるならば、豪ドル相場(AUDUSD)のトレンドは、国際商品市場の動きに左右されるだろう。
ロシアーウクライナ紛争の長期化で資源供給の問題がグローバルリスクとして意識されている。なかでも穀物(小麦)の生産問題は深刻で、22年のウクライナの収穫量は前年に比べて4割以上減る見通しとなっている(ウクライナ穀物協会)。
同じ小麦生産国である豪州は、ウクライナの供給減を補う代替国として注目が集まっている。その豪州は21/22年度に3,600万トン以上を収穫し、世界2位の小麦輸出国となった(IKONコモディティーズの推計)。22/23の収穫量も3,000万~3,500万トン程度になることが予想されている。
原油価格が高止まりしている状況も考えるならば、国際商品市場は堅調地合いを維持する可能性が高い。直近の米国債利回りの上昇は米ドル買い要因であるため、今は豪ドルの上昇幅が拡大しやすい局面ではない。しかし、国際商品市場が上昇トレンドを維持する限り、下値も限定的と予想する。
CRB指数のチャート
・豪ドル/米ドルのチャートポイント
直近の豪ドル/米ドル(AUDUSD)は、反落の基調にある。上で述べた米国債利回りの上昇による米ドル買いの影響が見て取れる。だが、国際商品市場の堅調地合いを受け今のところ下落幅は限定的。目先は、先週2日の安値0.7141のトライ&ブレイクが焦点となろう。米国債利回りの上昇と国際商品市場の反落が重なる局面では、21日移動平均線(SMA)のトライと維持に注目したい。
一方、米国債利回りの低下と国際商品市場が上昇する局面では、豪ドル/米ドルの上昇を予想する。このケースでの焦点は、0.73レベルのトライ&ブレイクである。そのシグナルとしてフィボナッチ・プロジェクション61.8%のブレイクに注目したい。また、このテクニカルポイントから0.73にかけての水準は、レジスタンスゾーンと想定しておきたい。
豪ドル/米ドルのチャート
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