米株の前提と対中関税第4弾
米株が不安定な状況に陥っています。このレポートではボラティリティの動向に注目し、米株の下落リスクを指摘してきました。直近の下落はまだ調整の範囲内です。しかし、米中合意の前提が崩れるならば、その域を脱する下落局面が来るでしょう。そうなればドル円や円相場全体は円高方向に振れるでしょう。詳細はマーケットレポートをご参照ください。
・米株の前提と対中関税第4弾
3日のレポート「今月 最も注目すべきは米株の動向」の中で、現在の米株は米中対立リスクが緩和に向かうという前提で最高値圏での攻防を維持していると指摘した。この前提が崩れない限り、米株の堅調地合いは続き、先月21日以降、米株上昇との連動性が高まっているドル円も堅調地合いを維持しよう。
しかし昨日、トランプ米大統領は米中協議の合意について「I have no deadline, no. In some ways I think it’s better to wait until after the election with China」と発言。合意の期限を設けず、且つ来年11月の米国大統領選挙後まで待っても良いという発言は、現在の米株高の前提を揺るがすインパクトがある。事実、昨日の米国株式市場では主要3指数がそろって下落した。今回のトランプ発言により、12月15日という日が再びクローズアップされるだろう。この日、米国政府がほぼすべての中国製品を対象とした対中関税第4弾に踏み切る場合、これまでの前提が完全に崩れよう。そして、クリスマス休暇を前に多くの投資家が利確売りに奔走しよう。このような事態に陥るかどうかはキーマン達の言動やヘッドライン次第であるが、実際に米株が崩れる場合、米長期金利もそれに連動し低下しよう。米国市場全体がリスク回避相場となれば、ドル円は108円をブレイクしよう。
尚、筆者が注視している米株のボラティリティ(=20日間の標準偏差を年率換算した値)だが、ベンチマークであるS&P500のそれは上昇基調にあり、2018年以降からのボラティリティ・パターン -低すぎる水準の6%前後までボラティリティが低下した後、ボラティリティが急拡大するというパターン- が再び示現するシグナルが点灯している。一方、オプション価格から算出されるボラティリティ(VIX指数)も低すぎる水準の12%台から17.99まで急騰する局面が見られた。
【米株とボラティリティ】
・ユーロドルのテクニカル分析
ドル円は108円台の維持が焦点として再び浮上する一方、ユーロドルは1.11の再上昇が焦点となっている。テクニカル面では、フィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準1.0993でサポートされ、21日MA(1.1040レベル)と89日MA(1.1058レベル)を大陽線で一気に上方ブレイクした。そして通貨オプション市場のリスクリバーサルも上昇基調にある。これらの状況を考えるならば、今日のユーロドルは1.11トライを予想する。1.1100にはオファーが観測されているが、この水準の上には同時にストップも置かれている。ストップハンティングとなれば、同じくオファーが観測されている1.1150が次のターゲットとなろう。先月5日に1.1140レベルで上値がレジストされた経緯がある。一方、下値の焦点は、上述した2つのMAで反転するかどうか、この点が焦点となろう。1.1050にはビッドが観測され始めている。
【ユーロドル】
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