米指標データに敏感な長期金利
昨年12月のFOMC以降、米ドル相場は長期金利の動向に連動する局面が見られます。その長期金利は株安よりも市場予想を上回るGDP統計に反応しました。この事実は、FEDの金融政策の動向をより注視していることを示唆しています。本日も米指標データにらみの展開を想定します。詳細はマーケットレポートにて。
Analysis Highlights
・米指標データに敏感な長期金利
昨日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。市場予想を上回ったGDP統計を受け、米長期金利は一時2.731%まで上昇する局面が見られた。米金利の動向を受け、新興国通貨およびオセアニア通貨を中心に米ドルは上昇した。昨年12月のFOMC以降(パウエルFRBの政策スタンスが転換して以降)、米長期金利と米ドル相場の相関性が再び高まっている点についてはこのレポートで指摘してきた。昨日はこの見立てが正しいことを再確認する相場となった。その米長期金利が、株安ではなくGDP統計に反応した事実は、米金融政策の動向が債券市場で強く意識されていることを示唆している。本日はFEDが重視するインフレ指標12月PCE指数の他、2月 ISM製造業景況指数が発表される。どちらも内容次第で米長期金利の動向を左右する指標であり、それゆえ米ドル相場のトレンドも左右する材料として注目したい。米指標データが総じて市場予想を上回るケースでは、米国市場のリスク選好(株高/金利上昇)を想定する。外為市場では米ドル買い圧力が高まろう。特に新興国通貨やオセアニア通貨に対して米ドルは堅調に推移しよう。米ドルと新興国通貨の関係を考える上では、「株高/米金利低下」の局面で「米ドル売り/新興国通貨買い」のパターンを想定する必要がある一方、「株高/米金利上昇」の局面では金利上昇の影響の方が相場に大きく作用するため「米ドル買い/新興国通貨売り」を想定することが重要である。一方、対オセアニア通貨の動向については中国の指標データも確認する必要がある。昨日の2月製造業購買担当者景気指数に続き、本日の同月Caixin製造業購買担当者景気指数が市場予想(48.5)を下回る場合、中国経済の減速リスクを背景としたオセアニア通貨売り圧力が高まる展開を意識したい。その後、米指標データが総じて強い内容となる場合、オセアニア通貨は対ドルで下落幅が拡大しよう。
【米長期金利チャート】
・ドル円、ユーロドルともに米指標データにらみ
本日のドル円は底堅い展開を想定している。日米株式が大きく崩れない限り、110円後半でサポートされる状況が続こう。一方、上値トライは米指標データ次第となろう。良好な米指標データが確認される場合、112.00トライを意識したい。一方、指標データが総じて市場予想を下回るケースでは110円後半へ反落する展開を想定している。テクニカル面では75日MA(110.86)がサポートラインとして意識されるか、この点を注視したい。111.50から112.00にかけては断続的にオファーが並んでいる。一方、110.60にはビッドの観測あり。
ユーロドルは、昨年9月高値1.1815を起点としたレジスタンスライン(1.1457前後)を上限、1.1300を下限と想定。どちらをトライするかは米指標データ次第となろう。レジスタンスライン下の1.1450にはオファーが観測されている。一方、10日MAが推移している1.1350および1.1330-1.1300には断続的にビッドの観測あり。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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