株高に追随できない米長期金利
年初からの米国市場の動向を確認すると、株高トレンドに米長期金利が追随できない状況となっています。本日はFOMC議事要旨が公表されますが、内容次第で米長期金利にはさらに低下圧力が高まる可能性があります。このケースでの外為市場の焦点は?マーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・株高に追随できない米長期金利
19日の海外外為市場は米ドル売り優勢の展開となった。米国サイドが中国人民元相場の安定の保証を求めるとの報道を受け、オフショアの米ドル/人民元(USD/CNH)で下落幅が拡大した(米ドル安/人民元高)。この動向以上に、昨日筆者が注目したのが、米長期金利の動向である。米株の上昇トレンドとは対照的に、米長期金利は2.7%台でキャップされる状況が続いている。FEDによる政策転換の影響が「株高/金利低下」の主因であることを考えるならば、本日公表されるFOMC議事要旨で市場は今後の指針を確認しようとするだろう。注視すべきは景気の先行きに関する議論である。この点について、多くのFEDメンバー間で懸念が共有されていることが判明する場合、次回利上げに対する不透明感が高まろう。また、バランスシートの早期終了観測も高まることで、米長期金利への低下圧力がさらに高まるだろう。このケースでは米ドル売りを想定している。一方、「株高の維持/米長期金利の低下」という展開は、新興国通貨にとってポジティブである。ユーロも対米ドルで買戻し基調が続こう。一方、ドル円は株高による円売りと米長期金利の低下による米ドル売りがぶつかり合うため、110円台での売り買い交錯相場を想定している。国内外の株式が大きく崩れない限り、下値トライとなっても下落幅は限定的となろう。その株式の下落幅の拡大要因として注視すべきは、今週より再開される米中通商協議に関するネガティブな報道である。
【S&P500/米長期金利のチャート】
・ドル円は110円台の売り買い交錯を想定 ユーロドルは21日MAの攻防が焦点
本日のドル円は110円台での堅調地合いを想定している。株高維持ならば111.00トライが焦点となろう。テクニカル面では75日MA(111.10前後)の攻防を注視する。このMAの突破に成功する場合、次のターゲットは200日MA(111.30前後)となろう。111.00にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は110円台の維持である。テクニカル面では21日MA(109.94前後)の維持が重要となろう。110.00および109.80にはビッドの観測あり。
ユーロドルは買戻し基調の維持を想定している。FOMC議事要旨が米ドル安圧力を高める場合、目先の焦点は21日MA(1.1364前後)およびリトレースメント50.00%(1.1373)の上方ブレイクとなろう。これらを達成する場合、1.14台を目指し上昇幅が拡大しよう。テクニカル面では、リトレースメント61.80%の水準1.1406を次の上値ターゲットと想定している。1.1360から1.1400にかけては断続的にオファーが観測されている。一方、下値の焦点は1.1280レベルの維持となろう。直近2日はこのレベルで相場がサポートされている。1.1270から1.1200にかけては断続的にビッドが並んでいる。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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