センチメントは米指標データ次第
米株のボラティリティを確認する限り、リスク選好相場は未だ続いていると想定しています。しかし、リスクセンチメントは米国の指標データ次第で大きく変動するリスクもくすぶっています。本日の焦点は?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・センチメントは米指標データ次第
25日の米株は売り買いが交錯し、主要3指数に大きな変動は見られなかった。VIX指数を確認すると、警戒水準とされる20ポイント以下での推移が続いている。一方、VXN(ハイテクセクターのボラティリティ)は、一時20ポイントを上回る局面が見られた。だが、完全に突破し切れていない状況は、リスク選好相場の根強さを示唆している。今週、投資家のセンチメントに影響を与える要因のひとつが指標データであることは、25日のレポート「欧米指標データ、要人発言そして国際政治の動向」で指摘済み。エバンス・シカゴ連銀総裁は米国経済の軟化が確認される場合、金融緩和に踏み切る可能性を示唆した。現状、パウエル議長自身から利下げについての言及は無い。しかし、今月22日にボスティック・アトランタ連銀総裁も利下げが検討対象であると述べたことを考えるならば、今後の指標データ次第でFEDは利上げの停止のみならず、利下げの政策オプションを本格的に検討する可能性がある。米債券市場ではこの点に敏感に反応し、長期金利は2017年12月18日以来となる2.377%まで低下する局面が見られた。この低下圧力を後退させる唯一の要因は、良好な指標データである。本日は1月-2月住宅関連指標および3月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が発表される。総じて市場予想を上回るならば金利の低下圧力が後退することで、米ドル相場のサポート要因となろう。一方、米株が上昇しても債券市場の方では経済の先行き不透明感をより意識する状況が続けば、株高のみのリスク選好相場となり、外為市場では新興国通貨買いの圧力が高まろう。
【米長期金利チャート】
・ドル円は米株にらみ ユーロドルは21日MAの攻防が焦点
今日のドル円は米株の動向に左右されよう。反発する場合、109円後半で底堅い展開となろう。上値の水準は米長期金利の動向次第だが、良好な指標データを背景とした「米株高/金利上昇」の展開では、111.00を視野に上昇幅の拡大を予想する。テクニカル面では10日MA(110.85前後)の攻防を注視したい。一方、株高のみのリスク選好ならば、110円ミドルレベルで上値が抑制される展開を予想する。米指標データが総じて市場予想を下回る場合は、リトレースメント38.20%の水準109.39を視野に下落幅の拡大を警戒したい。110.50、110.70および111.00にはオファーが観測されている。109.40にはビッドの観測あり。
一方、ユーロドルは21日MA(1.1322前後)の攻防が焦点となろう。リスクリバーサルは反発傾向にあり、ユーロ売り圧力の後退を示唆している。米指標データが総じて冴えない内容となれば、米金利低下を背景に21日MAを突破しよう。逆に米指標データが総じて良好な結果となれば、21日MAがレジスタンスラインとして意識されよう。後者のケースでは、22日以降相場をサポートしているリトレースメント61.80%の水準1.1279レベルの維持が焦点として浮上しよう。1.1350にはオファー、1.1270にはビッドが観測されている。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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