米中会談を意識したレンジ相場
今日は米中会談前ということもあり、各市場ともレンジ相場で推移すると思われます。焦点はこの件についての観測報道となるでしょう。それ以外では、米欧のインフレ指標データに注目しています。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・米中会談を意識したレンジ相場
27日の海外外為市場は、ブレグジットリスクを意識した英ポンド売り以外、目立った値動きは見られなかった。オセアニア通貨や主要な新興国通貨の一角は対米ドルで堅調地合いを維持。また、米国株式市場ではS&P500とナスダック指数がそろって上昇した。これらの状況を考えるならば、明日開催予定の米中首脳会談に対する市場の思惑が楽観的に傾いている。しかし、米中は報復合戦を暫定的に休戦という観測報道(香港紙)が出れば、トランプ米大統領やクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が関税強化に言及する状況が続き、事態は流動的である。よって、このイベントにより新たなトレンドが発生するならば、それは来週以降のことになろう。
今日の各市場は、米中首脳会談を意識したレンジ相場を予想する。米国債券市場では長期金利が2.0%の水準を回復している。しかし、米株が最高値圏での攻防を維持し、原油価格が反発基調にある中でも2.07%前後でキャップされている状況を考えるならば、米金利の低空飛行状態は今日も続こう。よって、外為市場のトレンドは引き続き株式動向次第とみる。注視すべきは米株だが、今日は上値の重い展開が予想される。だが、各ボラティリティ指数やハイテクセクターの堅調地合いを考えるならば、27日のレポートで指摘した調整による下落は限定的となろう。ドル円は、昨日相場をレジストした21日MA(108.06前後)を上限と予想する。一方、ユーロドルは米欧のインフレ指標データで上下に振れる展開を予想する。だが、米中首脳会談を控えていることを考えるならば、どちらに動いても1.13台を中心としたレンジ相場の攻防に終始しよう。
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は、107円台を中心とした売り買い交錯相場を予想する。日米株式が上昇することで上値トライとなっても、21日MA(108.06前後)での反落を警戒したい。一方、下値の焦点は107円台の維持となろう。テクニカル面で注目すべきサポートポイントは2つ。まずは、リトレースメント38.20%の水準107.64である。昨日はこのレベルが高値108.15まで上昇する起点となった。また、反落後もこの水準で相場がサポートされた。107.64を完全に下方ブレイクする場合、次の下値ターゲットは61.80%の水準107.33と予想する。今月26日に、このレベルでの買いが相場をサポートした経緯がある。
ユーロドルは、米欧のインフレ指標データ次第でトレンドが左右される展開を予想する。だが、上下どちらに振れても米中首脳会談を前に大きな値動きとなる可能性は低い。目先のサポートポイントを1.1340と想定。このレベルを下方ブレイクする場合は、1.1300トライを警戒したい。1.1330、1.1310および1.1300にはそれぞれビッドが観測されている。一方、上値の焦点だが、今月26日高値1.1390を突破する場合、1.14の再トライを予想する。
【ドル円】
【ユーロドル】
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