米中通商協議の動向と観測報道
日米株式の市場では調整ムードが出始めています。この状況がリスク選好トレンドに冷や水を浴びせるかどうかは、米中通商協議の動向とそれに関する観測報道の内容次第でしょう。今日のドル円とユーロドルの焦点は?マーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・米中通商協議の動向と観測報道
7日の海外外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。この日は米中通商協議に対する不透明感が意識され、主要な新興国通貨に対して米ドル買い圧力が高まった。また、原油価格の下落を受け米ドル/加ドル(USD/CAD)の上昇幅が目立った。米ドル相場以上に買い圧力が高まったのが円相場だった。株安と原油安を背景にカナダ円やNZD円での円高が進行した。6日のレポート「絞られてきた目先のリスク要因」でも指摘したが、リスク選好トレンドを抑制する目先のリスク要因として注視すべきは、米中通商協議である。昨日、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は米中の間には「大きな隔たり(pretty sizable distance)」が存在すると指摘(CNBC報道)。来週初めに米国サイドはムニューシン財務長官とライトハザーUSTR代表を中国に送り込む。後者は対中強硬派の代表格であり、トランプ米大統領やクドローNEC委員長と対中政策のスタンスが一致している。米国サイドを納得させるだけの譲歩を中国サイドが示さなければ、ネガティブな観測報道が流れよう。現状、通商リスクは中国経済の減速リスクを市場に意識させる。この懸念が再び高まる場合、資源需要の落ち込み観測から豪ドルや加ドルといった資源国通貨売りが継続しよう。資源輸出に頼る新興国の通貨も対米ドルで下落しよう。また、中国経済と関係が深まっているドイツ経済の先行きリスクが意識されることで、ユーロも対米ドルで上値の重い展開が想定される。米中通商リスクは米ドル高要因であることを常に意識しておくことが重要である。
・ドル円は続落を想定 ユーロドルは1.1300トライを警戒
米中通商協議を控え日米株式で調整ムードが出始めている状況を鑑み、本日のドル円は続落を想定する。下値の焦点は2日連続で相場をサポートしている109.50となろう。この水準にはビッドが観測されている。日米株式の下落幅が拡大する場合、次の下値ターゲット21日MA(109.36)の攻防を注視したい。このMAをも下方ブレイクする場合は、短期サポートラインが推移している109.00を視野に下落幅の拡大を警戒したい。このレベルにもビッドが観測されている。一方、上値の焦点は52週MAで変わらず。110.20および110.25にはそれぞれオファーが観測されている。
ユーロドルはさらなる下値トライを想定。域内経済に対する先行きリスクが意識されているタイミングで米中通商協議の懸念が再び浮上しつつある状況、そしてプロジェクション61.80%の水準1.1339をも下方ブレイクする展開となっていることを考えるならば、1.1300(プロジェクション76.40%)のトライを警戒したい。昨日相場をサポートした1.1320にはビッドが観測されている。1.1300前後にもビッドが断続的に並んでいる。一方、反発局面では昨日高値1.1374の突破が焦点となろう。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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