再び上昇し始めている米金利 パウエル発言に注目
今日のポイント:『米金利が再び上昇し始めている。パウエルFRB議長の発言に注目。米国市場の動向次第で外為市場のトレンドが左右されるだろう。ドル円のチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
再び上昇し始めている米金利 パウエル発言に注目
昨日の米国株式市場は、主要3指数が下落した。一方、米債市場では金利が上昇する展開となり、長期金利(10年債利回り)は1.498%まで反発する局面が見られた。
『株安/金利の上昇』は、外為市場で米ドル買いの圧力を高める要因となった。
特にリスクセンチメントの流れに敏感な豪ドルやNZドルに対して米ドル高となった。これら通貨に対しては円買いの圧力も高まったが、米金利上昇の影響を受けたため『米ドル買いvs円買い』の戦いは米ドルに軍配が上がった。
パウエルFRB議長の発言(日本時間25日午前2時5分のウォール・ストリート・ジャーナル・ジョブズ・サミットでの発言)に米債市場の参加者が注目しているとの報道がある。
ハト派のブレイナード理事は、経済成長や消費の見通しは改善傾向にあるが、金利の急激な上昇が経済の回復を削ぐ可能性があると指摘した。
『米金利の上昇は景気回復を反映した動き』と捉えている一部の連銀総裁とは一線を画す発言である。
米金利の動向についてFEDのコンセンサスはどの点にあるのか?今日のパウエル発言を含めて、今後はこの点が米金利のトレンドに影響を与えるだろう。
米長期金利のチャート
外為市場の動向とドル円のチャートポイント
小康状態だった米金利が再び上昇し始めている。上で述べたとおり、本日はパウエル発言が米金利のトレンドを左右する可能性がある。
再び金利の上昇が一服する場合は、米株の反発を想定したい。このケースでは米ドル安優勢の展開を予想する。
一方、米金利の上昇が続く場合は、2つのシナリオを想定しておきたい。
ひとつめは、米金利と米株が同時に上昇するケースである。
2月の相場を振り返るならば、このケースでは資源国通貨買い優勢の展開を予想する。米金利の上昇により米ドル買いの圧力も高まることが予想されるが、その影響は対日本円やスイスフラン、または地合いの弱い新興国通貨(ブラジルレアル/メキシコペソなど)に限られる可能性がある。
もうひとつのシナリオは、米金利の上昇によって米株が下落するリスク回避相場のケースである。昨日の動向を参考にするならば、このケースではリスク回避の米ドル買い優勢を想定したい。同時に円買いの圧力も高まろう。
米金利の小康状態が早くも終わりつつあることで、ドル円は再び株式と金利の両にらみの展開となっている。
株高のみのリスク選好相場となる場合、円安による底堅い展開を予想する。しかし、このケースでは米ドル安の圧力が上昇圧力を相殺するため、上昇幅は限られる可能性がある。
昨日高値107.15から107.20前後での攻防に注目したい。
米株高と金利の上昇が同時に発生するケースでは、ドル円の上昇幅が拡大する展開を予想する。このケースでは、昨日の高値107.15レベルを突破する展開を予想する。
次の上値の焦点は、昨年7月20日高値の107.52レベルのトライとなろう。
昨日と同じく米金利の上昇に米株が下落で反応するケースでは、米ドル買い優勢の展開を想定したい。
だが、この展開となる場合、円買いの圧力も高まりやすいことから、最初のケースと同じく上昇幅は限定的になると予想する。
最後に米株の下落と米金利の低下が同時に発生するケースでは、ドル円の下落幅拡大を予想する。
下値の焦点は、今月2日の海外時間に相場をサポートした106.60台の維持となろう。この水準は、直近高安のリトレースメント23.6%のレベルにあたる。
ドル円のチャート
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